ブックオフ、買取拒否の雑誌を「処分しましょうか?」提案し炎上 「タダで商品を仕入れてる」説の真相を運営会社に聞いた
大量の音楽雑誌をブックオフに持ち込むも買取拒否を受け、店員から「こちらで処分しましょうか?」という提案が。「無料で仕入れてこっそり売るのでは」と、波紋を呼んでいる。
「本を売るならブックオフ」のCMでお馴染みのブックオフ。本の処分を考えた際、ブックオフに持ち込んだ経験がある人も多いだろう。
しかし現在X上では、ブックオフ店員から受けた提案の内容が波紋を呼んでいるのだ。
ブックオフ店員の「処分しましょうか」提案に疑念

ことの発端は20日、とあるXユーザーが投稿したポスト。
ブックオフに音楽雑誌『レコードコレクターズ』を持ち込んだところ、「最新号ではないから」という理由で買取拒否を受けたという。当該のポストには、本棚にぎっしり詰まった大量の『レココレ』の写真が添えられていた。
投稿主が『レココレ』を持ち帰ろうとすると、店員から「こちらで処分しましょうか?」という提案があり、こちらを拒否したという。
ポスト本文は「これがブックオフのやり方なんです。ただで商品を仕入れようとするのです」と、ブックオフに対する不信感で締められていた。
投稿者の主張が賛否招く事態に
当該のポストは瞬く間に話題となり、「買い取ってほしかったのであって、処分してほしかったワケではないですものね」「以前自分もコミック持ち込んだら、古い作品じゃないのに全部100円査定でした」など、共感と同情の声が多数寄せられている。
一方で、「古い雑誌ってマジで売れないから処分するしかない」「ブックオフとかリサイクルショップはお金にならなくても良いから処分したい人向け」「ディスクユニオンに持っていくべきだったのでは」といった具合に、投稿主の意見に対する疑問の声も散見された。
また、現役のブックオフスタッフ、およびブックオフでのアルバイト経験があるという人物からは「処分で引き取った本を販売することは禁止されている」という意見が少なからず上がっており、中には「マニュアルで規定されている」という指摘も確認できるなど、本件に関しては実に様々な声が上がっているのだ。
話題のトピックの真相を探るべく、ブックオフグループホールディングスに詳しい話を聞いてみることに。
「100%善意からの提案」と説明
持ち込みに対する「こちらで処分しましょうか?」という提案の意図について、ブックオフの広報担当者は「ブックオフチェーンでは、お値段が付かなかった品物に対しては、お客様にお持ち帰りされるかどうかを確認し、されない場合はお引き取りさせて頂く旨をお伝えしております」と、説明する。
提案の意図としては、「持参した本を持ち帰る手間などを考慮したユーザーへの配慮」と「(値段がつかず)引き取った品物はパートナー企業と連携し、リサイクルに繋げることが可能」という2点が挙げられるという。
また「最新号ではないから」という理由で買取を受け付けないケースに関しては、「今回のケースは月刊誌となりますが、店舗の在庫状況によって買取基準は異なります」とも、説明している。
それでは今回の議論が最も集中した点、「処分」を提案して引き取った本たちのその後はどうなっているのだろうか。
こちらの疑問に対し、広報担当者は「値段がつかずお引き取りした品物は全て国内での販売はせず、『国内での資源化』『海外輸出による活用』または『廃棄処分』をしております。今回のような本や雑誌の場合は古紙としてリサイクルし、リサイクルができないものは廃棄処分としています」と、説明する。
これらの対応はブックオフのサービスサイトQ&Aにも記載されており、やはり以前から質問が多い内容なのだろう。
元スタッフも「再販の確率はゼロ」断言
ちなみに一連の騒動を受け、Sirabee編集部の窓際に所属し続けているキモカメコ佐藤記者が本件に対して発したコメントが注目を集めているのをご存知だろうか。
https://twitter.com/peyangtaneda/status/2013497032711995766
そこで今回は、約15年前にブックオフで2年間アルバイトをしていたという佐藤記者に、ブックオフ内部の実情を尋ねてみることに。
まず前提として、佐藤記者は「本を売りに来るお客さんは若者層より、意外とご年配の方が多いです。独立したお子さんの部屋を整理したり、引っ越しのタイミングなんかに。きっと思い出がたくさん詰まっているんだろうな...1円でも高く買い取ってあげたいなと...心で思いながらマニュアル通りに査定を行う毎日でした」と、振り返る。
とは言え、中には状態が悪いなどの理由で、買い取れない本や雑誌があるのも事実。
そうした実情を踏まえ、佐藤記者は「手垢の残りや虫食い、表紙破れ、日焼けなどでスタッフ間では“D本”(Aが最上、Dが最低ランクを指す店内用語)と呼ばれていました。しかし、段ボールいっぱい持ってきてくれたご年配の方に、『買い取れないのですぐ持って返ってください』と伝えるのはあまりに酷。そういった事態を回避するために、『こちらで処分できますよ』というアナウンスを行っていました。もちろんD本の廃棄処分コストは店が負担します」と、説明してくれた。
今回のような「そのD本をこっそり再販しているのでは」という都市伝説は、以前からネット上に蔓延していたそうだが、佐藤記者は「元スタッフの立場からすると、可能性はゼロです」と、キッパリ否定している。
その理由については「バックヤードにはまだまだ店頭に出せない大量の綺麗な中古本があり、廃棄決定のD本をわざわざ棚に出す必要性がありません。私はヘルプ人員を含め、都内の売上上位店6店舗での勤務を経験していますが、一度もそんなことは行われていませんでした」と、力説していたのだ。
もちろん「店舗スタッフ個人の不正」などを考慮するとその限りではないが、それはブックオフの問題ではなく、不正に手を染めた個人の問題・責任である。
クレーマーに在庫を見せたら無言に
他にも「廃棄を依頼した本が後日棚に並んでいた」という意見や書き込みが、ネット上にて散見されている。
こちらに対しても、佐藤記者は「スタッフ時代に相談を受けたこともありました」と頷きつつ、「しかし、指定された本と同一の本がすでに在庫として数十冊もストッカー(在庫を入れる引き出し)に入ってます。相談をしてきたお客さんにその光景を見せると、黙ってお帰りになられました。前述の通り、D本を並べる余裕も意味もないのです」と、明確に否定していた。
思い出や思い入れのある本に「値段がつかない」という真実に、苛立ちや寂しさを覚え、「ブックオフは物の価値が分かっていない」と腹を立てたくなる気持ちも分かる。
恐らく、そうした感情が店側の「処分しましょうか?」という提案に「裏でこっそり売っているのでは?」という疑念から来る、バイアスをかけてしまうのだろう。
執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。道路・鉄道ネタに関する取材で、国土交通省や都道府県警、全国の道路事務所、鉄道会社に太いパイプを持つ。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
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