ウェザーニュースキャスター小林李衣奈、表現者としての原点「ミュージカル一筋の経験が活きている」
気象情報会社ウェザーニューズが制作・配信している生動画番組「ウェザーニュースLiVE」で、朝・昼・夜と一日を通して最新の気象・防災情報を伝えているウェザーニュースキャスターたち。発売中の総勢12名のウェザーニュースキャスターが登場する『ウェザーニュースキャスターカレンダー2026』から、学生時代はミュージカルに打ち込んでいたというキャスター4年目の小林李衣奈さんに、これまでのキャリアを中心に話を聞いた。(前後編の前編)
――この仕事に興味を持ったきっかけからお聞かせください。
小林 3歳からミュージカルをやっていたので、自分を表現することを仕事にしたいなとずっと思っていました。ただ、いろいろと自分のスキル的なところもあって、大学3年生の時に区切りをつけて就職活動をして、新卒で別の会社に入社したんです。学生時代に打ち込んできたことが活かされてないわけではなかったんですけれども、今までのことをもっと活かせる場所があるんじゃないかと思いました。
――そこからウェザーニューズとの出会いがあったと。
小林 たまたまオーディションサイトを見に行ったんです。というのも芸能事務所に入りたいとかではなくて、学生時代に登録していた有料サイトを解約しに行ったんです。その時に年齢も年齢なので、最後に受けられるものはないかと思って、悪あがきで見ていったら、ウェザーニューズのキャスター募集を見つけたんです。調べてみたら、キャスターの皆さんが自分の個性も大切にしつつ、たくさんの人に役立つ情報を、責任を持って自分の口から伝えている姿を見て、そこに魅力を感じました。
――ウェザーニューズの存在は知っていたんですか。
小林 知ってはいたんですが、意識して見ていたわけではありません。私も先輩方になれるかなと淡い期待を持って、応募したのがきっかけです。
――ミュージカルはどういう経緯で始められたんですか。
小林 もともと2つ上の姉がミュージカルを習っていたんです。地元が兵庫県で、近くに宝塚出身の方がやっていらっしゃるスクールがあって。うちの両親が、姉を音痴にさせないためにという目的があったんです。どうやら代々、父方の家系が音痴というのを、母が感じていたらしくて(笑)。
――そんな理由でミュージカルを学ばせることがあるんですね。
小林 というのも姉が小さい時に、父方の祖母が子守唄を歌っていたのを聴いたら、かなり音程が苦しかったそうで衝撃的だったらしいんです。母は姉の顔立ちを見て、「この子は父方の系統だ」と思っていたらしくて。もしかしたら音痴も受け継ぐかもしれないと危惧して通わせていたスクールに、私も赤ちゃんの頃から通っていたんです。
――物心がつく前からですか?
小林 はい。スタジオの外でおむつを替えられているぐらいから、姉と一緒に通っていました。ただ私自身の意思だったらしいんですよ。ガラス張りの向こうで、みんなが楽しそうにしているのを見て、私も入りたいと言ったらしくて。それで3歳から大学4年生までずっとミュージカルをやっていました。
――舞台にも出演されていたんですか。
小林 オーディションを受けて、ちょこちょこ舞台に出ていました。並行してミュージカルに生かすためにダンスもやっていたんですが、そちらは年齢に合わせて、「こういうところで学びたいな」と自分の意志でダンススクールを転々としていました。
――本気でミュージカルに打ち込んでいたんですね。
小林 ミュージカルのプロを目指していたので、学校の帰りの会も出ないで早退して、週6、7日くらいスクールに通う学生時代でした。
――実際、音痴にはならなかったんですか?
小林 私は母方というのもあって、音感がありましたし、姉も歌うのが上手なので、母の努力が報われてよかったなと思います(笑)。
――ミュージカルの道に進むことに迷いはなかったのでしょうか。
小林 そうですね。周りもプロを目指している人たちばかりで、特に学生時代、一番長く通ったのが劇団四季の養成スクールだったので、毎年合格者が出ていて、いつか私もなりたいと思っていました。ずっとミュージカルに打ち込んできたので、自分の経験やスキルを活かすには、その道しかないと考えていました。
――特に印象に残っている舞台は?
小林 オペラ『カルメン』です。千人くらい入るホールで、有名な指揮者さんがいて、オーケストラの方と稽古したのが印象的でした。フランス語だったので、フランス語のレッスンから始めて、その期間中は学校も休んで稽古に参加していました。
――どうして一般企業に就職されたのでしょうか。
小林 周りを見ていても、演劇一本で食べていける人は限られていて。私は学生時代に怪我をしたこともあったので、このままでは食べていける能力までいかないなと。それで大学2年生のときに区切りをつけて、卒業後は地元の神戸で就職しました。しばらく名残惜しさは引きずっていましたけどね。
――ウェザーニューズに入社することに、周囲からの反対はなかったのでしょうか。
小林 むしろ家族や、お世話になった先生方は、「ミュージカルを諦めるのは惜しい」と言ってくれる人が多くて。だからキャスターになったと報告した時は、すごく喜んでくれました。
――発音や発声はミュージカルで学んだことが生かせましたか。
小林 話すことに関しては、当時の経験が活きているなと思います。メインでやっていたのは声楽でしたが、通っていたスクールでは、まず朝は掃除と発声から始めていました。おなかの使い方も解剖学的な視点で、声はどこで鳴らすかという人体的なところから学びましたし、ナレーションのレッスンもカリキュラムの一環でやっていました。3時間生放送でしゃべるって、あまり他ではない仕事だと思うんです。先輩方も「喉が疲れてしまう」とおっしゃっていましたが、私はあまり大変だと思ったことがないんです。
――研修期間が短くて、最速だったそうですね。
小林 研修では自分で考えてお話しすることをメインにしていたので、声の出し方みたいなところはウェザーニューズに入社してから学ぶというよりは、すでに持っていたものを使って、先輩方を見て勉強していくという感じでした。
――カメラの映り方に関してはいかがでしたか。
小林 今でも映り方はあまり気にすることがないんですが、毎日鏡を見てレッスンをしていましたし、自分でダンスの振り付けを作ることもあったので、どういう動きがより綺麗に見えるかは、学生時代の経験があるのかもしれません。
▼「ウェザーニュースキャスターカレンダー2026」<出演者>戸北美月、山岸愛梨、小林李衣奈、江川清音、青原桃香、松本真央 田辺真南葉、白井ゆかり、駒木結衣、岡本結子リサ、小川千奈、魚住茉由
<価格>卓上(縦10.0cm、横15.0cm、幅8.0cm):2,750円(税込)壁掛け(縦51.0cm、横36.5cm):3,300円(税込)セット:6,050円(税込)
<販売>SORASHOP、YouTubeストア、TikTok Shop
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