「海外の視聴者にも届けたい」ウェザーニュース小林李衣奈、英語で“天気を伝える”未来への挑戦
気象情報会社ウェザーニューズが制作・配信している生動画番組「ウェザーニュースLiVE」で、朝・昼・夜と一日を通して最新の気象・防災情報を伝えているウェザーニュースキャスターたち。発売中の総勢12名のウェザーニュースキャスターが登場する『ウェザーニュースキャスターカレンダー2026』から、学生時代はミュージカルに打ち込んでいたというキャスター4年目の小林李衣奈さんに、これまでのキャリアを中心に話を聞いた。(前後編の後編)
――ウェザーニューズの求人を見つけるまで、キャスターに興味はなかったんですか。
小林 あまりなかったです。そもそも気象に関しての知識がなかったので。いただいた原稿を読む仕事ではなくて、自分でしっかりと理解をして、噛み砕いて伝えるとか、自分から何か情報をキャッチして、頭で整理して伝えるという仕事だったので。話すことはできたのかもしれないんですけど、その内容を伝えるという面においては、何も経験がなかったので、最初は苦労しました。番組前に準備時間を設けていただくんですが、デビュー当時は3時間ぐらいかけて準備をしていたのに、全然時間が足りなくて。分からないことを調べていたら、原稿も書けないし。その原稿も、どの順番で、どうやって伝えたらいいか分からないので、書いては消して、書いては消してを繰り返したら1時間ぐらい経っていて。書き上がった原稿も、実際に読んでみたらおかしいことに気づくんです。
――上司の方にチェックはしてもらえるんですか。
小林 最初はお願いしていました。今も担当のディレクターの方に「今日こういう原稿でいきます」とお渡しして、おかしいところがあったら訂正していただきますが、気象的に間違っていないかだけのチェックです。表現を直されることはないので、自分の言葉でしゃべっています。最初から人に頼るようになってしまうと、3時間の生放送はできないんですよね。
――先輩キャスターからアドバイスはありましたか。
小林 私はデビューも一人だったので、研修も一人でやっていたんですけど、最初は話すことを考えるところから始めるという研修に時間をかけていただいたんです。原稿を書く手が止まっていたら、先輩方が声をかけてくださって、分からないことがあったら教えてくださったり。いろんなツールを見るんですけど、例えば気温だったら、アメダスのツールを見たり、昨日との比較のツールを見たり。どこに何があるかというデータの場所も分からなかったので、「これを書きたい時は、こういうところを見たらいいよ」とか、一から百まで先輩に教えていただきました。分からないことがあったら、私も先輩に話しかけていました。
――常時、他のキャスターさんもいらっしゃるんですか。
小林 だいたい番組前後で、出番が終わったキャスターさんと次の準備をしているキャスターさんがいて。私がスタジオで話す練習をしていると、ふらっと遊びに来てくださる先輩方もいらっしゃって。そういう時に、研修で分からないことを聞けたのでありがたかったです。分からないことが分からないというフェーズの時も、いろんな先輩方に声をかけていただきました。
――研修を受けてから、キャスターデビューまでの期間はどれくらいだったんですか。
小林 1ヶ月なかったです。すごく不安だったんですけど、とにかくやるしかないと。研修の前後とかに、近くのカフェに行って番組を張りついて見て、先輩方がしゃべったところを止めては確認して、全部書き起こしていました。3時間分をほぼ書き起こして、どういう時にこういう言葉を使っていらっしゃるかを、各キャスターさんの番組を見て研究しました。自分はどういうのがやりやすいかなというのを考えて、特に研修期間の最後の1週間は、とにかく番組を見て文字起こしをして。そうしてなんとか、キャスターとしてよちよち歩きを始められました。
――初めての3時間の生放送はいかがでしたか。
小林 やってみるとあっという間でした。「ぽよん」というチャットのコメントが表示されるので、それを見ながら、カメラの向こうに見ている人がちゃんといるんだなと実感できました。
――コメントを見ながら話すのは難しくなかったですか。
小林 最初は難しかったです。次に何をするかという構成表が手元にあるので、そればかり見ていて、コメントは見逃していることも多かったです。スタッフさんから毎回フィードバックをいただいて、「ちゃんとぽよんも拾っていくと、もっと楽しくなるし、番組も盛り上がるよ」というフィードバックをいただいた時に、付箋に「ぽよん見る」と書いて、その辺に貼っておいて。そういう意識づけを最初して、ちょっとずつ余裕が生まれていきました。
――どのくらいで自分のペースをつかむことができましたか。
小林 まずは春夏秋冬を経験しないと、季節によって伝えることも違います。3時間やるということに関しても、放送中の3時間だけじゃなくて、準備もあります。普段の生活の仕方も、仕事に影響すると思っていたので、その辺を踏まえると、1年くらいかかって、ようやくキャスターの仕事ができたかなと思えるようになりました。
――番組で心がけていることはありますか。
小林 あまりかしこまりすぎないというか、視聴者との距離が近くて、親しみやすい雰囲気があるのが「ウェザーニュースLiVE」のいいところだと思うので。原稿一つにしても、あまり聞き馴染みのない言葉を使わないとか、耳にすっと入って理解ができる言葉選びに気をつけています。あと、原稿を読む時は顔が見えていないので、そういう時も表情が見えるように声に抑揚をつけるなど、いつも明るくというのを心がけています。気を張り詰めすぎても、緊張感が伝わってしまうので。メリハリをつけて楽しくするというのが、私の3時間のモットーです。
――今後、この仕事を通してチャレンジしてみたいことはありますか。
小林 私は高校3年間、国際科に通っていたんです。高校時代もミュージカルを優先した生活ではあったんですが、部活動はESSという英語の部活動に入っていて。学校が国際的なことに力を入れていて、国からも指定されていたので、留学生や姉妹校も多かったんです。だから日常的に海外の方とお話しをしたり、ディベートしたりという機会があって。今は英語学習から離れているんですけど、「ウェザーニュースLiVE」はYouTubeライブだったり、いろんな媒体で発信していて、海外の方からのコメントも多いんです。そういった方にも向けた発信を頑張りたいと思います。
――会社的にもバックアップしてくれそうですね。
小林 実際にそういうお話をしていただいたこともあって、チャレンジしがいのある分野だと思います。天気は日本のことだけじゃなくて、地球全体のことですし、たくさんの人の役に立つということで言うと、サポーターさんも海外にいらっしゃって、海外で起こっていることを日本国内の方が注目しているということもあるので、会社がグローバルに成長していく中で、私もジョインしていけたらなと思います。
▼「ウェザーニュースキャスターカレンダー2026」<出演者>戸北美月、山岸愛梨、小林李衣奈、江川清音、青原桃香、松本真央 田辺真南葉、白井ゆかり、駒木結衣、岡本結子リサ、小川千奈、魚住茉由
<価格>卓上(縦10.0cm、横15.0cm、幅8.0cm):2,750円(税込)壁掛け(縦51.0cm、横36.5cm):3,300円(税込)セット:6,050円(税込)
<販売>SORASHOP、YouTubeストア、TikTok Shop
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