「初バズりでした！」柚木毬乃、泥だらけで走り回ったソフトボール少女時代を語る

――Xに投稿されたソフトボール部時代の写真が大きな反響を呼んでいました。あの投稿がきっかけで柚木さんを知ったという方も多いと思います。

柚木　はい、ありがたいことに、あの投稿からライブに来てくれる方がすごく増えました。投稿してからだいぶ時間は経ちましたけど、今でもその投稿をきっかけに会いに来てくれる方がいて、本当にうれしいです。

――フォロワーもかなり増えたのでは？

柚木　めちゃめちゃ増えました！今までそんなにバズったことがなかったので、通知がすごくて。携帯を開いたらいっぱい通知が来てる、みたいな。「1分でこんなに『いいね』がつくんだ！」って、初めての経験で驚きました。これが私の初バズりです（笑）。

――あの写真は、まさに「泥だらけの野球少女」という感じでした。ソフトボールはいつから始められたんですか？

柚木　中学に入ってからです。何をやるか決めていなかったんですけど、体を動かすことが好きだったので、最初から運動部に入ろうとは思っていたんです。そんなときに、仲の良かった友達に「一緒にやらない？」って誘われたのをきっかけに始めました。

――それまでスポーツの経験は？

柚木　特になかったです。だから家族にはすごく反対されました。たぶん、運動経験がなかったから心配だったんだと思います。でも、小学生の頃から活発ではあったんですよ。休み時間は絶対に外に出て男の子に混ざってドッジボールをしたり、木に登ったりして遊んでいました（笑）。

――かなりアクティブな小学生だったんですね。家族の反対を押し切って入部したソフトボール部はいかがでしたか？

柚木　顧問の先生がめちゃめちゃ厳しい人で、練習はすごく大変でした。ちょっとミスしただけで怒鳴られたりもしましたけど、そのおかげで上達できたのかなって思います。ポジションはセンターだったのでより大変でしたけど、楽しかったです。もう毎日、傷だらけ泥だらけで、今のアイドル活動とは全く逆の世界でしたね。

――そんなに厳しい環境で、3年間続けられたのはすごいことだと思います。

柚木　1日も休まずに続けました。実は、私の中でちょっとした自慢なのが、小学校、中学校、高校と12年間、無遅刻無欠席だったことなんです。

――それは本当にすごい記録ですね。体調を崩したり、学校に行きたくないと思ったりした日はなかったんですか？

柚木　本当に風邪をひかなくて、健康だけが取り柄だったんです。もちろん「学校に行きたくないな」と思う日はありましたけど、親に「行ってきなさい」と言われていましたし、何というか…行かなきゃいけないっていう義務感で頑張って通っていました。

――その真面目さが部活動にも繋がっていたんですね。ところで、中学時代のチームは強かったんですか？

柚木　県の中では知られているチームでした。県選抜に選ばれるような子もいましたけど、私はそんなにセンスがある方ではなかったので、ソフトボールではあまり目立てなかったです。でも、チームとしては東海大会まで進むことができました。

――なぜ高校ではソフトボールを続けなかったんでしょう。

柚木　センスのある子たちをずっと見てきて「私じゃダメかな」と思ってしまったんです。それと、高校に入学して部活見学に行ったときに、すごく惹かれる部活に出会ってしまったんです。

――何ていう部活ですか？

柚木　マーチングバンド部です。家族にはまた反対されました（笑）。そこは全国大会に行っているような強豪校だったので「あなたには無理だよ」って。でも、反対されるほどやりたくなる性格なので「絶対にやる！」って決めて入部しました。

――はたまた厳しい世界に足を踏み入れたと。どういった役割を務められていたんですか？

柚木　カラーガードという、大きな旗を振り回しながら踊るセクションを務めていました。体験入部で先輩たちの演技を見たときに、一瞬で「これやりたい！」って惹きつけられて。他の部活も見ましたけど、1番印象が強かったのが決め手でしたね。

――カラーガードの旗は大きいものなんですか？

柚木　長さが180cmあります。すごく重いので、1年生のときはその旗に慣れるために音楽に合わせてひたすら回す練習ばかりでした。手首がおかしくなりそうでしたし、腕もすごいことになりました（笑）。でも、そのおかげで筋力はつきましたね。体力測定の握力やハンドボール投げは、女の子の中で1番強かったです。現役のソフトボール部の子たちと同じくらい飛んでいました（笑）。

――それはすごいですね。今のお話から練習の厳しさが伝わってきました。

柚木　本当に休みがなかったですし、毎日夜遅くまで練習していました。クタクタになって家に帰って、また朝練に行って……その繰り返しでしたね。土日も「依頼演奏」というのがあって、地域のお祭りや動物園、自動車の記念イベントなど毎週どこかのイベントで演奏していました。

――その経験が今に活きている部分もありますか？

柚木　そうですね。毎週のように人前でパフォーマンスをしていたので、アイドルとしてステージに立つことに慣れているのはこの経験のおかげかもしれないです。

▼柚木毬乃（ゆずのき まりの）2001年12月10日生まれ。愛知県出身。中学ではソフトボール部、高校ではマーチングバンド部に所属。地元での生活を経て上京し、2023年3月にアイドルグループ・LOVE 9 LOVEのメンバーとして活動をスタート。メンバーカラーはパステルイエロー。11月末に同グループから卒業した。