書籍「怪人」(東京ニュース通信社刊)の発売イベントを実施した山田裕貴

山田裕貴、約6年に渡る連載の集大成『怪人』発売「ファンの人たちに形に残るもので恩返しを」

2025.10.20 19:37
提供:Deview

 俳優の山田裕貴が19日、都内にて自身の書籍『怪人』(東京ニュース通信社刊)の発売記念イベントを開催し、インベント前に行われた会見に登場した。

 同書籍は、“役を生きる”をテーマに2019年~25年の約6年間に渡り「TVガイドdan」で連載した「山田裕貴の怪人百面相」を1冊にまとめたもの。“役者”と“一人の人間”としての二面性をテーマに構成され、俳優としてさまざまな人生を生き続ける山田の本質を多角的に紐解くようなストーリー仕立てで展開。いろいろな人や職業、時には人ならざるものなどになりきる姿が収められた1冊となっている。

 出版物を発売するのが 8年ぶり3冊目となる山田は、「コロナ以降、ファンの人にお金使ってもらうのは映画館や作品のためだけにしてほしいという思いがあった」と明かしつつ、「東京ニュース通信社の方が熱意を持って『まとめ本にしませんか』と言ってくださったので。(タイトルが)『怪人百面相』だし、 僕が意見をいっぱい言わせてもらって写真を選んだり、ページを変えたりするのをやめて、側から見える、演じている僕みたいなものを連載でも表現していたので、僕の思いより、“誰かが作る僕”という見方でもおもしろいなと思いました」とコメント。

 さらに「連載の中で、編集者の方にすごく無理難題を言ったりしていたんですよ。“月”っていうテーマの時は、明かりを変えるだけで、ページめくっても、僕の顔がドーンとあるだけ。雑誌を作る上で、そんなありえないじゃないですか? そういう無理難題も掛け合ってくれた編集者の方の思いを汲みたいなと思って。あとはやっぱり、ファンの人たちに、形に残るもので恩返しを何もしてないなと思いまして。一つ、ありがとうの気持ちになればと思い『怪人』に至りました」と発売に至るまでの経緯を明かした。

 自身のお気に入りのテーマについて聞かれると、「着ぐるみ、アリ、クラゲ…人じゃないんですけどね」と回答。“着ぐるみ”では「6ページぐらいあって、5ページ僕の顔が写らないっていう。本当に着ぐるみを被って、代々木公園で子供達に急に絡んでいったりしたんですけど。俳優って側で見えているもので語られてしまったり、僕が今ここでしゃべっていることも、どういうふうに伝わっていくか分からなかったりする世の中なので。『本当の僕って何なんだろう』みたいなものを、その着ぐるみで表現できたわけですよ。雑誌の中でほかの俳優さんたちがページを重ねる中、僕のページだけ着ぐるみを被っていて顔が出ていないみたいな、そういうとっぴなことをやってみたかった。それが本当に、中に僕が入っているのかわからないっていう状態って、今の世の中に似ているなあっていう感覚もあって、そういうメッセージ性もありました」とテーマに込めた思いを語った。

 “アリ”については、「現場の空気が変わったんですよ」と当時の撮影の様子を振り返りながら、「いつもご一緒しているスタイリストさんやメイクさんも『むずかしい』と言っていて、現場でもカメラマンさんが『どうしよう』となっていて。『じゃあスタジオに吊るしてある紙をくしゃくしゃにして、土の中みたいなイメージにしませんか』とアイデアを出したら、衣装も、メイクも、と盛り上がっていって。普段、こんなことないんですけど。スタジオのスタッフさんたちも乗ってきて、『照明もこうしたほうがいいですか』と僕やカメラマンさんに聞いたりして。『めっちゃクリエイティブしてるやん!』と思った“アリ”が、ハイブランドのモデルさんばりの出来で。アートってこういうことだな、その場の即興で、僕たちの頭一捻り、心一捻りでどんなものにでも消化できるんだなっていうのを感じられました」と達成感をにじませる。

 さらに、「ちょっと『怪人百面相』、もうそろそろネタも尽きてきたし、100回やりたいと言っていたけど終わらなきゃいけないかなって思っていたんですが、“アリ”で持ち直したんですよ。その経験はお芝居の現場でも、今の現場が自分の中で気持ちを作りづらくても、頭一捻り心一捻りでどれだけでもやってやるというふうに思えたきっかけだったので、今は『 “アリ”にありがとう』ですね」とダジャレを織り交ぜ、会場の笑いを誘った。

 約6年間の連載期間での環境の変化を尋ねられると、「僕の心意気と心は変わってないんですけど」と前置きし、「わかりやすく言うと、スタッフさんたちが『山田くん』とか『裕貴!』って呼んでくれていたのが、『あ、山田さん』みたいになってきちゃったっていう。悪いことじゃないんだけど、『こんなに距離あったっけ?』みたいな。周りが僕を大きくしていってくれているなっていうのと、同時にちょっと寂しさを感じることもあります。フランクにしゃべりたいんだけど。その中でも、もちろん毎現場すごく楽しいです」と心境を告白。

 また、「主演作が『木の上の軍隊』『ベートーヴェン捏造』『爆弾』と連続した時の撮影期間って、5ヶ月の間で3本やっていて。それがクランクアップして、次の日から『ちるらん 新撰組鎮魂歌』のアクション練習が始まって。『ちるらん』のアクション練習を10日間ぶっ続けでやってそのままインするとか、とんでもないスケジュールをどうにかしたいなと思います。これは文句じゃなくて、クオリティーを上げたいという。僕はこれで準備ができているのかという不安というか、これは果たしていい俳優なのかって、自分に問う日々が続いている」と明かす。

 「やっぱり準備期間を持って作品に挑むわけだし。僕はもしかしたら『怪人百面相』だったりいろんな現場で100作以上やってきたから、頭一捻り、心一捻りを毎現場続けてどうにかやってきたかもしれないけど、ここから先もっとクオリティーを高めたり、ハイレベルのものを目指す上で、自分の中に落とし込む時間だったり、勉強する時間だったり、アクションなら精度を上げる時間が圧倒的に足りてないんじゃないかっていうのはものすごく思います。その中で『山田くんすごいね』と言われても、『もうちょっとできたかもしれないな』と思っている自分がものすごく嫌だなっていうのを思っています」とストイックな姿勢を見せた。

 今したいことは何かという質問が飛ぶと、「2つあります。ぜいたくは言わないので、準備の期間、勉強する時間がほしいですね。ぜいたくを言うのであれば、ちゃんとした休暇がほしい。それを考えなくていい時間。これは本当にネガティブに書かないでほしいんですけど、休みたいっていうことではなく、自分の中の心のキャパを増やすためにも、1回リセットしていろんな準備をしたいっていう。準備する前の休暇と、そこから準備に挑もうとする時の熱量を高めるためにも、そういった時間がほしい」としつつ、「でも、ありがたいんです。エキストラからこの仕事をやっていて、セリフがあるだけで、自分が主演作やれるだけでありがたいので。その自分と戦わなきゃなと思います。ありがたいだけじゃもうやっていけないところにまで、もしかしたら来たのかもしれない。でも、それは僕がそこに来られたんじゃなくて、支えてくれている人たちやファンの皆さんのおかげなので。だからこそ、本当にバランス取らなきゃなと思います」と真剣なまなざしを見せた。

 最後に、「怪人」を手に取った人、そしてファンに向けて「ファンの人はもちろん、それだけじゃなく、たくさんの人に映画館に来てもらったり、ドラマでも作品のおもしろさを楽しんでもらったりっていうのがもちろんなんですけど。その前に、8年もファンの人たちに、恩返しとして何か形に残る、本みたいに手に取って読めるものを届けられていなかったなと思って。そういう人たちに向けた1冊です。無理難題を受け入れてくれた編集者の方の思いも受け取ってもらえたらいいなと思っています。いつも応援してくださっている皆さま、本当にありがとうございます」とメッセージを残し、会見を締めくくった。

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