「一生コスプレ卒業できない」――活動歴10年超・なを。が語る“作ること”が導いた生き方

今回、話を伺ったのはパズルゲーム『ぷよぷよ』に登場するアルル・ナジャに扮していた、なを。さん。10年以上にわたりコスプレを愛し続ける彼女が「TGS」で初挑戦したという造形衣装はわずか1週間で制作したもの。フリーランスで、衣装づくりが生きがいだという彼女に、そのこだわりや今後の目標などを訊いてみた。

――今日のコスプレについて教えてください。

なを。さん　『ぷよぷよ』に出てくるアルル・ナジャです。「東京ゲームショウ」だからこそ、この懐かしいキャラクターが映えるかなと思って選びました。

――衣装のクオリティも素晴らしいですが、こちらはご自身で？

なを。さん　この衣装は1週間で作りました。特にこだわったのは、魔導士なので近代的なツルツルした布ではなく、少し古い感じのシワがついた布を選んだところです。鎧の部分は今回が初めての挑戦ですごく難しかったんですけど、パーツを切り出してカバーを貼っていく作業が新鮮で楽しかったです。

いつもは布ばかりなので、今回の造形は大きな挑戦でした。やっぱり難しくて……。ゲームショウに来ると、公式ブースのレイヤーさんとか、本当にすごいクオリティの衣装を着ている方がたくさんいるので、「プロが作る造形ってレベルが違うんだな」と改めて勉強になりましたね。今日は撮影されるだけじゃなくて、他のレイヤーさんの衣装の布地や武器の作り方をずっと眺めて研究しているんです（笑）。

――それだけ物作りがお好きなんですね。コスプレ歴も長いのですか？

なを。さん　だいぶ長いですね。途中で休んだり、また始めたりを繰り返しているので、ダラダラと続けてしまっているんですが……気づいたらもう10年以上になります。昔から物作りが好きなので、「やりたいコスプレを全部やりきったら卒業しよう」ってずっと思ってるんですけどね。年々やりたいキャラクターが増えていくんで、一生コスプレを卒業できないループにハマっちゃってます（笑）。

――「卒業したい」という気持ちもあると。

なを。さん　してらんないですけど、したい気持ちはすごくあります（笑）。でも、もしコスプレを着ることがなくなったとしても、趣味で物作りはずっと続けていきたいですね。

――今後、挑戦してみたいことはありますか？

なを。さん　いずれは、こういうゲームショウのイベントに、衣装を作る側で関われたらいいなと思っています。プレイヤーだといつか限界が来るかもしれないけど、作る側なら40代、50代になってもずっと関わっていけると思うので。そのために、もっと衣装作りのスキルを上げていきたいです。

――ステージに立つ側ではなく、作る側を目指すというのも素敵ですね。

なを。さん　長年レイヤーをやってきたからこそ、イベントに出ている演者さんの衣装の着崩れとか、メイクや髪型のちょっとした乱れにも気づけると思うんです。そういうサポートやアシスタント的な仕事もやってみたい。昔、アイドルのステージ衣装のオーダーを受けて作っていたこともあるので、今度はコスプレ関係でお声が掛かるくらい上手くなりたいです。

――現在はフリーランスとして活動されているんですよね。

なを。さん　ほんの少しだけ正社員で働いていた時期もあったんですけど、私には向いてなくて（笑）。今はイベントに呼んでいただいたり、撮影会に出たり、写真集を作ったりという活動がメインです。自分のペースで好きなものを作って、好きな写真を形にできる。この「趣味兼仕事」みたいなスタイルがすごく楽しいので、できる限り続けていきたいですね。

――公私ともに充実しているんですね。今年やり残したことはありますか？

なを。さん　もっとプール撮影がしたかったなって（笑）。水着でのグラビア系の撮影も好きで、今年も5回くらいは行ったんですけど、まだまだ足りないです。あとは普通に海外旅行にも行きたいですね。モルディブとかハワイとか、南の島でのんびりバカンス……と言いつつ、ロケーションも良いので、どうせ撮影しちゃうんでしょうけど（笑）。結局、全部コスプレに繋がっちゃうんですよね。あー卒業できないです（笑）。