「天草四郎が通ったかもしれない」案内看板が正直すぎると話題 設置者は「ウケると思わなかった」
熊本県名物(?)の「天草四郎が通ったかもしれない道」看板が「正直でよろしい」と話題に。設置者は「入念に調査したが、確信が持てなかった」と、説明する。
「曖昧な表現」というのは、日本語の美徳の一つ。もちろん断言した方が良いケースも存在するが、「曖昧だからこそ良い」という表現もまた、多数存在するのだ。
X上では、熊本県内に設置された「曖昧すぎる看板」に、多数のツッコミと称賛の声が寄せられているのをご存知だろうか。
この看板、何かがおかしい...
今回注目したいのは、Xユーザー・らいちさんが投稿したポスト。
「熊本県にある憶測がすぎる道」という意味深が1文が綴られた投稿には、矢印付きの看板の写真が添えられている。
https://twitter.com/aexpwy/status/1954204517097976262
そして、看板には「天草四郎が通ったかも知れない道」という表記内容が確認できたのだった。
「正直でよろしい」と話題に
歴史ある地を訪れた際、歴史的人物の存在を身近に感じた経験は、誰もは一度はあるだろう。しかし、実際に案内板として明記されると、なんともシュールである。

こちらの光景は以前より話題になっていたようで、X上には「そんなん言い出したら、他の道もそうだろ!」「『なんじゃそりゃ』ってツッコミ入れたくなります」「このアバウトさが良い」「正直でよろしい。断定はできないということを表現している」など、ツッコミや称賛の声が多数確認できた。
ポスト投稿主・らいちさんに確認したところ、当該の看板は熊本県上天草市 維和島にある「夕陽が語りかけるマサギマダラ展望台」にて発見したものと判明。
さいちさんも「なんとなく天草四郎が通ったんだろうな、という感じはしました」と振り返っており、やはり普通ではないオーラを発した道なのかもしれない。
そこで今回は、話題の看板を設置した維和地区まちづくり委員会に詳しい話を聞いてみることに。その結果、衝撃の事実が明らかになったのだ...。
それにしてもこの会長、ノリノリである
今回の取材を快諾してくれたのは、同委員会の元会長・鬼塚泰英さん。

同看板が設置されたのは「歩いて健康になろう」というコース上の道で、歴史的資料やを調べたところ、天草四郎が通った可能性は非常に高いという。しかし「歩いた」という確実な資料はないため、誤解を招かないよう正確に「通ったかも知れない」という表現を採用。
言わば鬼塚さんにとっては苦肉の策で、若干の申し訳なさも感じていたようなのだが、この表記が大ウケ。人生、何が起こるか分からないものである。
なお、鬼塚さんは「以前、テレビ番組『ナニコレ珍百景』(テレビ朝日系)でも、取り上げられたことがあります」と、笑顔で振り返っていた。
そもそも天草四郎って誰だ?
最後に「天草四郎」の4文字を目にしたのは学生時代の教科書の中、という人も少なくないだろう。そこで続いては、上天草市社会教育課文化教育係に、同人物の歴史について話を聞いてみることに。

上天草市と天草四郎の関係について、担当者は「江戸時代の1637年(寛永14年)に発生した『島原・天草一揆(島原の乱)』において、天草四郎は、当時10代の若者ながら、島原と天草の間にある湯島(談合島)で行われた一揆の主要人物たちの相談(談合)によって、統領に選ばれました。このことから、湯島は『談合島』とも呼ばれています。天草四郎は現在の上天草市大矢野町の出身とする説があることから、上天草市にゆかりのある人物と考えられています」と、説明している。
また、「天草四郎の母の兄が維和島に住んでいた」とも伝えられており、このことから「母の兄をはじめとする親族が維和島に暮らしていた」と考えられている。
担当者は「隣の大矢野島にも天草四郎の親族が住んでいたという記録があることから、天草四郎も親族の住む維和島を時折訪れていた可能性があります」と補足し、話題の道を「天草四郎が通った」可能性の高さを裏付けていた。
市にとって「シンボル的な存在」
このように、上天草市と強い繋がりがある天草四郎。市内各地には銅像が建てられており、市民にとって非常に身近な存在なのだ。

上天草市の特命係長「上天草四郎くん」は、天草四郎をモチーフにした市のシンボルキャラクターで、市内のイベントなどに出動すると人だかりができるほどの人気を誇るという。
文化教育係の担当者は「市の観光協会は『天草四郎観光協会』、市商工会のスタンプカードも『四郎スタンプ』と名付けられているなど、天草四郎は市民にとって非常に親しみ深く、シンボル的な存在といえるでしょう」と、頷いていた。
歴史ある地を訪れた際は、様々な「かもしれない」に思いを馳せてみよう。
執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。学生時代の社会科は日本史専攻で、日本史ネタが大好き。尊敬する日本史の人物は陸奥宗光。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
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