『この映画さえ撮れたら…』ナムグン・ミン“ジェハ”覚悟の表情に視聴者くぎ付け「あまりにも美しい」「それはもう愛」＜私たちの映画＞

2025.07.08 08:10

韓国で“演技の神”ともいわれるトップ俳優ナムグン・ミンが主演し、“千の顔を持つ”実力派チョン・ヨビンが相手役を務めるドラマ「私たちの映画」の第7、8話が7月5日までに配信された。余命宣告された俳優イ・ダウム(ヨビン)を主演に映画を撮ると決めたイ・ジェハ(ミン)。日に日にダウムへの思いが深まっていく様子を、ミンが味わい深い演技で体現。深い感動を呼んでいる。(以下、ネタバレを含みます)

ダウム、秘密をソヨン(イ・ソル)に打ち明ける

ドラマ「私たちの映画」は、2作目のジンクスに苦しむ二世監督・ジェハと、難病で余命を宣告されながらも役者の夢を諦められずにいたヒロイン・ダウムの出会いから始まる物語。

オーディションでダウムの演技にほれ込み、彼女が余命宣告された重病患者だと知りながら、ほぼ決まっていた人気女優チェ・ソヨン(イ・ソル)を脇に回してまでダウムを主演に抜てきしたジェハ。それまでとは別人のように映画「白い愛」の製作にまい進し始めた。

7話では、いよいよ映画の撮影が本格的にスタート。そんな中、ダウムが何か重大な隠し事をしていると感じていたソヨンはダウムを問い詰め、ダウムはとうとう、余命宣告されていることを告白した。続く8話では、混乱するソヨンと、ダウムのためにすべてを引き受ける覚悟でソヨンと対話するジェハの姿が描かれた。

「先は短いかも。だから彼女が必要だった」

死期の近い患者を映画の主演俳優として起用するなど、まともな判断ではありえない。「どうかしてる」、発覚すれば監督生命が断たれる、とジェハをなじるソヨン。ましてダウムが撮影を最後まで乗り切れるかも分からない状況だ。ジェハは「そう、先は短いかも。だから彼女が必要だった」「イ・ダウムならこの映画に本気で挑んでくれて、完成させてくれると思った」と、自分がスランプから抜け出すための打算的な抜てきだったと打ち明けた。

だが、今ジェハの中に違う感情が広がりつつあることをソヨンは見抜いていた。なぜなら、ジェハは「この映画さえ撮れたら表舞台から消えても後ろ指をさされてもいい」と言いながらも、死期が近いダウムに代役を立てることを考えていない。ジェハにとって何よりも大切なのは「映画の中で生きてみたい」と切望するダウム自身なのだ。

そんなジェハに、ソヨンは「あなたは映画を守りたいんじゃなく、イ・ダウムを守りたいんじゃない」「ダウムさんが好きなんでしょ？あなたはすべてを捨てて愛せるの？終わりが来るのを知りながら？」と現実を突きつけた。

イ・ジョンフム監督「“死”ではなく“生”についての探求」

他でもないダウムのためにこの映画を守りきりたいと願うジェハの覚悟が印象的だった8話に、視聴者からも「この映画さえ撮れたら表舞台から消えてもいいって、それはもう愛」「雨に打たれるジェハの揺るぎない決意の表情があまりにも美しい」「ジェハのダウムへの思いがどんどん深くなっていく」「ジェハの感情の変化を深いところで感じさせるナムグン・ミンさんの目の演技が素晴らし過ぎる」といった感嘆の声が上がった。

ドラマのメガホンをとるイ・ジョンフム監督は8話配信後、自身のSNSに韓国語で「＜私たちの映画＞は“愛”についての話ではなく、愛することのできる“勇気”についての話であってほしいと願います。自身の壁を越えたジェハとダウムを通して、その物語をお見せしたかったんです。残りの＜私たちの映画＞は、“死にゆくこと”ではなく“生きていくこと”についての探求です。2人の残りの時間も見守ってください」とつづった。

そんな監督の思いを代弁するように、8話本編で愛について尋ねるジェハに登場人物たちが「たいていは、それが愛なのか混乱する時点でもう愛しているんだよ」「いえ、混乱したままってこともあるでしょう」「それは勇気の問題じゃないかな」というせりふが登場している。

徐々にダウムへの感情が愛だと自覚していくジェハ。8話ラストでは、ジェハがダウムのもとへ全力疾走するシーンも…。“愛すること”について、登場人物たちがあらゆる角度から語るセリフの数々にも心打たれる「私たちの映画」。死期が迫るダウムと、彼女を全身全霊で愛するジェハの愛はどのような結末を迎えるのだろうか。

ドラマ「私たちの映画」(全12話)は、ディズニープラスのスターで毎週金・土曜に独占配信中。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部