

立石俊樹、小野田龍之介が初共演!ミュージカル「黒執事」最新作で交差する“継承”と“挑戦”<インタビュー>

原作の世界観をステージで鮮やかに体現し続けてきた『ミュージカル「黒執事」』シリーズ。その最新作『ミュージカル「黒執事」~緑の魔女と人狼の森~』が、2025年9月に上演される。
4月期に放送されたばかりのアニメ『黒執事 -緑の魔女編-』(毎週土曜ほか、TOKYO MXほか)でも描かれている、ファンの間でも特に人気の高いエピソードの舞台化。ドイツの深い森を舞台に、“緑の魔女”を巡る謎と人狼伝説が絡み合う、ダークで幻想的なストーリーが展開する。
セバスチャン・ミカエリス役は、前作(『ミュージカル「黒執事」〜寄宿学校の秘密 2024〜』)から立石俊樹が続投。そして今回、シリーズ初参加となる小野田龍之介が、“緑の魔女の執事”ヴォルフラム・ゲルツァーに挑む。注目の2人がどんな化学反応を生み出すのか。立石と小野田に、作品への想いを聞いた。
「悪魔として、さらに高みを目指して演じたい」(立石)
――まずは、本作への出演が決まったときのお気持ちから改めてお聞かせください。
立石:再演を含めると今回で3回目になりますが、セバスチャンとして新作に挑めることがすごくうれしかったです。小野田さんを始め、新たなキャストの皆さんとの共演に加えて、今回は演出に毛利(亘宏)さん、音楽に和田(俊輔)さんといった、これまでの『ミュージカル「黒執事」』を担ってきたお二方が戻ってくる作品でもあるので、『黒執事』の良さはそのままに、また新たな魅力を感じてもらえるものになるんじゃないかなと。期待もありますが、僕も皆さんに食らいついていこうという気持ちです。
今回のエピソードは特に、相対する執事のペア感も面白いですし、シエル(小林郁大)との関係性がより深く描かれているので、悪魔として、さらに高みを目指して演じたいと思っています。
小野田:僕は初期の『ミュージカル「黒執事」』シリーズを劇場で観たことがありまして。そのときは原作を読んでいない状態でしたが、それでも耽美的でミステリアスな世界のなかで繰り広げられる物語にすごくワクワクして、面白い作品だなと。今回お声掛けをいただいて、驚くと同時にあの世界観に入れるんだとうれしかったです。
それこそ、2.5次元の舞台というのは過去、ミュージカル『テニスの王子様』シリーズ(2009~2010年)に参加させていただいたことはありますが、それもはるか昔の話。久しぶりにやってみたいなと思っていたときだったので、それもすごくご縁を感じました。
――小野田さんは、「レ・ミゼラブル」2024-25年公演でのジャベール役。グランドミュージカルを中心に活躍されている印象があるので、本作への参加に驚きました。
立石:僕も衝撃でした。あの小野田さんだよね?と確認してしまったくらい。誰もが知っているグランドミュージカルの大きな役を務められている方なので、また「黒執事」の見どころが増えたというか。どんなヴォルフラムになるのか、すごく楽しみです。
小野田:そう言ってもらえるとうれしいですけど、ジャベールも、ヴォルフラムももみあげがあるじゃないですか。黒とシルバーという毛色の違いはありますが、ヴォルフラムへの起用は、もみあげキャスティングだと思っています(笑)。
――立石さんも「エリザベート」のルドルフ役など、グランドミュージカルへも活躍の場を広げていらっしゃいますよね。
立石:個人的には、この『ミュージカル「黒執事」』というのはグランドミュージカルと2.5次元舞台の間にあるような作品なのかなと感じています。お互いのいいところをぐっと混ぜたような作品なので、グランドミュージカルが好きだけど2.5次元舞台をまだ観たことがないという方にも、ぜひ観ていただきたいです。長く続いているシリーズなので「途中から観て分かるかな?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、今回からでも十分楽しめる内容になっていますので!
「漫画やアニメとは違う表現の世界ができるのが生の舞台ならでは」(小野田)
――「緑の魔女編」は、4月からアニメも放送中の人気エピソードです。原作のこのエピソードには、どんな印象を持ちましたか。
小野田:どうしても自分の演じるキャラクターを中心に観てしまうので、やっぱりヴォルフラムの生きざまに惹かれました。自分の感情を押し殺して、使命のために働いているヴォルフラムですけど、その中で情や生きている証が出てくる。その不器用さにぐっときますよね。仕えるサリヴァン(Clara)とのちょっとしたやり取りも胸に来るものがあるんですよ。
「黒執事」というのは女性のファンの方が多いかもしれないですけど、男性の方も「緑の魔女編」はヴォルフラムの生きざまに男心がくすぐられるんじゃないかなとも思います。
立石:セバスチャンでいうと、シエルが何のために悪魔と契約したのか。その気持ちをえぐり出すために悪魔として本気を出すところが一番好きですね。前作の「寄宿学校編」では、「これぞ、悪魔!」というシーンが控えめだったので、今回ようやくガッツリと悪魔らしさを出せるのかなと思っています。
――演じるのが楽しみなシーンはありますか。
小野田:この2人だと、やっぱり一緒に料理をするシーンじゃないですかね。
立石:そうですね。原作を読みながら、どうなるかなと想像を膨らませていました。
小野田:立石くんは料理が得意と聞いたんですけど、僕は料理が全くできないんですよ。そこも演じるキャラクターに合ってて面白いなと思いますね。
――ミュージカルならではの表現になりそうですよね。
立石、小野田:(そろって)そうなんですよね!
小野田:声がそろっちゃいましたけど(笑)。漫画やアニメとは違う表現の世界ができるのが、生の舞台ならでは。あと、個人的には物語の終盤に向けてドラマがどう動いてくのか。『黒執事』は人間の業じゃないですけど、その心の動きを大切にしている作品だと感じているので、演じるのが楽しみなところですね。
立石:『黒執事』って、どのエピソードも“自分もこういう気持ちになったことあるな”と思えるところがあったり、同じ体験じゃなくても、自分に重ねられる部分があったりして、すごく気付きをもらえる作品だなと思うんですね。あと、つらいときもあれば、幸せな瞬間もあると思えるのが人生なんだな、とか。
悪魔として俯瞰で見ていると、人間は生きていくことの良さになぜ気づかないのか、という想いがあったりもするんですけど、そういったことを『黒執事』はファンタジーを通して伝えてくれているので、そこを舞台でもしっかりと伝えたいなと思います。
「稽古場ではひたすらミニトマトをあげ続けようかな」(小野田)
――今回、お二人がそれぞれ仕える主人、シエル・ファントムハイヴ役は小林郁大さん、ジークリンデ・サリヴァン役はClaraさんが演じられます。まずはビジュアル撮影でお会いしたそうですが、演じるキャラクターと同世代の2人と、どう接していこうと考えていらっしゃいますか。
小野田:うちのClaraさんは、ミニトマトが好きらしいので、稽古場ではひたすらミニトマトをあげ続けようかなと。気分じゃないときもあるかもしれないですけど、気にせずどんどん食べてもらおうかなと(笑)。
立石:餌付けじゃないですか(笑)。
小野田:でも、2人ともそこまでミュージカルや舞台の経験があるわけではないと聞いているので、この作品を通してミュージカルや演劇というものが好きになってほしいなと。程よい距離感で、楽しい稽古場にしていきたいですね。
立石:シエル役の小林くんは、ビジュアル撮影で会ったとき、めっちゃかわいかったんですよ。でも、あんまりかわいがりすぎてもいけないのかなと。やっぱりそのくらいの年齢だと「かわいい」と言われるのが嫌かもしれないじゃないですか。僕も程よい距離感を探っていきたいですね。
――本作では、執事としての対決やプライドも見どころになりそうですが、お互いに「ここだけは負けたくない」と思っていることがあったら教えてください。
立石:求められている表現が真逆のようなところがあるので、負けないというよりは、全く違うものを出していきたいですね。小野田さんのヴォルフラムとは正反対だと思われるような表現を出していけたらいいなと思います。
小野田:そうですね。本当に真逆の人間性なんですよね。もしかしたら、立石くん本人はもっと情熱的で、その本心を押し殺しながらセバスチャンとして演じる瞬間もあるのかもしれない。だから僕は、その立石くんが押し殺しているような熱さを表に出していきたいです。エネルギーの幹の太さなら負けないというか、熱いヴォルフラムを作っていきたい。そっちのチームがそうなら、こっちはこうかな、という感じでやっていけたらと思っています。
――立石さんは、今回が3度目のセバスチャン役。“執事の心得”ではないですが、小野田さんに教えたい、最近の『ミュージカル「黒執事」』“あるある”はありますか。
小野田:おっ、いいですね。心得、ぜひ教えてください!
立石:えー、心得!? 何も言えないですよ(笑)。「あるある」も、何かあるかな。前作だと、ネイルを塗っているキャラクターは、稽古場からネイルを塗って役に入っている役者さんがいたりしたんです。
小野田:だったら、僕も稽古場から髪をシルバーにしていこうかな。
立石:本当ですか!? 冗談じゃなくて?
小野田:本気ですよ!
立石:絶対違うな、これ(笑)。
小野田:でも、そのくらいの気合いで稽古に臨んでいきたいなとは思ってますから。これまでは、どんな雰囲気の稽古場だったの?
立石:すごく和気あいあいとしていましたね。でも、今回はキャストもほぼ一新なので、僕も1からのスタートになるのかなと。早くみんなと仲良くなりたいですね。
小野田:一緒にご飯、食べに行きたいよね。僕、立石くんにすごい興味あるんですよ。本当はどんな人なのかなと。
立石:いやいや、僕は本当にこのままですよ。(小野田の視線を感じて)え、なんでそんな探るような目で見るんですか(笑)。
小野田:何か隠している一面があるんだろうなと思って!
立石:いや、全然ないですから! 止めてくださいよ(笑)。
小野田:今回は僕も初めて共演する方ばかりなので、立石くんを頼りにしていきたいな。僕、こう見えて人見知りなんですよ。
立石:えー!? 全くそんな感じないですよね。
小野田:意外と人見知りだし、集中していると眉間にしわが寄っているみたいで。怒っているのかなと怖がられるんですよね。
立石:じゃあ、小野田さんの眉間にしわが寄っていたら教えるようにします(笑)。
(取材・文=双海しお)
(スタイリスト= MASAYA(PLY)(立石)、津野真吾(impiger)(小野田))
(ヘアメーク=中元美佳(立石)、池田ユリ(eclat)(小野田))
(衣装協力=HARE(小野田))
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