高橋健介オトナ化計画【第10回】ファンから好評だった写真に「もう、みんなが何を求めているのかわからない」

「WEBザテレビジョン」でリニューアルスタートした俳優・高橋健介の連載企画「高橋健介オトナ化計画」。オトナを目指して「週刊ザテレビジョン」でさまざまな体験をしてきた高橋が、さらなるレベルアップのために資格や検定などに挑戦する。第10回は、メモリアルフォトブック「真縁」の発売記念イベントや直近の舞台作品を振り返りながら、近況をお届けする。オトナ化企画は、前回に引き続きテーブルマナー問題にトライしてもらった。

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コント作品出演で意識した普段のお芝居とは違う部分

──6月20日から22日まで上演されたAOI Pro.コント公演「混頓vol.6」が終わりました。率直にいかがでしたか？

楽しかったですね。皆さんにもすごく笑っていただきましたし、何よりもキャスト４人(高橋、若月佑美、富田望生、ニシダ[ラランド])が本当に仲よくて。自分たちで「たぶん、混頓のキャスト史上、一番仲良いよね」って言っていました。若月と望生ちゃんは普段、映像のお芝居が多いので、そういうところからも非常にいい刺激をもらいましたし、ニシダさんは知性を感じる場面が多くて「やっぱり頭がいいんだな」って思いました。本番は終わったばかりですが、もう4人でご飯に行く日を決めました。いい出会いだったなと思います。

──コント2作に挑戦しましたが、学びや気づきは何かありましたか？

コントって、お客さんに見てもらって初めてわかる部分が多いなと。稽古場でやるのと劇場でやるのでは印象がガラッと変わる。だから本番に入ってから、特に2本目の作品に関しては速度を緩めました。普段のお芝居とは違う、“笑い待ち”や劇場の空気感は、より意識しましたね。

──コントの中では、残念なイケメン役やイケすかない役でいい味を出していましたが、ご自身としての手応えはいかですか？

別に意識はしていないですけど、割とすっと入れました。脚本の岩崎う大さんも「見た目だけだとイケメン俳優で、どこまで振り切った芝居をしてくれるかわからなかったけど、思ったより頼りになった」と言ってくださって。よかったです。

──普段出演している舞台とはまた違うお客さんが観に来た公演だと思うのですが、反響や反応は何か受け取りましたか？

僕と若月は高校のときに同じ番組に出演していて、同い年。トークショーのときに、若月がお客さんと乾杯をするというくだりで、僕が「ちょっとアイドルに戻った感じで乾杯してよ」と言ったら、若月は真面目だからしっかりやってくれて。「アイドル時代の乾杯を見られた！」ということで、若月のファンの方々から感謝されました。それは友達の僕だから言えたことなのかなと思いますね。

──コントというものには、また挑戦してみたいですか？

そうですね。また違うメンバーでもいいですし、同じメンバーでもいいですけど、やっぱり普段ご一緒しない方々と一緒にものを作るというのを1年に1回くらいはやりたいなと改めて思いました。

感謝でいっぱいのフォトブック発売記念イベント

──そう考えると、2025年はグランドミュージカルあり、映像のお仕事あり、コントあり……と本当に幅広く活動されていますね。

はい。今はミュージカル『刀剣乱舞』 目出度歌誉花舞 十周年祝賀祭の稽古に入っているんですが、そこでひさしぶりに会ったダンサーさんにも「SNSとかを見てると、健介は本当に幅広く仕事していていいね」と言ってもらって。ダンサーさんにまで僕の活動を見てもらえているのはすごくありがたいなと思いました。

──また6月は、メモリアルフォトブック「真縁」の発売記念イベントも行われました。ファンの方と一対一で交流するのもひさしぶりだったかと思いますが、いかがでしたか？

本当にファンの方には感謝しかないです。中でも一番うれしかったのは、徳島でのイベント。徳島でのイベントでは、徳島県に住んでいる方とお会いできてうれしかったですが、徳島県外に住んでいる方も、たくさん来てくれて、なおうれしくなりました。阿波とくしま観光大使としても非常によかったんじゃないかなと思いました。イベントの中では、後藤田徳島県知事からのメッセージもいただきまして。うれしい限りです。

──知事からも！ すごいですね。

はい。いろいろとありがたい言葉をいただいたんですが、一番印象に残っているのは……たぶん後藤田知事はメモリアルフォトブック発売の記念イベントだという感覚がなかったんでしょうね、「健介、発表会頑張って」と言っていて。まぁ、間違ってはいないんですけどね。だから、発表会頑張りました(笑)。

──ファンの方との交流でうれしかったことや発見はありましたか？

もともと応援してくれていた方はもちろんですが、「『1789』(ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』)を観て、来てみました」という方も多くいらっしゃって。それはやっぱり役者としてうれしかったですね。あとは、フォトブックの溺れかけている写真を好きだと言ってくれる方が多くて。みんな僕の苦しんでいる顔が好きだ、とよくわかんないことを言っていました(笑)。僕にはもう、みんなが何を求めているのかわからないです(笑)。

6月から7月にかけて映像作品も続々公開

──そして現在はドラマ「ズバッと派遣！姫華」が配信中です。どんな役柄なのでしょうか？

これは不倫モラハラ男です。結婚指輪をつけて撮影をするのが初めてだったので、インスタのストーリーに上げたら「本当に結婚したんじゃないか」みたいな空気が流れて、僕が弁明することになるという謎の事態になったドラマです。

──この作品だったんですね。

はい。ちなみにあの弁明動画は、「混頓」の稽古場で撮ったもので。撮影者は若月です(笑)。

──豪華な弁明動画だったんですね(笑)。では「高橋健介 結婚」でざわついた方々にはぜひ「ズバッと派遣！姫華」を見てもらって。本作ではどんな高橋さんが見られますか？

安定に嫌な感じです(笑)。「あざとくて何が悪いの？」のあざと連ドラの佐竹にちょっと近い役かも。

──今、ご自身でも「安定に」とおっしゃいましたが、本当に嫌な感じの役やイケすかない役が増えていますよね。

その路線で行けるなら行きたいくらいです。今は俳優としての色が付いていないので、まずはしっかり色を付けて、そこから「こんなのもできるんだ」ってなれたほうがいいかなと思うので。

──また、6月27日には映画「YOUNG&FINE」が公開されました。

この作品ではお兄ちゃん役なんですが、割と普段の僕に近い役柄かもしれません。高校生のリアルを描いた作品です。ぜひ劇場で見てもらえたらうれしいです。

──さらに7月18日には映画「49日の真実」が公開されます。

「ズバッと派遣！姫華」と同じ中前勇児監督の作品です。ワンカットの長回しが27ページ分ある緊張感ある現場で。僕は楽しんでできましたけど、映像経験の多い方は大変だったみたいで、監督からは「頼りになった」と言っていただきました。舞台だと普段から2時間長回しみたいなものなので(笑)。「YOUNG&FINE」は青春映画で、「49日の真実」はミステリー作品。こっちではまたクズ役です。思えば中前監督とご一緒するのは「ズバッと派遣！姫華」含めて全部で3作ありますが、全作品でビンタされています(笑)。たぶんビンタ要員です(笑)。

「仕事してるんだぞ」というところを見せたい

──そして現在は7月29、30日に東京ドームで行われるミュージカル『刀剣乱舞』 目出度歌誉花舞 十周年祝賀祭の稽古中とのことですが、ひさしぶりにミュージカル『刀剣乱舞』のメンバーに会ってみていかがですか？

今までの大型公演には日替わりや会場替わりでの出演だった加藤大悟くんとかも来て、大友至恩くんとか塩田一期くんとか、今年の「坂龍飛騰」から加わった新しいメンバーもいて。新鮮だし、楽しいですね。ただ、とにかく曲数が多くて今はみんな必死です。

──今はまだ焦りがあると思いますが、稽古期間や公演当日で楽しみなことはありますか？

リハーサルで数日間、地方に行くんですよ。稽古の段階で地方に行くことってあまりないので、それは楽しみですね。とにかく公演が2日間しかないので、稽古期間のうちに新しいメンバーがなじめるようになればいいなと思っています。

──現時点で思う、ミュージカル『刀剣乱舞』 目出度歌誉花舞 十周年祝賀祭の見どころはどんなところになりそうですか？

今回はひとりひとりの魅力が光るというよりは、「10年経ってドームまで来られました」と10周年を感じられるような内容。「こんなこともあったね」「こんな曲もあったね」と振り返って楽しんでもらえればいいなと思います。

──6月末から7月末にかけて、いろいろなところで、さまざまな高橋さんが見られますね。

そうですね。SNSを更新して「仕事してるんだぞ」というところを見せたいと思います！

その場の全員をハッピーにした提案

──では最後に、最近“オトナ”になったなと感じたエピソードを教えてください。

少し前に俳優仲間数人と、そのうちの一人が昔からお世話になっている方がやっている飲食店に行ったんです。そのとき、お店の常連さんの親子がいらっしゃって、お子さんが「ウルトラマンX」を知ってくれていて。22時前になって、その家族が帰ることになりましたが、お子さんは悲しくなるわけですよ。まだ僕たちと居たいって。昔の僕だったら「いいじゃん、俺たちに会えるなんて珍しいことだし、あと30分くらい居ようよ」と言っていたと思いますが、その日は「じゃあ、みんなで写真撮ろうよ。それ見ながら帰れば寂しくないんじゃない？」と提案して、その場にいる全員がハッピーになったという出来事がありました。

──そんなことがあったんですね。

僕も小さい頃、大人が楽しそうで「大人たちだけずるい！」みたいな気持ちがあったから、子供たちの気持ちもわかるんですけど、次の日学校あるし、何か悲しくならない方法ないかなと考えたら写真でした。いいことしました(笑)！

テーブルマナーを知ってオトナ化

必要な場面は多いものの意外と知らないテーブルマナーについて、前回はカトラリーの正しい使い方を答えてもらった。今回は、グラスやナプキンに関するクイズを出題。

──スタッフが飲み物を注ごうとしたときの正しい断り方は？

これはカジノと一緒でしょう！　グラスの上に手をかざす！

──正解です。ちなみに今回3種類のグラスをご用意しましたが、違いはわかりますか？

音階でしょ？（笑）　というのは冗談で、脚が太いのが水用、小さいのが白ワイン用、大きいのが赤ワイン用ですね。ハリー・ポッターも、この水用のグラス(ゴブレット)で水を飲んでいますもんね。

──では最後、退席するときのナプキンの置き方は？

焼肉屋は、ポンっと机の上に置くだけですよね(笑)。でも焼肉屋じゃないもんなぁ。汚れた面を内側にして小さくたたんで置く、かな？

──汚れた部分が見えないようにするのは正解ですが、丁寧にたたむのではなく、軽くたたむが正解です。

丁寧にたたんじゃいけないんですか？

──きっちりとたたむと「料理や店などが気に入らなかった」という不愉快の表現という意味になってしまうことがあるそうです。

へぇ！　知らなかった。勉強になりました。

──テーブルマナークイズ、いかがでしたか？

以前、立花裕太くんとツーリングをしたときに入ったお店が、コース料理しかない店で。でも席に着いてから「コース料理しかないんですけど」って言われたので、やめるわけにもいかなくて。そこで裕太くんが「外側から使うんじゃない？」って言っていたんですよ。

──偶然にも予習に。

はい。そのときにふと思ったのが、例えば、お付き合いする前の女の人とのデートでテーブルマナーが必要な店にいったとして、その方がテーブルマナーが完璧にできていたら「素敵だな」と思うなと。別に知らなかったからといって「違うよ」と言うとかではないですけど知っていると「知っているんだ！」って思うだろうなって。

──確かに素敵ですね。

僕だったら、絶対に知っていることを言っちゃうと思うんですよ（笑）。「外側から使うんだよ」とか。だから、そういう場面が来たら、言わずにしれっとやりたいなと思いました。

◆取材・文＝小林千絵

ヘア＆メーク＝田中宏昌(Allure)

スタイリング＝石橋修一

取材協力(テーブルマナークイズ)＝日本金属洋食器工業組合