連続テレビ小説「あんぱん」で次郎を演じた中島歩にインタビューを実施

中島歩、“のぶ”を愛した“次郎”と作品への思い「心が震えていないと通用しない」<あんぱん>

2025.06.28 21:30
連続テレビ小説「あんぱん」で次郎を演じた中島歩にインタビューを実施

今田美桜が主演を務める連続テレビ小説「あんぱん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。同作は、「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかしと妻・暢をモデルにしたオリジナル作品。戦前から戦後と激動の時代を生きた“ハチキンおのぶ”こと朝田のぶと、夫となる柳井嵩があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでの人生を描いた愛と勇気の物語だ。

「あんぱん」の物語も第13週の放送を終え、過酷な戦争の描写、そして敗戦、さらにのぶの夫・次郎との別れが描かれた。病室でものぶに優しく穏やかで、最後までのぶを愛する次郎の姿が印象に残る。WEBザテレビジョンでは、のぶの夫であり、肺病で無念の死を遂げた若松次郎を演じる中島歩にインタビューを実施。作品・役柄、そして“朝ドラ”への思いを語ってもらった。

“朝ドラ”という大舞台に興奮しました

――出演が決まった際のお気持ちをお聞かせください。

うれしかったですね。やはり“朝ドラ”という大舞台なので興奮しました。

――役柄を知った際はどのように感じられましたか?

どのような役を演じるのかを聞いた時は、難しそうだなと。視聴者の方は嵩とのぶを見守っていらっしゃると思うので、次郎とはいきなりお見合いをして、結婚ということになるので、嫌われてしまうのでは…という気持ちもありました。

――視聴者の反応として次郎はとても好印象だったように思います。また次郎はのぶの父・結太郎(加瀬亮)にも通じる部分があるように感じました。

やはり結太郎さんと通じるようなせりふを言いますし、通じる部分があると思います。

――演じる加瀬さんの演技を参考にされたりはしましたか?

今回、そのようなことは特別なかったのですが、加瀬亮さんは昔から憧れの方ですので、根本的に俳優として影響を受けていると思います。

(吉田)鋼太郎さんに認められたいという思いもありました

――次郎を演じるに当たり意識したこと、また監督とはどんなお話をされましたか?

(チーフ演出の)柳川さんとお話した際、まず「次郎についてどう思ったか」と。僕は、次郎がすごくいいことしか言わないなと思っていたんです。だからこそ、胡散臭く映らないようにしなければと。そのことを柳川さんに話すと、「だからこそ一癖ある中島くんにお願いしました」とおしゃってくださって。

撮影に入ってからは、次郎の表情や動きの抑制についてなど細やかな演出もあり、次郎の誠実さにつながっていったんだと思います。「花子とアン」(2014年)でご一緒して以来、とても信頼している柳川さんとまた一緒に作品を作れたことがうれしかったですね。

――釜次を演じる吉田鋼太郎さんとは「花子とアン」以来の共演ですね。

「花子とアン」以来でしたので、お会いできたことがうれしかったです。鋼太郎さんは演出家もされていて怖いのですが(笑)、11年振りにお会いするにあたり、鋼太郎さんに俳優として認められたいという思いもありました。「花子とアン」の時は、僕もまだ駆け出しでしたし、うまくできない部分も多く、僕の役への評判が悪かったこともありました。

そして今回「あんぱん」の現場に入る際、すごく頑張って準備をしている自分がいて。その準備をしながら、もしかしたら「花子とアン」の時のことがトラウマになっていたのかもしれない、と思いましたね。

――吉田さんとの共演シーンはいかがでしたか?

鋼太郎さんがとても若々しくて。“釜じい”と呼ばれていますが、エネルギーがみなぎっていました。近況報告のようなお話もさせていただきました。

のぶに対し、「この人に傷付いてほしくないな」と思ったんです

――準備されて臨んだ「あんぱん」の現場はいかがでしたか。

“朝ドラ”はやはり15分の中でどんどん展開していくので、その難しさを改めて感じました。次郎とのぶは3回会っただけで結婚に至るので、心が通い合う瞬間を描かないと説得力がなくなってしまうと感じましたし、難易度が高いなと。現代口語ではなく、方言もあるので、そういったことをこなすのは駆け出しには難しいことだなとも思いました。

今回、昭和の時代であり、戦中の人としての所作、制限もある中で演じていくことは大変でした。ですが、現場に入り、最初の撮影がのぶに改めて結婚を申し込むシーンだったのですが、個人的にとてもいい芝居になったなと思ったんです。今田美桜さん演じるのぶも心を開いてくれたような感じがして。同時に次郎も僕も心が動いた感覚になり、のぶと次郎、二人の心が通ったという実感がありました。

――次郎はのぶのどういうところに一番ひかれたと思われますか?

純粋で清らかなところにひかれたんじゃないかと思っています。愛国精神に傾倒していくことも、純粋がゆえだと思うので。そして撮影中、のぶの悩みや抱えている矛盾を聞いているうちに、「この人に傷付いてほしくないな」と思ったんです。そして彼女を守ることが、人間の良心を守ることなのではないかと思うほどの感情になりました。

ヤムおんちゃんは未来人なんじゃないかと思っています(笑)

――中島さんの中で、印象に残っている次郎のせりふはありますか?

全部と言っていいくらいです。次郎はずっとポジティブなことを言うんですよね。それがすごく好きで。ポジティブなことを言うんだけれども、その中に悲しさをも感じて。「戦争が終わったら何がしたいですか」というように、未来を想像させるような一連のせりふはとても心に残っています。

――次郎の好きなところも教えてください。

僕の次郎の解釈ですが、次郎が戦争が終わったらカメラを持って世界を回りたい、という話をすることからも、生きることは楽しむべきものなのだという考えの人だと思うんです。僕もそのようなポリシーがあるのですが、次郎にも同じ考えがあるように感じて。そして現代の僕らが、「あんぱん」の時代の人たちにこういうことを言いたい、と思うような現代人の観点が次郎には反映されているように感じました。ヤムおんちゃん(阿部サダヲ)は未来人なんじゃないかとさえ思っています(笑)。

心を振り絞った演技ができたという手応えがあります

――前回出演された“朝ドラ”での苦い経験がトラウマだというお話でしたが、その経験は中島さんを奮起させる一つにもなったのでしょうか。

そうですね。やはりあの時簡単に認められていたら、お芝居の勉強や訓練をしなかったかもしれません。そして今、自分のアイディアを表現できるようになってきて、芝居をすることがすごく楽しいんです。つらい経験があったから今があるのかなと思っています。

――次郎に対し、視聴者からもとても好意的な声が多かったと思います。

「あんぱん」は本当に心が震えていないと通用しない本でした。たくさん準備をしたり、今田さんとしっかり向き合って芝居をしたり、できる限り頑張ったので、見て下さる方にも通じて届いたのであればとてもうれしいです。中園(ミホ)さんが書かれる言葉に魂を宿らせねばと思いましたし、前回出演した“朝ドラ”がトラウマになっていたことも感じ、だからこそこんなにも頑張れたのだと思います。

――「あんぱん」への出演は中島さんにとってどのようなものになりましたか?

現代口語ではなくさまざまな制限もある中で、心を振り絞った演技ができたことは、一つ手応えとして感じています。そんな中で、課題も見えました。今回、次郎の母・若松節子を演じた神野三鈴さんの外連味(けれんみ)のあるお芝居にすごく感動して。今まではリアリティーを一生懸命追いかけてきましたが、もっと見せていく芝居で、なおかつ心がこもっていて一人の人間に見えるというところに今後挑戦したいなと思っています。

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