転生し“神童”と呼ばれる少年…外出先で奴隷を買う話が「キャラのバランスがいい」と話題に【漫画】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、「コミックガルド」で連載中の『お気楽領主の楽しい領地防衛～生産系魔術で名もなき村を最強の城塞都市に～』(オーバーラップ刊)の第2話奴隷のカムシンを紹介する。コミカライズ担当の青色まろさんが、4月23日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、原作の赤池宗さんとコミカライズ担当の青色まろさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

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転生先は侯爵家四男…楽しい人生を送るため遊び人に

侯爵家の四男として、転生したヴァンは神童と呼ばれ始める。しかし目立ち過ぎてしまうと、兄弟に殺される可能性を考慮し、普通の子どもになろうとしていた。そこで考えたのは遊び人になること。まずはショッピングを楽しもうと、商会へと足を運ぶ。

道を歩いていると、ボロ布と見間違うような身なりの子どもが引きずられているのを見かけたヴァン。借金奴隷となった子ども・カムシンを助けるため、ヴァンは大銀貨5枚で買うことに。その後2人は奴隷契約を結び…。

このエピソードを読んだ人たちからは、「キャラのバランスがいい」「たくさんの人に読んでほしい」「すごく好き」「面白い」「お菓子に買収されるシーンいい」など、多くのコメントが寄せられている。

魅力的なキャラを愛情込めて漫画に

⚫︎原作・赤池宗さん

――本作は、幼い転生貴族が領地運営をするというストーリーですが、発想の源はどこだったのでしょうか？

これまでの作品にはなかったギャップを求めてみました。領主といえば中年のおじさんのイメージがありますが、子供が頑張って貧乏な領地を住みやすくしていく物語は面白いと思い、書かせていただきました。

――本作は、サラリーマンが突然異世界転生するところから始まる物語でしたが、世界観を文章で表現する際に、こだわっていることや特に意識していることがあればお教えください。

違う世界での生活ということで、主人公の内面を描くようにしています。その結果、主人公は色々なことにツッコミをするツッコミ気質になりました。そういった背景もあり、他のキャラクターはボケ担当の割合が多めになっています。

――今後の展望や目標をお教えください。

この作品は自分の趣味を詰め込んだ作品です。主人公の趣味は自分の趣味でもあります。できることなら、登場人物たちそれぞれの物語を描きつつ、書きたい話のすべてを描いていきたいと思います。コミカライズではついに仲間達と共に領地を出る展開になっていますが、この中で、ヴァン君はまた新たな物作りを楽しむことだと思います。今後も、そういった様々な物作り、防衛を行っていきたいですね。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

お気楽領主の楽しい領地防衛を読んでくださり、ありがとうございます。物語が進むにつれて、登場人物たちの関係性は変化し、絆も強くなっていきます。それぞれのキャラクターの深堀をしていく予定なので、是非、今後も楽しみにして待っていてくださると幸いです。

⚫︎漫画・青色まろさん

――青色まろさんの作品は、表情が豊かで感情の機微がとても伝わってきます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか？

この作品はストーリーはもちろんですが、原作の赤池先生が生み出すキャラクターが魅力だと思っています。 私自身、キャラクターへの愛情がないとうまく描けないタイプなので、それぞれのキャラクターを大切にするように意識しています。本編では描かれていない、より詳細なキャラクター情報などを赤池先生に確認させていただき、キャラクターに対する解像度を高めるようにしています。そうして解像度を上げると表情やテンションなども非常に描きやすいです。

――本作では、カムシンが奴隷印を宝物のようにするシーンが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

カムシンのセリフが無いシーンではヴァンへの感情を絵で表現できるよう意識しました。 手をつなぐ場面などがそうですね。ヴァンのように話しかけてくれたり、手をつないでくれた存在は、彼にとって初めてだったのではないかと思います。「奴隷」という言葉は本来つらく、悪い意味を持ちますが、カムシンにとっては救いであり宝物のようなものとして感じていることを表現したくて、奴隷印を大切に扱う描写を加えさせていただきました。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

セリフではなくシーンなのですが…

・20〜21話、ドラゴンと戦う回

「みんなで力を合わせる」というのがとても好きな回でした。炎の魔術が初めて描写される回でもあるため、そこも気に入っています。

・31話、アルテが号泣するシーン

カムシンやアルテは甘える相手がいない子ども時代を過ごしているので、もっと子どもらしく笑ったり泣いたり甘えてほしい！誰か頭を撫でてあげてくれ！と普段から思っているので、アルテが感情を出して泣くシーンが描けて良かったです。

この世界の子どもたちは大変すぎるので、もっと甘えさせたいです。本来貴族という立場では堅苦しいルールや対応になるところ、ヴァンやパナメラはそのあたりゆるく、頭を撫でても許されそうなポジションにいるので助かります、隙あらば甘えさせたいですね。

どの回でもどのキャラからでもヴァンが好意を向けられているシーンは好きです。主人公がこの世界で注目され好かれていく姿は描いていても楽しいです。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

『お気楽領主の楽しい領地防衛』を読んでくださりありがとうございます！ 小説と漫画では様々な事情によりどうしてもカットしなければならないシーンや変更点もあるのですが、原作小説1巻分を描くのに漫画約4巻分と…泣く泣くカットするシーンはあれど、これでもゆっくり描かせていただいている方なのかなと思います。(編集部の皆さま、本当にありがとうございます)当初は、今の漫画1巻分のストーリーを全て第1話にまとめる提案をいただいたのですが、駄々をこねて5話かけて描かせていただいたりしました。まだまだ未熟な部分も多いですが、これからも原作のいちファンとして、原作の良さを引き出し、楽しんでいただけるような漫画を描けるよう頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします！