“繊細イケメン”タン・ジェンツーと“無骨な男前”ジン・シージャーのブロマンスが胸熱中国発の大ヒットサスペンス＜猟罪図鑑～見えない肖像画～＞

2025.06.27 18:00

タイプの違うイケメン2人の“バディもの”は数あれど、これほど好対照な美男コンビにはなかなかお目にかかれない。そんな中国発サスペンスドラマのシーズン１「猟罪図鑑(りょうざいずかん)～見えない肖像画～」が、CS放送「衛星劇場」で7月5日(土)から一挙放送される。さらに7月26日(土)には、「猟罪図鑑Ⅱ」の第1・2話を先行日本初放送(8月より本スタート)。放送開始を前に、人気コンビを生んだ「猟罪図鑑」シリーズの魅力に迫る。

“画家と刑事”の好対照バディが猟奇的事件に挑む

「猟罪図鑑」シリーズは、無口なイケメン天才画家と無骨で男前の凄腕刑事がバディを組んで難事件に挑んでいくサスペンス。

警察学校の美術教官・沈翊(タン・ジェンツー)は、並外れた観察眼と記憶力、画力の持ち主。限られた情報をもとに推察で似顔絵を描く能力を買われ、シーズン1で彼は初めて、容疑者の似顔絵を描く専門の捜査官として北江分局の刑警隊(＝刑事警察隊)のメンバーとなる。

だが、そこでバディを組むことになった隊長・杜城(ジン・シージャー)との間には、ある“因縁”が…。7年前、杜城の敬愛する上司が殺害された事件に沈翊が間接的にかかわっていたのだ。杜城が沈翊を憎む一方、沈翊自身も7年前にその目で見たはずの容疑者の顔がどうしても思い出せず苦しんでいた。

バディを組んだ当初、沈翊を信用しようとしなかった杜城だが、数々の事件をともに解決していくうちに7年前の事件が沈翊の心にも影響を及ぼしていることを知り、2人の関係は徐々に変化していく。そんな中、7年前の容疑者が見え隠れし始める――シーズン1では、そんなストーリーが描かれる。

2022年3月にシーズン1「猟罪図鑑～見えない肖像画～」が公開されると、この“静と動”のバディの活躍ぶりとブロマンスにハマるファンが続出。配信後20日で9億回再生を記録し中国のネット上をおおいに賑わせた。人気は配信後も衰えず、同じキャストが再集結して2024年12月にシーズン2「猟罪図鑑Ⅱ」が公開されると、Tencent Video内で2024年配信の現代劇として初日熱度No.1を獲得するなど、待ち望んだファンから熱烈な歓迎を受けた。

じわじわ人気上昇中のイケメン、タン・ジェンツーが演じる“静”

中国の視聴者を魅了したのはやはり、メインのバディ2人のキャラクターの魅力だ。涼しげな眼もとが印象的な沈翊は、口数は多くないが持ち前の観察眼で捜査の場では鋭い一言を放つ。美術教官だけに絵画への造詣も深く、殺人を犯した画家カラヴァッジョや死刑囚を描いたホガースのエピソード、ジャック＝ルイ・ダヴィッド作「マラーの死」に込められた“3つの嘘”など名画と犯罪にまつわるトリビアを教壇ですらすら語るインテリイケメンだ。

演じるのは人気俳優のタン・ジェンツー。中国のアイドルグループ“M.I.C.男団”出身で、国民的女優ヤン・ズー主演の古装劇「長相思」(2023年)では白銀のロングヘアをなびかせた俺様系軍師・相柳役で女性ファンのハートをゲット。かと思えば現代ドラマ「今日も、君を想ってる」(2023年)ではハイスペックなイケメン外科医モー・チンチョン役で甘いロマンスを演じた。

中国版SNS・weiboではすでに1800万を超えるフォロワーを抱え、グリコ「アーモンド効果」の中国版CMにも出演中。日本でもじわじわと人気が広がっているイケメン俳優だ。

NHKドラマにも出演の189cmイケメン、ジン・シージャーが体現する“動”

そんな沈翊の相棒となるのは、猟奇事件を捜査する警察隊の隊長・杜城。はじめこそ上司の死に関与した沈翊に反発するが、正義感と公正さも人一倍。沈翊の並外れた観察眼と捜査能力をきちんと認め、徐々に彼を信頼するようになる。さらに沈翊自身も7年前の事件に責任を感じていることを知ると、絆をより強めていく。

杜城役のジン・シージャーは舞台でも活躍する実力派。松田龍平主演のNHKスペシャルドラマ「ストレンジャー～上海の芥川龍之介～」(2019年)にも物語のキーマンとして出演し、同作の第46回放送文化基金賞奨励賞受賞に貢献した。身長189cmの体躯は、無骨な杜城のキャラクターにピッタリ。公称174cmのタン・ジェンツー演じる沈翊の繊細で華奢なイメージとは好対照の雄々しさ、力強さだ。

シーズン1「猟罪図鑑～見えない肖像画～」の見どころは、そんな2人の間に芽生え、深まっていく信頼関係。もともと画家の沈翊は視点は鋭いが、警察組織の風土などお構いなしで会議でも勝手に発言し、勝手に出ていってしまうので捜査員たちからは不評。だが、杜城はそんな沈翊の自由すぎる行動に呆れながらも指摘の鋭さ、正しさをきちんと認め、沈翊の意見を参考に捜査を進めていく。

2人それぞれのキャラクターがしっかり描かれているからこそ、初めはまともに視線も合わせなかった2人がシーズン1の終盤でともに行動し、やがて互いを頼りに捜査を進めていく姿に胸が熱くなる。

2024年末公開のシーズン2も日本初放送

沈翊が描いた作品を何者かが切り裂く不穏なラストを迎えたシーズン1に続き、2024年12月には待望のシーズン2「猟罪図鑑Ⅱ」も公開された。前作同様タン・ジェンツー＆ジン・シージャー演じるバディがタッグを組んで、アイドルグループの密室殺人や盲目の子どもの謎の失踪、放火や連続殺人といった猟奇的な事件に挑んでいく。

そして、沈翊の夢に現れる“赤い服の少女”の記憶…。積み重ねた信頼と築き上げた絆を携え、沈翊と杜城はふたたび真実の核心へと迫っていく。日本では「衛星劇場」にて7月26日(土)から第1・2話を先行にて日本初放送(第1話は衛星劇場YouTubeでも限定公開)。8月10日(日)より本放送がスタートする。

“静”のイケメン画家と“動”の男前刑事が繰り広げるブロマンス展開、そして本格ミステリーの緊張感。その2つが同時に味わえる「猟罪図鑑」シリーズを一気見できるチャンスがこの夏、到来する。

◆文＝酒寄美智子