呪われた町に引っ越した高校生…下校中“怪異”に遭遇する話が「夏に合う怖さ」と話題に【ホラー漫画】

2025.06.27 08:30

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、「カドコミ」で連載中の漫画、『怪異部～M県Y市の怪現象について～』(KADOKAWA刊)より『File1.忌名町』を紹介する。作者のさりい・Bさんが、5月10日に「流石に怪異が多すぎる町に転校した話」と添えてX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、3万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、さりい・Bさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

転校した先は怪異が住まう“因習村”

昔ながらの奇妙な風習が残る“因習村”、夕闇町の高校に転校するため引っ越す事になった桜庭桜。しかし行先を聞いた際に駅員が見せた異常な反応や、夕闇町に着いてから感じる警戒や監視の視線に戸惑いながら過ごしていた。

ある日、放課後に山園枯園から“帰り道にこの町の事を教えてあげる”と言われ、桜は彼女と一緒に下校することに。視線を感じることなどを相談していると、17時になった直後に枯園から振り向かないようにと言われた桜。その言葉と同時に、桜は夕闇町にいる“怪異”の存在に気付き、この町が呪われている話を聞く…。

この怪異が住む町の漫画を読んだ人たちからは、「テンポ良過ぎて一瞬で惹き込まれた」「怖いのは怪異だけじゃないんだ」「夏に合う怖さ」「懐かしい“怖さ”を感じた」など、多くのコメントが寄せられている。

故郷で過ごした日々で感じた自然から得た着想

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか？

故郷の宮城県仙台市で過ごした日々が元になっている気がします。仙台は一見するとピカピカで綺麗な町ですが、少し歩くと突然森の中に居たり、ずっと視界の端に山々が見えてたり、なんというか、人が制御しきれない自然の力を常に感じていました。なのでピカピカの床を1枚剥がすと、その裏に何がいるか分からないぞ、という感覚がずっとあって、その言いようのない恐れが怪異部という作品の大本になっている気がします。

――本作では、夕闇町を舞台に展開される奇妙な物語が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

敵か味方か分からない「クラスメイト」という存在がこだわりポイントです。敵になるクラスメイトも多いですが、彼らもただの悪人ではなく、町の呪いに翻弄される被害者でもある点が気に入っています。彼らにも夢や大事なものがあって、そのために必死なことに注目して読んでいただけると嬉しいです。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

枯園さんが死に際に自分の夢を語るシーンがお気に入りです。悪女っぽく振舞っていた彼女も、明るい未来を目指したかっただけで、失敗したならそれも仕方ないと語るのが、夕闇町の無常さを際立たたせていて気に入っています。

――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。

読んでくれる皆さんに新鮮な驚きを届けたいと思いつつ、明後日の方向に行き過ぎないことを気を付けたいです。

――さりい・Bさんの作品は、かわいらしい人間とおぞましい怪異とのギャップがより恐怖を引き立てているように感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか？

読みやすい画面で、受け入れがたい展開を作りたいと思っています。「猫を追いかけてたら真っ暗な道に来ちゃったな…」という読み味を出したいです。

――今後の展望や目標をお教えください。

謎解きが大好きなので、リアル脱出ゲームとコラボしたいです!!「M県Y市からの脱出」みたいな。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

皆さんの感想が日々の励みになってます！予想を裏切りつつ、大事なところでは皆さんの期待を裏切らないお話にしたいと思ってますので、これからもどうぞよろしくお願いします!!