「独断と偏見」

二宮和也、会いたい人は“ジャニー喜多川”「謝ってほしい」 ありのままをさらけ出した著書『独断と偏見』に込めた裏側に迫る

2025.06.16 04:01
「独断と偏見」

二宮和也が、6月17日(火)に発売する著書「独断と偏見」(集英社)の合同取材会に出席。担当編集者・野呂望子氏も同席し、1時間という長丁場の中、刊行に至った経緯や本作に込めた思いなどを明かした。

「独断と偏見」概要

二宮による初めての「新書」。あえて文字だけの表現に挑戦し、40代になった著者・二宮が、これまで考えてきたこと、いま考えていることを表明する。

俳優やアーティストとしての表現のみならず、二宮が発信する独創的な言葉の力には定評があり、その最新の「哲学」を言語化すべく、10の四字熟語をテーマに計100の問いと向き合った。

ビジネス論から人付き合いの流儀、会話術から死生観に至るまで、「独断と偏見」に基づいて縦横無尽に語る。

エンターテイナーとしての思考が明かされると同時に、実生活に役立つ働き方の極意や現代を生き抜く知恵が凝縮されている。世代や性別を問わず、どのページを開いても人生のヒントが見つかる新しい形のバイブル的一冊となった。

一通のメールが「本を出すきっかけになった」

――率直に、新書を出された今の気持ちはいかがですか?

世の中に出てから感じる部分の方が多いのかな、と思っています。まだ発売前(※取材会時は未発売)なので、読者の方に手に取っていただいて、それを見た人がどこが自分にとってしっくりくる設問なのかっていうのが見えてきた段階で、ようやく自分の中で合致してくるのかなという風に感じているところです。

今まさに取材をしていただいて、僕の著書を読んでいただいた方々をこうやって目の前にすると、あんまり聞かれたくないなっていう…(笑)。世の中の声を受け止めるのって、あぁこういう感じなんだって実感しています。

――文章だけで表現した理由は?

独立をしてから会社のホームページにお問い合わせフォームを作ったのですが、担当編集者の野呂さんからメールが来ていたことが始まりでした。

「病気になった」「本を作りたい」と、何かすごいことを言っているなと思い話を聞いてみたら、「ガンになり先が見え始めてきた中で、あなた(二宮)の言葉をよく思い出すし、それが励みになってこれまで頑張ってこられたので、お守りとして一冊の本にしたい」と。その言葉が、今回著書を出すきっかけとなりました。

僕は自分の言葉に力が宿っているとか、誰かを動かすとか、そういうことを考えたことが今までなかったのですが、野呂さんのことはすごく信じていたので実現しました。

――今のご自身を四字熟語で表すとするなら?

我田引水でしょうね(笑)。僕が自分自身にそんなに興味がないので、興味を持ってくれる人たちがいかに「こうした方がいいんじゃないか」っていうアドバイスを聞いた時に、ヒットしてくるのかっていうことで物事が進んでいるので。

※我田引水…自分の都合の良いように考えたり、行動したりすること

タイトルの変更で「読みやすくなったと思う」

――「独断と偏見」タイトルに込めた思いとは?

最初にいただいたタイトルは「百問一途」でした。ただ読んでいる時、あまりにも独断と偏見すぎてタイトルと合致していない感じがしたのが読み終えた感想です。

なので、いろいろ決まりかけていた中で、タイトルを変更したいとお願いしたら、「が、頑張ります…」と言っていただいて(笑)。でも、「独断と偏見」になってから非常に読みやすくなったかなとは思いますね。

――ご自身で出来上がったものをご覧になった時はどんな気持ちだった?

一冊になってから直したところもありましたけど、いつもみたいに編集の方にまとめていただくっていう作業が今回はなかったので、割とダイレクトに自分の言葉が届いていたらいいなと思います。

さらけ出した著書…「こんなに載ると思わなかった(笑)」

――二宮さんは言葉の重みを知っているからこそ、今まであえてマスコミの前で詳しい話をしてこなかったのかなと感じたのですが、自身の考えを打ち明けることに抵抗はなかった?

僕もここまで載るとはあんまり思っていなくて(笑)。でもわりと僕は温度感を見て、こういう温度感で聞かれているんだったら、そういう温度感で返ってきた方がいいだろうなっていうのは考えていた部分だったので、こういう形に出来上がったというのがこの新書なんですけど。

新書だからこそ、理解度を深めていただけたというか、プラスになったのではないかなと思います。

――新書で出すっていうのはこだわりの一つだった?

僕の生活している層というか、ゾーンというものがわりと文字ベースなんです。人と会話をすることもそうですし、台本一つ取ってもやっぱり文字で情報を取っていた人生でしたし、InstagramよりもXだし、みたいな。

そういう生活をずっとしていたので、選択肢として写真集を出すとかそういうことよりは文字ベースで言われるからしっくりくるところがありました。

著書を通した発見は「一本のラインは捉えていっている」

――言葉として残すからこそ、これだけは絶対に守ろうとか、これはやらないでおこうと決めたマイルールはありますか?

僕は人間としてはそんなにいい人間ではないので、特に野呂さんとの関係値があると、結構その時の悪口みたいなのが出てきたりするんです(笑)。それを書かないでおこうとか、そういうことは考えていました。

――著書を通して、改めて自分に対して「こんなことを思っているのか」「こういう言葉を大切にしているんだ」といった発見はありましたか?

言っていることは何となく昔から変わっていないのかなというふうに思いました。それこそ何回もいろんな場で言ったことがあるフレーズもありましたし、テレビとかで発言した言葉もあったし、今回初めて読んだなってびっくりするものもあって。

でもその発言がかけ離れているのかっていうと、そうでもなくて。やっぱりその先にあったりとか、手前のものとかだったり、一本のラインみたいなものは捉えていっているんだなと改めて思うことができましたね。言語化ができたことで、自分の中で整理がつきました。

「自分を信用している」ことはなかった

――今回は新書ということで、これまでエンタメに興味がなかった人も手に取る機会が増えるかと思いますが、「独断と偏見」が読者にとってどう伝わってほしいですか?

これも本当に偏見なんですけれど、もうちょっと客観的な意見になれるんじゃないかなというのが、自分の考えたところでありまして。

芸能人が自分の考えをまとめる時って、自叙伝でいいじゃんって思うと思うんですけれど、そうすると自分の考えや思いに対して、すごく自分を信用しているというか、「だから成功していったんだ」という答え付けになってきちゃうと思うんです。だから今の俺がいるんだみたいな。そういう感じはあまり僕は自分自身になかった。

自分の考えだし、自分の思っていることもあるんだけれども、もうちょっと客観的になるにはどうしたらいいんだろうって時に、二宮和也はこう思っているよねっていう立場になれるなって、シンプルなサクセス本みたいなことにはなっていないというかね。

難しいんですけれど、だから俺はここまで来たんだみたいな伝え方ではなく、悩んでいるものはずっと悩み続けているし、解決しているものは解決していくし、自分が責任を持つ部分が多くなってきた中での自分の受け止め方というのが、客観的に全部整理できたんじゃないかなという風には思っていますね。

――二宮さんは「独断と偏見」はどの層に読んでほしいですか?

同世代の方ももちろんなんですけれど、若い世代であったりとか、もう一つ上の世代であったりとか、働き方の価値観が違う世代の人たちがどんなことを思うのだろうなっていうのは興味深いところですね。

僕も自分が仕事をする上で先輩の背中を見てきたし、先輩に意見を賜るのはあまりよろしくないというか、それを背中で見て感じろみたいな雰囲気が漂う中でずっと過ごしていた10代、20代でした。

そんな人間が40代になり、今では後輩とされる人たちに「今度こういうのがあるので見てください」とか、「こういうのに出るので意見ください」みたいなことを言われると、やっぱり時代も違うし、世代の価値観に慣れていくのに必死です。

自分の考えというものが各世代の人たちにどう受け入れられるのか、どういった感想が出てくるのかは気になるところですね。

会いたい人は「ジャニー喜多川」

――著書のインタビュー時(昨年の12月時点)では「嵐の活動を考えていない」、会いたい人には「ジャニー喜多川」と書いてありましたが、このように発言した意図や狙いは?

基本的に計画はあまりなくて。僕自身も、今考えてみてもなぜこのタイミングなんだろうっていうタイミングで嵐の活動が再開して、誰かがどうこう決めたタイミングじゃないんですよね。もうやるぞ! みたいな感じになって皆で集まって再開という決断をしているので、そこに明確な理由はなかった。

仮にこの話をしている時に再開していても、同じことは言っていたと思います。それはあんまり変わらない。

嵐のことは、現在進行形でまだ何も決まっていない状態だったりもするので、タイミングが重なっちゃっただけで、そんなには狙っていなかったというか、もっと極端な話をすると、向こうの事務所(STARTO社)に在籍している時でも、そこは別に変えさせるつもりはなかったです。

――あまり深くは考えていなかった?

そうですね。「会いたい人はいますか?」って聞かれて、僕が会いたい人ってもうこの世に存在していない人の方が多くて、やはりこの本を作るきっかけとまでは言いませんけれど、大元にやっぱりいる人なので自然と浮かびました。

あの人が人様に迷惑を掛けずに生活してくれていれば、僕が所属していた事務所はなくならなかったし、僕がこの道(独立)をたどることもなかった。でもあいつは何も言わないんだよな、みたいな。それって何だかなぁっていうのはずっと僕は世間で言われているような事柄とは別軸で彼に思っていたので、会えたら謝ってもらう、という風にインタビューで話したんだと思います。

僕はあの人が生きている時からけんかもするし、言い合いもするし、結構自由に発言していたタイプだったので。もっと言うとこれは僕の完全な偏見ですが、謝ってもらいたい人はいっぱいいたんじゃないかなと思っています。

多分言えない人たちもいるし、言いたくない人もいるだろうし。僕はこの話のセンシティブさはそこまで感じなかったので、ひょっこり出てきたら謝ってほしいなっていうことを、質問ベースとしてお答えしたという形ですね。

純度高めの質問を意識

――信頼する編集者の前だからこそ、話せたこともある?

そうですね。一年間話をして出来上がっている本でもあるんですけれど、その前から連載という形でずっと十何年一緒にやってきた中で、野呂さんとの関係というのは着実にできていたものですし、各章のテーマは野呂さんが聞きたいことでもあったけれども、そこフィルターを通して何人もの人たちが聞きたい純度高めの質問の方が、分かっていただけることも多いのではないかなというふうな考えはありました。

――もし本当に会えたとして、謝ってほしいと伝えたら何て返ってくると思いますか?

謝るんじゃないですかね。謝れる人に謝ってもらいたいですし、ある種のピュアさがあったからこそ集まった、大きくなっていった会社だとも思うので。

僕は今変な形で事務所に所属しているんですけれど、そういう自由さを与えてくれた人でもあると思うので世間で言われている問題に対してもそれは謝っていただきたいと思っている。

ただ、僕はどちらかというと役職だ、位だ、そんな話ではなくて一人の人間として、一対一で謝ってほしいです。死んじゃっているので、何にも言えないですけどね。

二宮が考えるアイドルとは「安心・安全な存在」

――二宮さんにとって「アイドル」の概念や、こうあるべきという信念はありますか?

相手(ファン)に対して欲求をちゃんと叶えてあげるというか、かゆいところに手が届く存在でありたいなという風に思っています。エンタメ人として、最新・最先端のものを融合していって、新たな可能性を…っていうのはもちろんではありますが、それが全てではないなと。

例えば、今こういった時に何を聞きたいのか、とか最新の曲ではなく本当はヒット曲が聞きたいんじゃないか、とかっていうものを分かった上で叶えてあげる人たちというのが、僕はアイドルだと思う。

自分たちのことを支持してくれているコミュニティーの人たちが喜ぶことを第一にやっていく、そこで満たされていければ、一般的にお茶の間と言われているところでお会いしてくださっている方々のところにようやくたどり着けるといいますかね。

嵐に関してで言うと、応援してくださる方々のお父様、お母様が両手離しまでとは言わないんですけれど、「嵐のコンサートだったら行っていいよ」というような、なんとなく嵐という存在が、安全だし安心だし、応援している子供がすごく楽しみにしているものって認識していただき、幸せを提供できていたらいいなという風には常に思っています。

―― エゴサーチが一般的ではなかったとき、どのようにしてファンの意見をくみ取っていたのでしょう?

ファンレターが僕の時は一番大切でしたね。エゴサーチというものができるようになって本当に幅が広がったというか、僕は基本的に連続ドラマなどに関しては徹底的にコメントを見ています(笑)。意見を変えるためにやっているわけじゃなく、これは良くなるかもしれないというものに関しては徹底的に。

ただ、映画とかはもう完成してしまっているのであまりしないのですが、よくなり得る意見に関しては、結構僕はメンタルが強く、そういう向き合いができるタイプだったので、わりと意見を吸い上げています。

なるほどなと思うものは拝借しますし、全体にも共有することもある。例えば「ブラックペアン シーズン2」のクラシックの選曲とかね(笑)。

「断るのも仕事」と初めて知った

――ここ数年、ますますマルチに活躍されている印象があるのですが、独立されてから仕事に対する向き合い方は変化しましたか?

より責任を持つようになりました。独立してから全ての依頼された仕事を見るので、断るのも仕事の一つなんだというのを、42歳にして初めて知りました。

今まで事務所に所属している時は、自分のところに来た仕事だけを読み込んで、理解して、表現するというのがやり方だったんですけれど、お受けするものも、お答えするものも、全て平等に時間を費やして向き合うというのが仕事に対する変わったところですね。

スケジュール上、どうしてもごめんなさいと言う前に必ず一読させていただいて、この案件はこの人の方が似合いそうだなとか、他にいるんじゃないかなとかっていうのを考えながら、あるいは自分がお引き受けした時には、どうしたらもっと豊かになるだろうとか、具体的に何ができるだろうということも平等に考えています。

お断りするというのは世知辛いというか、むず痒いものをこれまで事務所にしていただいていたんだなと感じました。

――それは知ることができてよかった?

よかったです。僕は共演する人と、関わってくれるスタッフはすごくいい人だなと思っていて、それが本当にずっと続いているから。こういういい人たちにケアしてもらいながらさまざまなことを展開できていっているのはすごく思いますし、独立してからより人との縁を感じることができました。

――読者の方々にメッセージをお願いいたします

最初に“新書で”というお話をいただいたとき、単純に写真ナシで文字だけという形態が自分にとっては新しい試みで面白そうだな、と。また、学問やビジネス向けのイメージが強い新書そのものの枠を広げて、読者層を厚くしたいという意図もいいなと思いました。さまざまなテーマについて自由に話しています。ぜひ読んでみてください。

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