福原遥“誰袖”の小悪魔感にハラハラドキドキ、宮沢氷魚“意知”に接近＜べらぼう＞

2025.06.14 12:51

横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第22回「小生、酒上不埒(さけのうえのふらち)にて」が6月8日に放送。花魁・誰袖(福原遥)の小悪魔っぷりに反響が寄せられた。(以下、ネタバレを含みます)

数々の浮世絵師らを世に送り出した“江戸のメディア王”の波乱の生涯を描く

森下佳子が脚本を務める本作は、18世紀半ば、町民文化が花開き大都市へと発展した江戸を舞台に、“江戸のメディア王”にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く痛快エンターテイメントドラマ。

蔦重はその人生の中で喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見い出し、また日本史上最大の謎の一つといわれる“東洲斎写楽”を世に送り出すことになる。

幕府“新時代”を目指す権力者・田沼意次役で渡辺謙、美人画が大評判となる喜多川歌麿役で染谷将太らが出演。語りを綾瀬はるかが務める。

花魁・誰袖がひと目ぼれした田沼意知に身請けを迫る

長く蔦重のことが好きで、先代の女郎屋・大文字屋の主人である市兵衛(伊藤淳史)が亡くなる間際に蔦重の身請けを許す証文を書かせていた花魁・誰袖。ところが、意次の嫡男・意知(宮沢氷魚)にひと目ぼれ。

意知が、松前藩とオロシャ(※現ロシア)の抜け荷(※密貿易)の証を探していると知ると、その情報を提供する代わりに自分を身請けしてほしいと驚きの提案をした。意知は「しくじればどうなるやも知れぬ、危ない役目」だと、その申し出を断った。

しかし、誰袖は、すぐには引き下がらない。蔦重を呼び出すと、青本を書いていると偽り、「兄さんが抜け荷の証というのを立てるならどうしんす？」と問いかけた。唐突な質問に蔦重が考え込んでいると、松前藩藩主・松前道廣(えなりかずき)の弟で、江戸家老の廣年(ひょうろく)が大文字屋に来ることに。誰袖は自分が相手をすると、蔦重を残して急ぎ戻った。

誰袖の危うさにハラハラ

花魁は初会の客とは口をきかないという決まりを破り、話し掛ける誰袖。廣年が身に着けていた琥珀の腕飾りを色仕掛けで手に入れたようで、人を介して意知に渡した。

大文字屋に再びやって来た意知は、オロシャのものを持っているだけでは蝦夷(※松前藩の領地で、現在の北海道)を通さずに手に入れたという確実な証にはならないと諭し、「これで間者(※スパイ)ごっこは、よしにしておけ」と言う。だが、誰袖は「この際、弟君(※廣年のこと)に、その蝦夷を通さぬ抜け荷とやらをやらせては？」と案を出す。吉原でもっと遊びたいが、自由になる金がないという廣年の弱みを突くというのだ。

ただ身請けさればいいのではなく、「わっちは吉原一の二枚目好みでありんして。このお顔を日がな一日眺めて過ごす身になりたいのでございます」とも打ち明けた誰袖。大胆で、したたか。吉原という、だまし合い、駆け引き、修羅場と日々“戦”のような場所で花魁にまでなった強さが誰袖にはある。

決意した意知は、それまで偽名だったのだが、自分の名前を明かし、「見事抜け荷の証を立てられた暁には、そなたを落籍(※身請け)いたそう」と約束するに至った。

蔦重のときもそうだったが、好きになったら猪突(ちょとつ)猛進。そして「んふ」と、ほほ笑むときの妖艶な色香。意知にずいっと顔を近づけて迫ったときの気概もドキッとした。小悪魔的な誰袖を、福原遥が魅惑的に演じている。

誰袖が危ない橋を渡ろうとしていることにドキドキハラハラする展開。視聴者からも「誰袖、大丈夫？」「肝はすわってるけど危うい」と心配の声と共に、「福原遥ちゃん、一皮むけたなぁと圧倒された」「かわいらしい声が色っぽくて」など演じる福原への反響も上がった。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部