

北川景子の迫真の演技に「スタッフ全員が衝撃を受けました」ドラマPが語る制作秘話<あなたを奪ったその日から>

食品事故で子供を失った母親の悲しき親子愛を描いたサスペンス「あなたを奪ったその日から」(毎週月曜夜10:00-10:54、カンテレ・フジテレビ系/FOD・TVer・カンテレドーガにて配信)。3歳の娘・灯(石原朱馬)を惣菜店の食品事故により亡くした中越紘海(北川景子)は、惣菜店の社長・結城旭(大森南朋)の娘・萌子(倉田瑛茉)を誘拐し、萌子を美海と名付け本当の親子のように過ごす。誘拐から10年が経ち、紘海は灯の死の真相を探るため旭が常務として務める会社に入社。旭に近づくもそこまで悪い人とは思えず紘海の気持ちが揺らぐ中、6月9日に放送された第8話では旭は紘海が灯の母親だと知ってしまう…。この度WEBザテレビジョンでは、本作を企画した水野綾子氏と三方祐人プロデューサーに、制作秘話や俳優・北川景子のすごさ、本作を通して伝えたいことなどを教えてもらった。
「キャラクターに重きを置いて作っています」作品づくりのこだわり
――ストーリー展開も早い物語ですが、周りの反響はいかがですか?
水野:SNSでトレンド1位になるなどかなり大きくて驚いています。第3話から第4話で10年経つので、物語の展開が早くストレスも少ないのが楽しまれている理由の一つかもと思います。そして面白いのは、ストーリーだけではなく、私たちが思いも付かないことが話題になっていることです。第4話では阿部さんが演じる玖村(阿部亮平)が親子丼大盛りを頼んでいたことや梨々子(平祐奈)が27歳というのがSNSのトレンドに上がったりして、見ていて楽しいです。
三方:SNSはリアルタイムで視聴者のリアクションが返ってくるので面白いです。皆さんがいろいろ予想されていたり、旭の態度にすごく怒っているつぶやきを見ると、こういう見られ方をするのかと新たな発見があったりします。
――オリジナル作品ですが、作る上で大事にしたことを教えてください。
水野:ストーリー重視に作っているように見えますが、実はストーリーよりもキャラクターに重きを置いて作っています。それは、私自身が最後まで見たいと感じる連続ドラマはキャラクターが魅力的な作品なので、やはりキャラクターはすごく大事だと考えています。フィクションですが、いつか会ってみたい、友達になりたいと思う登場人物がいるかどうかというのがすごく大きいというか。そのため今回もキャラクターはみんなで話し合いながら作りました。
三方:特に紘海さんですね。紘海さんはどうであれ罪を犯していて、世の中的に許されないことをしているんですよ。それを彼女自身がどこまで自覚しているのかをどうやって表現すればいいのか脚本づくりでかなり大切にしました。やはり紘海さんから罪の意識や葛藤が見えないと物語に入れないと思うので。彼女がモノローグで語る言葉の多くは罪の意識があるんですよ。と、同時に 灯への愛情や目の前ですくすく育つ美海(一色香澄)への思いが語られることもあって。主人公がブレずに魅力的に映る作品はいい物語になるので、そこは大切にしています。
水野:あと梨々子のキャラクターも苦労しました。第8話までで梨々子はすごく苦しんでいる様子が描かれていますが、リアルに彼女のような境遇に置かれた人はどうなるのだろう?ということを考えました。そして全てが明らかになったとき、梨々子の行動に説得力があるか…。想像はできても実際はどうなのか分からないので、ここはある程度見ている方に委ねた部分もあります。
撮影初日の北川景子の芝居に衝撃
――紘海演じる北川さんの迫真の演技に引き込まれている人も多いと思いますが、キャスティングした理由を教えてください。
水野:今回、北川さんとお仕事するのは初めてなのですが、一視聴者として見ていて、北川さんは実際にお子さんがいて、母親としての姿にすごく説得力があると感じたのが大きな理由です。もちろんお芝居が素晴らしいのは大前提ですが。
三方:北川さんはこれまでとは違った顔を見せてくださっていると感じています。皆さんが見たことがない北川景子さんがここにいるというか…。それは実際に作品に携わっていて私自身がすごく感じています。
水野:特に今回は泣くシーンが多いのですが、中でも一番驚いたのは第1話の灯が亡くなった後、保育園で別の園児を抱きしめて泣くシーン。実はここがクランクインだったんですよ。灯との幸せなシーンや悲痛な別れのシーンなどを全く撮っていない中、あの涙の演技ができるということが本当に素晴らしくて。北川さんが紘海でよかったと感じました。
三方:撮影が始まってからずっと北川さんのお芝居には驚かされていますが、あのシーンはスタッフ全員が衝撃を受けました。正直、クランクインの日は大概フワフワした雰囲気が漂っているんですよ。スタッフもキャストも、探りながらちょっとずつチューニングしていく、スタート地点なので…。 そんな中で、キャラクターの積み上げもなくブレずに紘海さんを演じた北川さんに圧倒されたというか、本当に素晴らしい俳優さんだと思います。
水野:そして現場がすごく明るくて和やかなんですよ。現場では台本を持ち込むことはなくサラッと演じていて、撮影の合間には全く違う話をして盛り上がっている。普通ならシリアスなシーンだとこちらが話しかけるのを躊躇するのですが、そんな心配はご無用という感じでオンとオフの切り替えをされています。プロだと思いました。
――クランクインでの北川さんのお芝居に驚かれたとのことですが、他にも驚かれたシーンはありますか?
水野:第6話の美海にお母さんとして怒るシーンです。この物語は、紘海と美海がいかに本当の親子のように映っているかがすごく大切で、本当なら少しずつお母さんになっていくのですが、この作品は一気に11年間飛ばしているので、その過程を描けないんですよ。そんな中、きちんと紘海と美海が親子として過ごしてきたというのが垣間見られるシーンだったので感動しました。かなり計算して演じてくださったと思います。
三方:実はあのシーン、最初にリハーサルで見たときにあそこまでキレるのか…と驚いたんですよ。怒りすぎのように感じて。でも実際に前後を繋げて見たら完璧で。お母さんならこう怒るよね、というのがすごく伝わってくるんですよ。本当のお母さんらしい遠慮のなさというのが感じられるというか。シーンを脚本通り順番に撮っていくわけではない中で、紘海さんの心情がきちんと繋がった上で、心の機微が感じられるお芝居をされているのは、本当に感服しかないです。
大森南朋からにじみ出る“いい人感”、阿部亮平の声の魅力
――対して灯の命を奪った旭を演じている大森さんのお芝居はいかがですか?
水野:SNSにも「結城家って胸クソ悪い」ってつぶやかれるなど、すごく悪い人に映っていた旭ですが、第5話以降、旭の別の顔が見えてきて、皆さんも混乱しかけてきているのではないかと思います。これは、旭のセリフにもあるように「人の心は万華鏡」なんですよ。第1話の紘海と惣菜店で出会うシーンも、全てを失った紘海から見ると憎たらしい笑顔だけど違う角度から見るといい社長に見える。見る人によって顔が違うんですよ。そんな難しいお芝居を大森さんは見事に体現してくださっています。そこは大森さんご自身が持っている“いい人感”が自然ににじみ出ているような気もしますが(笑)。
三方:実は脚本作りの段階では旭はもっと悪く見えるようにしていたんですよ。紘海さんが大罪を犯す理由となる人ですから。ただ試行錯誤した結果、今のような旭になりました。第2話の冒頭の萌子がいなくなるところは、最初はもっと淡々としていたのですが最終的にはうろたえるようにして。あのシーンを見るといい人にしか見えない。ただそれでもイヤな人に映るのは大森さんが脚本を咀嚼して悪見えする部分はよりそう映るように旭を作って積み重ねてくださったんだと思います。大森さんは現場では一見淡々と、飄々としておられるのですが、すごくクレバーで緻密で。脚本について現場で監督と別の俳優が話し合っているときもサッと提案をしてくださったりと、作品の全体像を俯瞰して見ているんですよ。本当にカッコいい俳優さんだと思います。
――そして紘海の人生を変えていくキーマンのような存在の玖村ですが、阿部さんに関してはいかがですか?
水野:正直、阿部さんが演技をしているイメージはそこまでなかったんですよ。特に玖村は前半と後半でイメージがガラリと変わる人物で、後半のやさぐれている玖村は全く見たことがない阿部さんだったので、どうなるのか未知な部分もありました。ただお芝居を見て、すごくハマっていて安心しました。すごい努力家で頭がいいのですが、とても役を考えて脚本を深い部分で理解した上で演技をして玖村を作っていて。やさぐれ玖村には驚かされました。
三方:そして現場では本当にいい人ですよね。みんなを引っ張ったり輪の中心でワーッとするタイプではないですが、少し引いたところで見ていてスッと面白いことを言ったりしていて。制作発表の時は、話していない人に話を振ったりとすごくよく見ているんだと感じました。
水野:気配りが出来ていますよね。
三方:そしてお芝居に関してはなんと言っても声がステキです。どこまで計算されているのか気になるところですが、声の強弱で感情を表しているのを聞くに、すごく考えられているような気がします。
「許す」ことについて考えてもらえたら
――そんな玖村の一言により紘海が灯の母親だと旭に分かってしまいます。今後の展開を教えてください。
三方:見ている方が疑問に感じている部分は全て解決すると思います。
水野:正直、話せないことばかりで…(笑)。ただ灯の死の真相も明らかになります。紘海、旭を含めそれぞれに物語があると考えて見ていただけるとありがたいです。特定の人をキーマンにするのは難しいですが、誰か1人なると美海ですかね。美海が一番の被害者の話でもあるので。
――この物語を通じて伝えたいことを教えてください。
水野:家族において血のつながりはたいした問題ではなく、他人と家族以上の関係になることはできるので大丈夫だよと伝えたいです。そして私自身があまり人を許せないタイプなのですが、正直、人を許した方が幸せだと思うので人を許すことの大切さも感じ取っていただければと思います。
三方:許すってなんだろうとはこのドラマに携わる中でずっと考えていることです。憎むより許す方が難しいとよく言われますが、心から許すというのはすごく難しいことだと思います。許すというのはどういうことなのか…。この ドラマを通じて感じていただければと思います。
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