

家の天井に巨大なクモ発見、思わず死を覚悟するも… 専門家は「ゴキブリを駆逐する戦士」と敬礼
夜遅くに帰ってきた我が家で、巨大なクモに遭遇した光景が話題に。日本蜘蛛学会はその正体を「ゴキブリを駆逐する戦士」と説明する。
「人は見た目によらぬもの」とはよく言ったものだが、これは人間だけに限った話ではない。人間の感性からしたらグロテスクな生き物が人類に有益な存在だったり、反対にかわいらしい生き物が、じつは「害獣」に指定されているケースも珍しくないのだ。
以前X上では、夜の自宅に突如現れた虫の正体をめぐり、驚きの声が多数上がっていたのをご存知だろうか。
自宅の壁に張り付いていたのは...
今回注目したいのは、主に京都と東京を拠点に能楽の舞台に立つ傍ら、能を全国、そして世界へ広める普及活動に取り組んでいる能楽師・山田伊純(やまだ いすみ)さんが投稿したポスト。
「こんなに疲れて帰ってきたのに、神さまはまだ試練を与えるのか」と、絶望感の漂う文面のポストには、天井付近の壁が写った写真が添えられている。

なんと壁には、通常のクモの数倍はあろう長い足を生やした、巨大なクモが張り付いていたのだった。
「恐ろしや...」「殺してはアカン」
クモが苦手な人が見たら絶叫、卒倒してしまいそうな光景は瞬く間に話題となり、Xユーザーからは「恐ろしや...」「このサイズは、ちょっと一緒には暮らせないな」「これは驚きますね...」といった共感の声が寄せられていた。
しかし一方で、「軍曹? 軍曹じゃないか!」「これは殺してはアカンやつです」「軍曹は試練でなく守護者なので、安心して眠って頂きたい...」など、クモを讃えるリプライも多数確認できたのだ。
そこで今回は、「軍曹」の異名で親しまれているクモの正体を探るべく「日本蜘蛛学会」に詳しい話を聞いてみることに。すると、そのビジュアル以上に衝撃的な事実が多数明らかになったのだ...。
発見時は「終わった...」と絶望
https://twitter.com/yamadaisumi/status/1921180672615465177
クモを発見した際の状況について、ポスト投稿主・山田さんは「遠方から帰宅して廊下に上がり、ふと見上げると扉の上に大きなクモが張り付いていて、思わず『終わった...』と思いました。虫が得意ではないので、かなり驚きました」と、振り返る。
こちらのクモが「じつは益虫」ということを知っていたため、「できれば共存した方が良い」と思っていた山田さん。しかし、やはりどうしても放っておけず、息子の虫取り網を駆使してなんとか捕獲し、そっと玄関の外に逃したそうだ。
なお、こちらのクモの正体について、日本蜘蛛学会の担当者からは「写真なので断言できませんが、アシダカグモかと思われます」との回答が得られている。
その特徴は「徘徊性(網を張らない)のクモとしては、最大サイズに近い種です。 室内でもよく見つかり、見つかると驚かれ、実体以上に大きく見られることが多いようです。しかし、体長(足をいれない体の長さ)は3cmほどで、足を広げても12〜14cmです。また素早い動きに驚いて『襲われた』とおっしゃる方もいらっしゃいますが、基本的に臆病な性格なので、ヒトを襲うことはありません」とのこと。
人間が捕まえようとして掴み、噛みつかれてしまうケースは起こり得るかもしれないが、それはクモからすれば「正当防衛」と言えるだろう。
「ゴキブリを駆逐する戦士」
その見た目から、他のクモ同様「不快害虫」であるとも言えるアシダカグモ。しかし、日本蜘蛛学会の担当者は「ゴキブリなどの衛生害虫を捕獲するので、益虫と考えて良いと思います」と、断言している。
「アシダカ軍曹」という呼称についても「『ゴキブリを駆逐する戦士』ということで付いた異名のようです」と、説明してくれた。

なお、ゴキブリの捕獲効率も高いと言われているアシダカ軍曹だが、屋内での生息数に限りがあるため「ゴキブリ類の決定的な天敵とまではならない」とする文献もあるそうだ。
ゴキブリ、ハエ、蛾などのエサを捕える際は網(いわゆる蜘蛛の巣)を用いずに獲物を待ち伏せし、近づいてくると足で抱え込んで噛みついて捕獲する、豪快でストロングなスタイルも、軍曹の魅力のひとつだろう。
「アシダカグモがいる=ゴキブリも沢山いる」は本当?
非常に頼れる存在だが、「家でアシダカグモを発見する」ことを、不吉に感じる人は少なくない。「アシダカグモがいるということは、家の中に大量のエサ(ゴキブリ)が潜んでいるのでは...?」と、考えてしまうワケだ。
しかし、こちらの説について日本蜘蛛学会の担当者は「私は初耳です」と、目を丸くする。
続けて「エサがいなければ、捕食者であるアシダカグモは生息できないため、アシダカグモがいる=何らかのエサ(ゴキブリとは限らない)がいる、という図式は成り立つと思います。しかし『ゴキブリが大量にいる』とは限らないかと思います」と、分析をしてくれた。
室内にアシダカ軍曹が現れても、それは決して「大量のゴキブリ」の確定演出ではないので、安心してほしい。
今回取材に応じてくれた日本蜘蛛学会は、世界初の「クモの専門学会」として、1936年(昭和11年)に設立された歴史ある学会。現在はクモの他、近縁なサソリやダニ、また多足類(ムカデ、ヤスデ)、クモの捕食者(ハチ)などを研究する人々も参加しているそうだ。
担当者は「大学などの研究機関に所属する会員ばかりではなく、下は小学生から、上は定年された方まで、様々な方が所属しています」ともコメントしている。
執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
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