

女性訓練生・石井杏奈“さやか”、救難員課程辞退を前向きに決断「今の自分が好き」<PJ ~航空救難団~>

内野聖陽主演、航空自衛隊全面協力のドラマ「PJ ~航空救難団~」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系/TELASA、Tverにて配信)。「全員で卒業」を願っていた訓練生たちだったが、5月22日放送の第5話で、ついに初の脱落者が出ることになった…。(以下、ネタバレ含みます)
「人命救助最後の砦」のPJを目指す学生たちと教官の群像劇
「PJ」とは、“パラレスキュージャンパー”の略。海上保安庁や山岳救助隊など、どの組織でも救助不可能と判断された場合に出動する究極の救難隊のことで、「人命救助最後の砦」とも言われる航空自衛隊の航空救難団だ。
本作は、航空自衛隊小牧基地を舞台に、救難教育隊の主任教官・宇佐美誠司(内野)と7人の学生たちが織りなす群像劇、そしてPJの過酷な任務の様子を、リアルかつ壮大なスケールで描いていく。
自信喪失のさやか…
“山岳救助想定訓練”を終えた夜、航空救難団初の女性訓練生・藤木さやか(石井杏奈)が、訓練中に気を失い、自力で歩けなくなったことを理由に「ここまで」と最後通告を受けてしまった。だが、即脱落ではなく、補備として、明日、今日と同じ訓練を再度受けることを教官の宇佐美から提案された。その為には他の訓練生たちも再度臨むことになる。脱落の危機にある仲間を助けない理由など無い。沢井(神尾楓珠)をはじめとする6名の訓練生たちは彼女と共に再挑戦することを「もちろんです!」と快諾した。
全員で成功しようと意気が揚がる6人に対し、さやかの表情は暗く、宇佐美に「自信がありません…」と告げるのだった。彼女はこれまで“女性の壁”と戦い乗り越えてきた。だが、今回初めて体力の限界を痛感してしまったのだ。そんな彼女に宇佐美は、気を失うほどの強い負荷を経験した人間は限界を知って強くなるのだと言い、自分を信じて、やれるだけやってみろと激励した。
テントに戻ったさやかは、以前宇佐美に言われた「藤木の心を救ったのは、その努力だ。何があっても逃げなかった藤木自身だ」との言葉を思い出し、自信を失いかけている今の自分と闘っていた。眠れないのでテントを出て、山道をさまよっているうちに朝が来た。
朝日を見た彼女は、「皆の所に戻らなきゃ、頑張らなきゃ」という気持ちが沸き上がり、毎朝の訓練でやっているように両手を上げて朝日を浴びた。気力を充填したさやかがテントに戻ろうとしたその時、夜露で濡れた地面で足が滑り、崖を転がり落ちて失神してしまった。
さやか、行方不明…
一方、宿泊ポイントではさやかが行方不明で連絡も取れないことで「失踪?」と騒ぎになっていた。「藤木は逃げるような人間ではない。事故に巻き込まれたのかもしれない」と考え、彼女の安否が心配な仲間たちは捜索に加えてほしいと懇願するが、学生に危険を伴う捜索をさせたとなれば問題になる為、教官たちは許可しない。すると沢井は、だったら毎日の訓練は何の為にあるのか?人を救う為ではないのか?と喰ってかかり、「仲間を探せない理由が、管理上の問題というのは納得できない」と、一歩も引かなかった。
宇佐美は、沢井の甘い仲間意識に賛同したわけではないが、捜索人数が多い方が発見しやすいと判断し、他の教官たちの反対を押し切って「責任は自分が取る」と訓練生たちの参加を許可した。
懸命な捜索の結果、沢井と宇佐美が崖の下で血まみれで失神しているさやかを発見。他所を捜索していた教官や訓練生に連絡し、応急処置を施して彼女をヘリコプターまで搬送した。さやかを担いだ中林(高岸宏行)と宇佐美が足場の悪い山をハイペースで登っていき、訓練生たちはついて行こうとするが息が上がって距離は開くばかり…。有事に1つのムダも無く迅速に行動する教官たちを目の当たりにして、訓練生たちは「生き物としての強さが違う…」と、自分たちの未熟さを痛感するのだった。
「救難員になれないのならこのまま死んでも…」
さやかの怪我は全治2週間と診断された。深刻な症状も無く遅れも取り戻せるはずだ。だが、ベッドに横たわる彼女の表情は何か思いつめているようだった。
数日後、教室にさやかがやって来た。宇佐美は彼女に、もっと気持ちを汲んでやるべきだった、自分の言葉が過度なプレッシャーを与えてしまった、と謝罪した。宇佐美はずっと、今回の事態は自分のせいで、教育方針が間違っていたのかもしれないと苦悩していた。
「いいえ、違います」。さやかはキッパリと否定し、勝手な行動をした自分のせいで皆に迷惑をかけてしまったと頭を下げた。そして、補備を言い渡されてからのことを話し始めた。
崖に転落して意識が戻った時に、負傷していることがわかり、「これでは訓練は続けられない。これも運命」と諦めたこと、そして、「救難員になれないのならこのまま死んでもいいと思った」と、当時の心境を語った。彼女の衝撃的な告白を6名の訓練生たちはこわばった表情で聞くしかなかった。
だが、それを聴いていた宇佐美は「オレには諦めたように見えなかった」と告げた。発見時、彼女の血まみれの左腕には布が絡まっていた。それは、止血の包帯代わりにしようとした袖だった。右手も負傷していた彼女は何とか口で裂いたのだった。だが上手く巻くことができず、痛みをこらえて腕を上げて止血を試みたのだ。宇佐美は彼女の流血の跡からそれを悟り、「たった1人で考え抜き、あの状況の中でPJとして出来ることをよくぞやってくれた」と称賛した。
「生まれてきただけですごいんだ!」
この時、諦めなかったのも「藤木の心を救ったのは、何があっても逃げなかった藤木自身」との宇佐美の言葉がここでも支えになっていたからだった。自分を必ず救おうと思った時、心臓の鼓動を感じたという彼女は、初めて「生まれてきただけですごいんだ!」と思えたのだと告白した。幼い頃から「男の子になりたかった」と思い、男子に負けるたびに「どうして女に生まれてきたんだろう」と自分自身に失望していたさやか…。そんな彼女がついに自分を肯定することができたのだ。彼女は「新しい私が生まれた」とその瞬間を涙ながらに振り返った。
そして、意を決したように宇佐美をしっかり見つめ、「3等空曹・藤木さやか、救難員過程を…辞退させて下さい!」と強い意志を感じさせる声で告げたのだった。想定外の言葉に涙が止まらなくなる6名の訓練生…。そして宇佐美は、「わかった」と言って、引き取めることはしなかった。彼女が考え抜いた末に出した答えだということは表情と声から明らかだった。安易に引き留めるのは、彼女に失礼だし尊重していないことになる。
宇佐美はさやかに、今日までここで耐え抜いて来た自分自身が、これからの自分を支えてくれるのだと告げた後、「今の自分が好きか?」と尋ねた。さやかは笑顔で「はい!」と力強く答え、宇佐美は「もうそれだけで、あっぱれだ」と微笑んだ。
さやかの辞退は、“敗北”ではなく前向きな決断
彼女の決断は、“敗北”ではない。“新しい私”が新しい道を進むのだ。全員で卒業できなかったのは残念だが、前向きな旅立ちとして見送りたい。それに、訓練所を去る時、彼女は仲間たちに「またね」と言った。それは、今生の別れではないということ。お互いにどんな道に進んでも、この訓練所で生まれた絆は切れることはないはずだ。
そして、合格できるのは6割、良くても8割、半分以上が脱落することもあるという過程を何とか乗り越えて、残った6人は欠けることなく卒業してほしい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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