山下智久“直輝”、北川景子“莉子”たちの恋の予感に胸騒ぎ「ブザー・ビート」第1話レビュー

2025.05.27 16:30

山下智久が主演を務める「ブザー・ビート～崖っぷちのヒーロー～」(2009年、フジテレビ系)が、現在FOD・TVerで無料配信中だ。プロバスケットチームに所属する気弱だが真っ直ぐな直樹(山下)と、気は強いが素直になれない莉子(北川景子)が出会い、仲間同士の軋轢(あつれき)、四角関係など愛と友情に悩み、引き裂かれながらも、降り掛かる困難を明るく乗り越えようと奮闘して成長してゆく姿を描く、爽やかな青春ラブストーリー。若き彼らが出会い、物語が動き出した第1・2話を紹介する。(以下、ネタバレが含まれます)

活躍できないプロバスケ選手と夢を追う音大出身アルバイターが出会う

第1話。上矢直輝は、プロバスケットボールチーム“JCアークス”の選手。学生時代から華々しい活躍を続けてきた直輝は、2年前にアークスに入団したが、プロ入り後は、思うように実力を発揮できずにいた。チームのチアリーダーである恋人の七海菜月(相武紗季)との結婚に向けて日々奮闘するが、肝心なところで決められない。一方、音大出身の白河莉子は、書店でアルバイトをしながらプロのバイオリニストを目指していた。そして、学生時代からの親友でもあるフルート奏者の海老名麻衣(貫地谷しほり)とルームシェアを始めたばかりだ。

アークスは、プレーオフ進出をかけた1戦に勝利する。その夜、アークスのヘッドコーチ・川崎智哉(伊藤英明)は莉子と運命的な出会いを果たし、連絡先を交換することになる。優勝を目指したアークスだったが、直輝の後輩で、万年補欠の秦野秀治(溝端淳平)の応援やキャプテン・宇都宮透(永井大)らの健闘もむなしく、チームは負けてしまう。そして、アークスはチーム補強のために、代々木廉(金子ノブアキ)獲得に乗り出す。アークスの親会社の総務部に勤務している菜月に会社内を案内された廉は、彼女に興味を抱く。その晩、莉子が近所の公園でバイオリンの練習をしていると、直樹が通りかかる。

新しい出会いの中で“恋の予感”が生まれ始める

続く第2話。直輝と莉子は、互いの名前も知らぬまま、親しく話すようになる。直輝がシュートの練習をするために使う公園で、莉子がバイオリンの練習をしていたことがきっかけだった。

ある夜、直輝の家に、恋人の菜月が遊びにくる。直輝の母・真希子(真矢みき)や妹の優里(大政絢)は、大喜びで菜月を出迎えた。直輝たちが皆で食事をしていると、菜月の携帯電話に着信が。電話をかけてきた相手は、直輝のチームメートになった廉だった。

同じころ、莉子と麻衣は川崎に誘われて飲みに出掛ける。その席に川崎が連れてきたのは、アークスのキャプテンを務める宇都宮だった。麻衣は、ひと目で宇都宮のことが気に入った。そんな折、直輝たちアークスの面々は次のシーズンに向けて動き出す。来週から再開される練習の前に、直輝は、秀治、守口(青木崇高)らと共に子どもバスケット教室に出向き、小学生たちを指導する。一方、莉子は、川崎に誘われ、初めてふたりだけで会っていた。

今作は、山下智久、北川景子、相武紗季、貫地谷しほりらが出演する16年前のフジ系“月9”ドラマ。若い彼らのまぶしい恋模様が動き始める予感がする第1・2話だった。プロバスケの世界で奮闘しながら、結婚を考えるほどの恋人がいる直輝も、バイオリニストの夢を諦めない莉子も、中高生あたりの視点からだととても大人びているように見えるが、ある程度の年齢を重ねた世代から見たらまだまだ青二才。未熟であるゆえに、これからあらゆる失敗もしていくのだろうなという印象の序章だった。

北川演じる莉子の正直さと、相武演じる腹黒系彼女の菜月がどんな形で激突していくのかに注目したい。作品のキャッチコピーは「恋は人を強くする。」、この恋の影響を受けていくのが誰なのか見ていくことにしよう。