お店でお金が足りず困っている友だち…自分の分を我慢しようとする子猫の思いやりに「やさしくてかわいい世界だ」の声【漫画】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、木川田ともみさんの漫画『買えないチッチをたすけたい』を紹介する。本シリーズ『子猫の配達員うーにゃん』は、”アニメ制作スタジオななほし”の作品。代表・監督を務める佐藤こーだいさんが本シリーズのアニメを担当し、漫画は木川田ともみさんが担当している。『子猫の配達員うーにゃん』は、生後間もないうーにゃんが弱っていたところをシルバに助けられたところから始まった。元気を取り戻したうーにゃんは、シルバとともに配達員の仕事をしている。本作はうーにゃんの成長や、配達先の動物たちとの物語を描いている。佐藤さんが3月18日にX(旧Twitter)に本作『買えないチッチをたすけたい』を投稿したところ、5000件を超える「いいね」が寄せられた。本記事では漫画担当の木川田さんとアニメ担当の佐藤さんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。

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小さな物語のきっかけはやさしさから

お店にやってきていた子猫のうーにゃんだったが、自分の前に並んで買い物をしていた子ねずみのチッチに事件が。どうやら所持金が足りず、ビスケットを買えないことにショックを受けているようだ。同じくおやつを買いにやってきていたうーにゃんは、チッチのために自分のお金もあわせてレジに出す。ところが、それでもまだお金が足りない…。

ショックに涙を浮かべたチッチに“どうしよう”とうーにゃんが困っていると、1羽のヒヨコがやってきてビスケットを口にくわえ立ち去ってしまう。慌てて追いかけるうーにゃんとチッチ。しかしヒヨコに追いついたところでたくさんのヒヨコにじゃれつかれ、押し倒されてしまった。くすぐったさに笑ってしまううーにゃんたちだったが、そこへヒヨコの親であるニワノが大きなカゴを持ってやってきて…。

うーにゃんの優しさから始まった漫画を読んだ人たちからは、「あまりにもかわいい友情」「とてもほっこりする話」「やさしくてかわいい世界だ」「出てくるすべてがかわいい」など、多くのコメントが寄せられている。

相手の気持ちを考え、慮る優しいうーにゃん

――本作は、自分の欲しいものを諦めてチッチを助けるうーにゃんに心が温かくなるストーリーでした。お話の発想の源はどこだったのでしょうか？

木川田：誰かが困っているとつい「自分のこと」よりそっちを優先してしまう瞬間があると思うんです。うーにゃんもまだ子どもですが、「自分がほしいもの」より「チッチを助けたい」という気持ちが自然に出てしまう。そういう“まっすぐで素直なやさしさ”を描きたくて、このお話をつくりました。

――本作では、お金が足りず悲しむチッチの表情が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあればお教えください。

木川田：お金が足りなかったことより、「欲しかったのに買えなかった」というチッチの気持ちを表情で表すことにこだわりました。また、うーにゃんは「チッチが泣いたらどうしよう」とやたら慌てるように描いていて、そのいっぱいいっぱいな優しさが自然に伝わるように意識しました。小さな出来事の中にある感情の揺れを、それぞれの反応で語れるように心がけています。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

木川田：最後にチッチとうーにゃんが“2人ともほしかったおやつを買ってもらえる”シーンが特に気に入っています。うーにゃんの行先で起こす行動が巡って、結果的に他者の小さな幸せにもつながるという形が、このシリーズで一番描きたい「うーにゃんらしさ」なので、ラストにはこだわりました。

――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか？

木川田：子どものころに感じた、うれしかったこと、悔しかったこと、大人になってから気づいた「当時の気持ち」そういった記憶をベースに、自分の子や街中で見かけた親子のやりとりから想像がふくらむこともあります。

特別な事件ではなく、日常のすぐそばにあるドラマを描くように心がけています。

――今後の展望や目標をお教えください。

佐藤：短編アニメが完成してからは、しばらく準備期間としておりましたが、現在シリーズアニメ化を目標に活動しております。ぬいぐるみ化の計画もあり、クラウドファンディングの事前サイトを公開しました。実施日程は現在調整中ですので、お気に入り登録して応援していただけますとありがたいです！

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

佐藤：うーにゃんは、まだまだ失敗ばかりの配達員ですが、一生懸命に誰かのもとへ荷物と一緒に大切な思いをお届けようとがんばっています。この物語を読んで、ちょっとだけ心があたたかくなったり、誰かに贈り物をしたいなって思ってもらえると、すごく嬉しいです！これからもうーにゃんを一緒に見守る気持ちで、応援してもらえるとありがたいです。