昇進の話を蹴って幼少期の夢を選択…宇宙飛行士の試験に挑む“会社員の鳥”に「感動した」の声【漫画】

2025.05.09 08:30

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、漫画家の橋本ナオキさんが自身のSNSに投稿している『毎日でぶどり』シリーズに注目しよう。

同作は、ニワトリ会社員「でぶどり」や仲間の鳥たちによるブラックかつゆるい日常を描いた作品で、書籍の場合は『会社員でぶどり』として発売されている。以前X(旧Twitter)に登場キャラ「ピノ」が“宇宙飛行鳥”を目指すストーリーがポストされると、各話に2000以上の「いいね」が寄せられている。そこで作者である橋本さんに、同作について話を伺った。

昇進の話を蹴って夢の実現に挑戦する鳥

幼少期から宇宙飛行鳥になりたい夢があったピノは、上司からの昇進の話を断り、宇宙飛行鳥の採用試験に応募。そして、書類選考を突破し、筆記や体力試験、面接などが行われる一次試験に参加することに。面接で“宇宙飛行鳥になりたいと思ったきっかけ”を話して試験を終えたピノは、その後にそわそわしながらも合否の結果を待っているのだった。

合格者にだけ電話の知らせがくる日、ピノの携帯電話が鳴って仲間一同が歓喜の渦に。そして、ついにピノは最終試験に挑むことになり…。諦められなかった夢を追うピノに対し、読者からは「勇気をもらった」「ひたむきに頑張る姿に感動」など好評の声が寄せられている。

人生の選択に葛藤する場面は作者の実体験？

――『毎日でぶどり』シリーズを創作するようになったきっかけについてお聞かせください。

最初のきっかけがあったのは、クリエイターとして活動したいと思いながら方向性が定まらず迷走していた時期でした。上司のニシグチさんというデザイナーの方がインスタグラムにアイデアを毎日投稿されているのを知り、自分も作ったものをSNSで発信することにしました。当初は漫画の毎日投稿を一年間やり通すことだけが目的でしたが、徐々に漫画を読んでいただけるようになったことで読者の方にとって良い影響を与えられるような内容にシフトしていきました。

――「宇宙飛行鳥の試験」シリーズを描いた経緯も、ぜひ教えてください。

自分自身が新しいことに挑戦したり、やりたいことに対して腰が重くなってきていたので、現状維持ではなく大きな挑戦をする話を描きたくなったのがきっかけです。また、ストーリーの前段階を描き始めた時期が受験シーズンだったので、難しい試験に挑むピノの姿を通して受験に挑む人たちを応援できればとも思っていました。

――「宇宙飛行鳥の試験」の流れを描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい！」というポイントがあれば教えてください。

試験自体のエピソードもそうですが、試験に挑むかどうか葛藤する部分も注目してほしいです！今のまま出世を目指すか、リスクを取ってずっとやりたかったことに挑むか迷うのは実体験でもありました。

――「宇宙飛行鳥の試験」の展開の中で、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。

個人的にずっと描きたかったのがピノが宇宙飛行鳥を目指す理由となった幼少期のシーンです。ピノは「渡り鳥に育てられたことで空を飛ぶことに憧れるようになったペンギン」ですが、その原点となる過去をちゃんとシーンとして描いたのは初めてでした。そして毎日でぶどりのかなり初期(5年前くらい)にピノが「宇宙飛行士を目指そうかな」というセリフを描いていて、いつか本当にそうなる展開にしたいと思っていたので描けてよかったです。

――今後の展望や目標をお教えください。

長期的にはアニメ化やもう一度書籍化、全国どこででもグッズが手に入るようになったりしてほしいというのが夢ですが、自分一人でできることではないので、頭の中にある描きたい話や読者の方が読みたいと思ってくれる話をほぼすべて描いて世に出すのが目標です。

――読者へメッセージをお願いします。

いつも読んでくださりありがとうございます。少しでもいいなと思うセリフやシーンに出会っていただけたらこれ以上ない喜びです。過去の作品もたくさんあるのでぜひ読んでみてください。