

横浜流星“蔦重”に「天性の人たらし」の声、ビジネススキルの高さが物語を面白くする<べらぼう>

横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)では、5月4日(日)放送の第17回より蔦重(横浜)が版元(※現代の出版社)として始動する新章がスタート。それを前に、これまでの蔦重が見せた天性の“商才”を振り返っておきたい。(以下、ネタバレを含みます)
数々の浮世絵師らを世に送り出した“江戸のメディア王”の波乱の生涯を描く
森下佳子が脚本を務める本作は、18世紀半ば、町民文化が花開き大都市へと発展した江戸を舞台に、“江戸のメディア王”にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波乱万丈の生涯を描く痛快エンターテイメントドラマ。
蔦重はその人生の中で喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見い出し、また日本史上最大の謎の一つといわれる“東洲斎写楽”を世に送り出すことになる。
蔦重の商才にワクワクする
第1回では、蔦重は引手茶屋を営む養父・駿河屋(高橋克実)の息子が任されている茶屋を手伝うかたわら、遊女たちへの貸本業をしていたが、自分が本を出す側=版元になるとは思ってもいなかった。ただ、ビジネススキルを備えていることが垣間見えた。幕府の要人である田沼意次(渡辺謙)と会った場面だ。
通常であれば一町人、それも吉原に暮らす蔦重が意次に直接訴える機会を得ることはほぼあり得ない。しかし、このとき正体は明かされていなかったが、意次と懇意にしていた平賀源内(安田顕)に勧められ、屋敷に上がり込むことに成功し、吉原の窮状を訴えた。
結果としては、「人を呼ぶ工夫が足りぬのではないか?」と一蹴されてしまうのだが、蔦重は「お言葉、目が覚めるような思いがいたしやした。まこと、ありがた山の寒がらすにございます!」と感謝する。これをきっかけに、吉原の案内本である吉原細見を作ることにつながった。
蔦重の行動力、機転、発想力&企画力。吉原のためという心持ちで、本作りの才能を発揮していく。今の時代にも通じるビジネススキルで苦境を乗り越えていく様子にワクワクさせられる。
蔦重の“吸引力”という武器
そんな中で際立つのは、蔦重の人を巻き込む力、吸引力だ。脚本家の森下氏がドラマ公式サイトに掲載されているインタビューで「蔦重は相当の吸引力があり好かれた、まさに人に囲まれて生きた人だったと思います」と語っている。
意次も正確な名前を覚えていなくとも「ありがた山」として記憶に残り、錦絵本を将軍に献上する約束をしてくれた。ほか、源内、のちの鬼平として知られる長谷川平蔵(中村隼人)、幼なじみの花魁・五代目瀬川(小芝風花)ら女郎たち、駿河屋や女郎屋の松葉屋(正名僕蔵)、大文字屋(伊藤淳史)ら吉原の親父たち、そして絵師や戯作者たちが、手を貸したり、背中を押してくれたりする。
本作りでいえば、例えば第3回。蔦重初の自主制作本ともいえる「一目千本」を作るとき、絵師・北尾重政(橋本淳)に依頼したのだが、「この数(120)の女郎を書き分けできるのは、とにかく絵が確かな北尾先生しかいないんですよ」と自尊心をくすぐる。それから重政からアイデアを引き出した上で自分のアイデアを加えて、重政が描きたいと思える面白さに昇華した。
第6回では、蔦重を密かに利用していた地本問屋・鱗形屋(片岡愛之助)が、蔦重が持ってきた子供向けの“赤本”を卒業した世代に向けた“青本”の企画に、本屋としての好奇心を刺激された。この後に鱗形屋には少々悲劇的な展開が訪れてしまうのだが、物語のヒントをつかんできた蔦重との会話に引き込まれて一緒にアイデアを楽しそうに出し合う姿は熱かった。
単に口がうまいだけでは…という見方もあるかもしれない。第11回で、吉原で行われる俄(にわか)祭りに浄瑠璃の馬面太夫こと富本豊志太夫/午之助(寛一郎)を招こうと女郎たちがもてなす一計を案じたときのこと。馬面太夫の声に感動のあまり涙を流した女郎たち。すると蔦重は「吉原には太夫のお声を聞きたい女郎が千も二千もおります。救われる女がおります。どうか、女郎たちのためにも、祭りでその声を響かせてはくれませんか」と言った。馬面太夫も素直に涙を流す女郎たちに感動していたのだが、それをダメ押しするともいうのか、蔦重の琴線に触れる交渉術は確かにうまい。
ただ、口先だけで全ての人が動くことはないだろう。蔦重の何事にも懸命な熱い人となりの魅力に巻き込まれてしまうのではないだろうか。
蔦重の新たな出会いにも期待
続く第12回では、蔦重は秋田藩の藩士である一方で人気戯作者・朋誠堂喜三二(尾美としのり)に自分の本屋・耕書堂で青本を書いてもらえないかと交渉した。鱗形屋でさんざん青本を書いている喜三二は「ネタもない」と渋るが、蔦重は俄祭りの裏側をネタにしてはどうかと提案。ここでも物語を作る者の好奇心を刺激し、揚げ句に「俺、それ読みてえです!」とキラーフレーズを繰り出した。蔦重自身が誰よりも面白がってもいるのだ。
喜三二が鱗形屋との板挟みで耕書堂から青本を出すのはいったん白紙に。そんなとき蔦重は1カ月続く祭りの最中に、墨摺りの冊子「明月余情」を出すことを思いつくのだが、当代一の役者絵師・勝川春章(前野朋哉)にも「俺も見てえし」と告げて気持ちを動かし、その序(※冒頭の文章)を喜三二に書いてもらうことに成功して評判を呼ぶ。
その後、第15回で今度は喜三二から蔦重に青本を作りたいと持ち掛けた。江戸市中の地本問屋と対立している蔦重の耕書堂から出した本は、市中で売り広めることはできない。戯作者とは別に役目を持っている喜三二にとって売上はどうでもよく、「誰とやるのが一番楽しいかって言われたら、そりゃ、お前さんなんだよ!」と告げた。本当のところは蔦重から吉原で遊ぶ礼がもらえるのことの方が大きいのだが、それでも第12回で親友である戯作者・恋川春町(岡山天音)にも「面白れえこと言ってくんだよな、蔦重ってのは」と明かしていて、蔦重に惹かれているのは確かだ。
絵師や戯作者たちは蔦重のアイデアの面白さに引かれ、蔦重の懸命さや行動力に吉原の親父たちも協力したくなる。蔦重のそんな姿に視聴者からは「天性の人たらし」という声が上がる。横浜流星が目をキラキラさせて演じていることも、吸引力がある人物として蔦重を魅力的にする。視聴者もその吸引力に巻き込まれていることだろう。
“天性の人たらし”を起点に、どんどん人脈を広げていくのが蔦重の強みになっていく。瀬川や源内との悲しい別れを胸にとどめながら、どんな人々と出会い、どんなふうに次の段階へと進んでいくのか。蔦重からますます目が離せない。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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