金沢碧がしたたかな美女役で登場、天知茂さん主演「宝石の美女」をHDリマスター版で無料放送＜江戸川乱歩の美女シリーズ＞

2025.04.30 17:00

天知茂さん主演で描かれる江戸川乱歩原作のサスペンスドラマ「江戸川乱歩の美女シリーズ」(ＢＳ松竹東急[全番組無料放送・260ch])。5月4日(日)昼3時30分からは、金沢碧が美女役として出演するシリーズ第7作目「宝石の美女」が、高画質で世界観により没入できる“HDリマスター版”で放送される。そこで今回は、本作のあらすじや見どころを紹介していく。

美女たちの官能シーンや痛快アクションが満載の「江戸川乱歩の美女シリーズ」

天知さんが演じる明智小五郎が、抜群の推理力と華麗な変装で複雑怪奇な難事件を解決していく本シリーズ。

美青年が餌食になる“人間標本製造機”や人間を襲う“時計台の歯車”など、創意工夫を凝らした奇抜なセットがたびたび登場し、その精巧なつくりに感心させられる。また、ド派手なカーアクションや、ヘリコプターを使った手に汗握る脱出劇など、サスペンスドラマとは思えないような迫力満点のアクションシーンも見どころだ。

そして“大人向けの作品”として、毎話登場する美女たちの妖艶なシーンにも注目。由美かおる、片平なぎさ、萬田久子ら名だたる女優ふんする“美女役”の入浴シーンや、明智を雰囲気たっぷりに誘惑するシーンなど、思わず目が釘付けになる描写が散りばめられている。

1979年に放送された「宝石の美女」で美女役・大牟田ルリ子を演じるのは、女優の金沢碧。ドラマ「北都物語」のオーディションで主人公役を勝ち取り華麗にデビューを果たした。その後、中村雅俊主演の青春ドラマ「俺たちの旅」でマドンナ役を演じたことでも知られている。

美しい未亡人の前に、亡くなった夫にそっくりな人物が現れる…「宝石の美女」あらすじ

宝石強盗で投獄された西岡(睦五郎さん)という男が刑務所から脱獄した。西岡は白髪姿に変装し、自身が盗んだ宝石を隠しておいた墓地へとたどり着くが、肝心の宝石は一つも残っていなかった――。

一方、夫の敏清を亡くした美しい未亡人のルリ子(金沢)と、彼女の婚約者で画家の川村(小坂一也さん)、そしてルリ子の妹の豊子(田島はるか)が3人で暮らす大牟田家。入浴中のルリ子は、白髪でサングラスをかけた男が窓の外から覗き込んでくる姿を目撃する。通報を受けた浪越警部(荒井注さん)は、ルリ子の証言から覗き犯は西岡だと踏み、明智(天知さん)とともに大牟田家へ捜査にやってきた。

そんな折、不動産業者が“別荘の買い手が見つかった”と、白髪にサングラスをかけた里見(田村高廣さん)という男を大牟田家に連れて来る。亡くなった敏清にそっくりなその男を見た瞬間、ルリ子は失神してしまう。その後、里見は“散歩中に迷い込んでしまい、ルリ子を覗き込んでしまった”と謝罪。事件が解決して警察が引き上げる中、明智は何かが引っかかっているような様子を見せるが…。

翌日、再びルリ子に会いに来た里見。大きな宝石の指輪を彼女に差し出したことで、ルリ子は婚約者の川村がいるにもかかわらず里見へと心変わりし始める――。

“異色の美女”を体現する金沢碧の名演技に注目

本作は、江戸川乱歩の小説『白髪鬼』を原作としているが、西郷輝彦さんが明智を演じたシリーズ第33作目の「みだらな喪服の美女」も同小説がモチーフとなっている。「みだらな喪服の美女」は明智が事件を解決していく過程にフォーカスしているのに対し、本作では里見の視点から事件の全容が綴られていくのが特徴だ。

注目したいのは、金沢碧が演じる美女・ルリ子の圧倒的な存在感。本シリーズに登場する美女たちは、妖艶でありながらも皆どこか儚げな雰囲気を漂わせているが、それとは対象的に、金沢はシリーズでは異色とも言える、金に目がないしたたかな女性像を見事に体現している。ルリ子が売れない画家・川村から、大きな宝石を持つ里見へと心変わりする様子は、本作の見どころの一つと言えるだろう。

もちろん、明智が展開する名推理も必見だ。警察が宝石強盗犯・西岡を追う一方で、明智は“別の事件が隠されている気がしてならない”と疑問を抱き独自に捜査を進めていくが、鋭い観察眼を持ち、常にさまざまな視点から物事を捉える明智の名探偵ぶりが見事に描き出されている。