福山雅治“チイ兄ちゃん”「おれ、小雪のことが好きだ」きょうだいの均衡が崩れる告白＜ひとつ屋根の下＞

2025.04.29 17:30

江口洋介が大家族の長男・達也役を演じた「ひとつ屋根の下」(1993年、フジテレビ系)が、現在FOD・TVerで配信中である。「あんチャン」、「チイ兄ちゃん」、「そこに愛はあるのかい？」、「うさぎってね、寂しいと死んじゃうのよ」など数々の流行語を生んだ大ヒット作。今回紹介する第7・8話は、きょうだいの中でも親が異なる小雪(酒井法子)に対して、恋心を抱いた二男・雅也(福山雅治)の本音が語られる回だ。(以下、ネタバレが含まれます)

雅也が兄・達也に小雪への恋心を打ち明ける

今から32年前に放送された「ひとつ屋根の下」は両親を交通事故で亡くしたきょうだいたちが、“ひとつ屋根の下”で協力しながら暮らす物語。長男の柏木達也(江口)を中心とし、二男で医大生の雅也、しっかり者の長女・小雪、やんちゃな三男・和也(いしだ壱成)、高校生の二女・小梅(大路恵美)、そして四男・文也(山本耕史)たちが明るく、時に涙を流しながら本気でぶつかっていく。

第7話。失恋して落ち込んでいる達也を、小雪が「私が結婚してあげる」と慰める。小雪はもらい子。達也とは血のつながりがないのだ。「灯台もと暗しだったのか」と達也が小雪に言う。しかし、小雪は、失恋に同情してただ慰めただけ。それを言われて達也はがっくりする。雅也は高校時代に小雪にプロポーズしたことがある。雅也は意を決して、達也にはっきりと「小雪が好きだ」と話した。和也は、想いを寄せている詩織(千葉麗子)から妊娠したと言われて驚き、その相手である医大生の良喜(真野圭一)に会いに行く。

きょうだい間の恋を野島伸司が描く

続く第8話。小雪の実母・京子(風吹ジュン)が、福島から東京に出てくる。達也が京子と会うと、小料理屋を営む京子は、店がうまくいっていないため、金を借りに東京へ出てきたと話す。それを達也から聞いた雅也は「身勝手だ。許せない」と怒った。小雪に母親がいたことを和也、小梅が知り、その翌日から和也、小梅らの態度が変わり、よそよそしくなる。

それを見た達也が怒った。「血がつながらないと知ったら急に態度変えやがって…。いつもの通りにしていろ。他人面するな」。小雪の方も悩み、考え抜いた末にきょうだいたちと暮らす家を出てしまう。

いわゆる“大家族モノ”のアットホームなドラマと思いきや、小雪が他のきょうだいと血のつながりがないことが分かり、少しずつきょうだい間のバランスが崩れていくのが切ない。ひとつ屋根の下に暮らす者同士でも、年頃の男女ということで恋心も芽生えてしまった。小雪のことが好きな“チイ兄ちゃん”雅也、しかし小雪の気持ちは“あんチャン”達也へと向かっているために事情は複雑だ。同じ時代に「高校教師」(1993年、TBS系)や「人間・失格～たとえばぼくが死んだら」(1994年、TBS系)、「未成年」(1995年、TBS系)などのセンセーショナルなドラマを脚本した野島伸司が、ここから物語をどう加速させていくのか見ものだ。