“野球界のレジェンド”川崎宗則選手が諦め尽くした先にたどり着いた「諦めの境地」＜NumberTV＞

2025.04.21 19:00

野球の川崎宗則選手が、4月17日にLeminoで配信されたリアルドキュメンタリー番組「NumberTV」(全24回)の第18回に登場した。優れた打撃力と圧倒的なスピードで2度のWBC制覇に貢献した実績を持つ“野球界のレジェンド”であり、“ムネリン”の愛称で親しまれる稀代のエンターテイナー・川崎選手。チームを盛り上げ、引っ張っていく姿も印象的な川崎選手の野球人生をひもときながら、知られざる苦悩と葛藤に迫る中で、川崎選手が何度も諦め尽くした末にたどり着いた悟りの境地を語る一幕があった。(以下、ネタバレを含みます)

野球少年だったが…中学ではバスケ部に

同番組はスポーツ総合雑誌「Sports Graphic Number」とLeminoの共同プロジェクトによる、トップアスリートの人生にフォーカスを当てるオリジナルドキュメンタリー。苦難を乗り越えてきたプロアスリート本人が、個々の競技人生を変えた「最大の挫折」と「復活」の物語を自らの言葉で語るリアルドキュメントとなっている。

第18回は、元メジャーリーガーで現在は栃木ゴールデンブレーブスに所属する川崎選手。小学生で全国大会に出場し、そのメンバーがそろって進学した地元の中学校に入学した川崎選手は、なぜかバスケットボール部に入部する。当時について、川崎選手は「『SLAM DUNK』がはやって、バスケが好きだったからですね」とひょうひょうと振り返った。

その後、チームメートの説得に応じて野球部へ。だが、バンドや友達関係に興味が向き、野球への熱量は2～3割になっていた。そんな中、キャンプで鹿児島に来ていたオリックスのイチロー氏を目の当たりにし、一瞬でとりこに。その日からイチロー氏をまねて左打ちに転向し、野球にのめり込んでいく。

プロ野球選手になるも「ただただ泣いていました」

プロ野球選手の輩出実績もなく、決して野球の強豪とはいえない鹿児島工業高校に進学した川崎選手は、甲子園に出場できなかったものの、1999年のドラフト会議で福岡ダイエーホークスから4位で指名され、プロ野球選手に。プロ入団時について川崎選手は「1月の自主トレの時点で、各先輩たちとプレーさせてもらった中で『これは、とんでもない所に入ってきたな。体格も違うし、全てに付いていけないな』と泣いていました。ただただ泣いていました」と回顧。

そして、2軍で同僚と切磋琢磨しながらたどり着いた境地について告白。川崎選手は「諦め尽くしたんですね。ただ、諦め方にもいろんな諦め方があって。やっぱり(野球が)好きだから、『自分の川崎宗則の中でうまくなればいい』と思ったんです。“プロ野球選手で成功しよう”というのを諦めたんです。今でもそう。それは諦めています」とし、川崎選手なりの成長を諦めない「諦めの境地」について打ち明けた。

なお、4月24日(木)にLeminoで配信される第19回は、サッカー・原口元気選手が登場する。

◆文=原田健

※川崎宗則選手の「崎」はタツサキが正式表記