

色あせない冒険活劇「西遊記」…「キャスティング・中国ロケ・主題歌」ムーブを巻き起こし老若男女を夢中にさせた3つのポイント

BS12 トゥエルビ(BS222ch)にて放送中の「西遊記」(毎週月曜19:00-20:00、※無料全国放送)は、中国の古典小説をモチーフにしたファンタジー冒険活劇。堺正章、夏目雅子さん、西田敏行さん、岸部シローさんをメインキャストに据えた本作は、1978年に放送されるや大人から子どもまで夢中にさせ、平均視聴率20%に迫る大人気ドラマとなった。サスペンスから時代劇までバラエティに富んだテレビドラマが居並ぶゴールデンタイムの中で、なぜ「西遊記」は世代を超えて人々を魅了したのか。3つのポイントから、その秘密に迫っていきたい。
ハマり役というほかない、3人のお供と三蔵法師を演じた名優たち
主人公の孫悟空を演じるのは、当時、俳優や歌手、司会とマルチに活躍していた堺正章。その風貌を生かした野性味のある猿メイクとコミカルな表情、如意棒を使った楽しいアクションはまさにハマリ役というほかない。お調子者で暴れん坊だがお人よしで、文句を言いながらも体を張って三蔵法師を守る姿は当時の子どもたちの記憶に強く刻まれ、今なお堺と言えば孫悟空というイメージを持っている方は多いことだろう。
そんな孫悟空を兄貴と慕う猪八戒は、大食漢で女性に弱く涙もろい、実に人間臭いキャラクターだ。当時恰幅が良く愛嬌たっぷりの故・西田敏行さんはうまい具合に猪八戒そのもの。沙悟浄に扮する故・岸部シローさんの飄々とした雰囲気、関西弁混じりの独特な話し方や皮肉屋な性格も、賑やかな孫悟空と猪八戒をピリリと締めてくれた。このとき3人は30歳前後。若かりし頃の勢いが軽妙な掛け合いやアクションにも表れている。
個性際立つお供3人と対照的に、気高さと美しさで視聴者を引き込んだのが三蔵法師だ。演じる故・夏目雅子さんは弱冠21歳とは思えない気品を漂わせ、柔らかい口調で孫悟空たちをたしなめる姿には神々しさすら漂っていた。あれから47年。夏目雅子さんは27歳の若さで鬼籍に入り、西田敏行さんと岸部シローさんは晩年、惜しまれながら旅立っていった。今、元気な姿を見せてくれているのは堺正章だけである。それぞれに当たり役を得た「西遊記」は、彼らの知名度と人気を不動のものにした代表作と言えるだろう。
“近くて遠い国・中国”への興味、大規模ロケと特撮を交えた異国情緒漂う冒険
当時、日本のテレビドラマとしては異色の中国ロケを敢行した本作は、色とりどりの衣装や異国情緒あふれる風景で、“近くて遠い国・中国”への興味を掻き立てた。如意棒や馬鍬、宝杖というお供の武器も独特なデザインで、これらを使った妖怪、悪党たちとの格闘シーンにもワクワクさせられたものだ。
孫悟空が筋斗雲に乗ったり如意棒を伸び縮みさせたりするシーン、妖怪が術を繰り出すシーンなど、随所に挿入される特撮演出も波瀾万丈の冒険を盛り上げている。特撮を担当したのは「ウルトラマン」や「ゴジラ」を手掛けた円谷プロダクションと東宝映像。孫悟空が釈迦如来との賭けに挑み、世界の果てまで行ったつもりが釈迦如来の手のひらの上だった…というおなじみのシーンも、特撮によってスケール感たっぷりに再現されている。
古典小説の人気エピソードをしっかりと盛り込みつつ、1~2話でオチがつく構成も分かりやすく、子どもも物語をきちんと追えたことも楽しさを倍増させてくれた。初登場となる人物や場所、術などにはテロップをつける親切さもあって、それこそ放送から47年が経った今見ても気軽に楽しめる作りとなっている点も付け加えておこう。
冒険への期待とロマンを掻き立てた主題歌「Monkey Magic」と「ガンダーラ」
「西遊記」といえば、ゴダイゴが歌う主題歌とエンディング曲を思い返す人も多いだろう。中華風のメロディーとサビのフレーズが印象的な主題歌「Monkey Magic」は、エレクロトニックなイントロから心を高揚させ、これから始まる冒険譚への期待を高めてくれた。全編英語詩というのも新鮮で、歌詞が分からないながらも、空耳を駆使して口ずさむ子どもたちが続出した。
軽快な主題歌と対照的に、エンディング曲の「ガンダーラ」はゆったりとしたテンポと抒情的なメロディーで、楽しい時間の終わりに一抹の寂しさを感じさせた。なお、ガンダーラは紀元前に現在のパキスタンに存在した王国で、仏教美術の発信地だったという。実在した三蔵法師も通ったとされるその国への、遠く果てしない道のりを感じさせる歌詞は、美しいメロディーと共に今も視聴者の心に刻み込まれている。
総製作費10億円を投じたエンタメ超大作
下界でも天界でも大暴れした末に、岩に封じられた孫悟空。天帝の怒りを買って天界から下界に落とされ、豚と河童に姿を変えられた猪八戒と沙悟浄。その3人が犯した罪の許しを得るため、三蔵法師のお供となってはるか遠い天竺を目指す。笑いと涙、悪党や妖怪との戦いなど、エンタメ要素がふんだんに盛り込まれた「西遊記」の面白さは、放送から40年以上経った今でも色あせることはない。
三蔵法師一行の顔ぶれのほか、大河ドラマの常連だった井上孝雄さんや往年の銀幕スター・高峰三枝子さんといった、昭和の名優があまた登場する豪華キャスティングにも驚かされる。全てが規格外の本作に投じられた総製作費は、当時としては破格の10億円。日本中に大ブームを巻き起こしたエンタメ超大作であった。
■文/帆刈理恵(スタジオエクレア)
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