転生先は動物、妖怪、男女の入れ替わり…ラノベ感覚の摩訶不思議な転生ストーリー、中国ファンタジー時代劇「七時吉祥」の見どころ

2025.04.15 18:30

圧倒的なスケール感や美麗な衣装、美男美女揃いの俳優陣など、魅力的な要素をふんだんに詰め込んだ中国時代劇。若年層をターゲットにしたポップな作品も増えており、ここで紹介する「七時吉祥(しちじきっしょう) ～エンドレス・ラブ～」もその１つ。転生×ファンタジーのラブコメディーという、日本で言えばライトノベルの鉄板ジャンルだ。2023年に本国で放送され、イケメンスター×アイドル女優というダブル主演も人気に火をつけた。BS12トゥエルビ(BS222ch※全国無料放送) で4月16日(水)からの無料放送スタートに合わせて、華流ドラマファンの注目を集める本作の魅力を紐解いていく。

7つの人生をラノベオムニバスのように楽しめる転生ストーリー

物語の舞台は天界が存在する世界。3万年前の妖魔との戦いで元神(魂)に傷を負い、記憶を失ってしまった戦神・初空(しょこう／ディン・ユーシー)は、その傷を癒すために、情愛を知るための転生修行を受けることに。男女の縁を司る仙女・祥雲(しょううん／ヤン・チャオユエ)は彼のパートナー探しを任されるが、うっかり自分と初空を赤い糸で結んでしまう。かくして初空と祥雲はパートナーとなり、下界で転生を繰り返しながら、試練の目的である夫婦の縁を紡いでいくことになる。

転生ものといえば、日本のアニメや漫画、ライトノベルではおなじみのジャンル。実は中国時代劇でも人気ジャンルの1つとなっており、とりわけラブロマンス作品は非常に人気が高い。やはり、生まれ変わっても1つの愛を貫く“純愛”や、愛し合いながらも引き裂かれた男女が来世で再び巡り会うというロマンティックな世界観が視聴者を引き付けている。

本作では、初空と祥雲が時代と場所を変えながら七度に渡る転生を経験するのだが、これがラノベ感覚でじつに面白い。最初に転生するのはまさかの人間ではなく、猪と白虎。しかも、その先には衝撃的な展開が待っている。その後も、男女が入れ替わったり妖怪になったりと、どこにどんな形で転生するのか予想もつかない転生劇にグイグイと引き込まれていく。

ヒロインの祥雲は天界の仙女だがおてんばで、失敗してもくじけない前向きな娘。寡黙で奥手な初空とは真逆ともいえる性格で、当初は衝突してばかり。転生の状況も相まってそんな2人のコミカルなやり取りに思わずほっこりさせられる。しかし、2人の距離が近づくにつれて物語はシリアスさを増し、初空と祥雲をつなぐ過去の因縁が明らかになっていく。

笑いと感動、世界観、バトル――中国時代劇の魅力を総ざらい

初空を演じるのは、大ヒット時代劇「花の都に虎(とら)われて～The Romance of Tiger and Rose～」(2020)にツンデレ若様役で主演し、日本でも注目を集めたディン・ユーシー。モデル業の経験を持つ彼は、181センチの長身にくっきりした二重まぶた、凛々しい太眉が目を引く、今が旬のイケメン俳優だ。本作ではコミカルな演技から本格アクションまで披露し、美しいルックスのみならず高い演技力でも魅了してくれる。

その相手を務めるヤン・チャオユエは、中国の人気アイドルユニット「Rocket Girls 101」出身。吸い込まれそうな瞳と猫のような愛くるしい顔立ち、艶やかな衣装が似合う抜群のスタイルが魅力だ。ユニットの活動終了後は俳優に転身し、近年は「鳳舞伝 Dance of the Phoenix」(2020)、「千紫万華～重紫に捧ぐ不滅の愛～」(2022)など、主演作が途切れない人気女優となった。

中国ドラマ界を代表する美男美女スターと、ファンタジックな本作の世界観は相性抜群。色とりどりの衣装に身を包んだ姿はまさにため息ものだ。

BS12 トゥエルビ(BS222ch※全国無料)では、4月16日(水)より「七時吉祥～エンドレス・ラブ～」(月～金曜朝7:00-7:57)の放送を開始。BSでは国内初放送となる。

旬の俳優2人が織り成す転生ストーリーに加えて、絵巻のように美しく幻想的な天界の光景、VFXやワイヤーアクションを駆使したバトルシーンも見もの。どこを切り取ってもまるで映画を観ているようで、中国時代劇ならではのスケールに圧倒されることだろう。

◆文＝帆刈理恵(スタジオエクレア)