＜あんぱん＞加瀬亮“結太郎”の退場で悲しみに暮れる朝田家阿部サダヲ“ヤムおんちゃん”の言葉と行動が「泣ける」

2025.04.05 15:55

今田美桜が主人公を務める連続テレビ小説「あんぱん」(毎週月～土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月～金曜の振り返り)。3月31日からの第1週「人間なんてさみしいね」では、ヒロイン・朝田のぶと夫・柳井嵩の幼少期が描かれている。(以下、ネタバレがあります)

漫画家・やなせたかしと小松暢夫妻が「アンパンマン」にたどり着くまで

連続テレビ小説、第112作目となる本作は「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかしと小松暢夫妻をモデルにしたオリジナル作品。

戦前、戦中、戦後と激動の時代を生きたやなせと、やなせと共に生き、彼をけん引し続けた“ハチキンおのぶ”こと暢が、あらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでの人生を描く。

主人公・朝田のぶ役を今田が、夫・柳井嵩役を北村匠海が務め、脚本は連続テレビ小説「花子とアン」(2014年)、大河ドラマ「西郷どん」(2018年)の中園ミホが担当。

第1週目の舞台は昭和初期、朝田のぶ(永瀬ゆずな)と柳井嵩(木村優来)の幼少期が描かれている。

「なんのために生まれてきたがやろう」と悲しみに暮れる朝田家

のぶの父・結太郎(加瀬亮)があの世に旅立ち、悲しみに暮れる朝田家。しかし、のぶは一粒の涙も流さず、学校にも通常通り通って見せた。

その一方、祖母・くら(浅田美代子)は、急な悲しみでご飯も喉に通らない。そして「結太郎、なんのために生まれてきたがやろう」と肩を落とすのであった。これを聞いた医者の寛(竹野内豊)は「自分の夢を必死に追い掛けた。それが結太郎の喜びやが」と励ます。

しかし、くらは変わらず、浮かない表情をしていた。

のぶを元気付けたい嵩に寛と屋村が放った言葉

嵩の言葉で、のぶ、そして嵩が父親をすでに亡くしていることを知った“ヤムおんちゃん”こと屋村(阿部サダヲ)。

嵩が「死んじゃった。家族も誰もいないところでひとりぼっちで」と言うと「たった1人で生まれて、たった1人で死んでいく、人間ってそう言うもんだ」と屋村は語るのであった。

そんなのぶを元気にしたいと悩む嵩。寛は「そればかりは医者にも治せん」「それが生きちゅうことや」「生きちゅうき悲しいがや、いつかきっと元気になって笑える日が来るがや」と優しく語ったのであった。

朝田家の笑顔を取り戻したのは……

あくる日、表情なく居間に座り込んでいたのぶは、不意に立ち上がって駅まで全力で駆けていく。息を切らせながら、電車で到着した人の波に向かって「お父ちゃん！お父ちゃん！」と呼びかけ、必死に父を探すのだった。

そこにたまたま居合わせた嵩は、のぶと結太郎の最後となった駅舎での別れを描いた絵を渡す。これを見たのぶは、やっと現状を受け入れたかのように思いっきり泣くのであった。

その後、屋村は朝田家にあんぱんを持って登場。結太郎の死以降、食事を取れずにいたくらも口にし、「結太郎にも食わせてあげたかったね」と涙を浮かべたのであった。さらに、結太郎の妻・羽多子(江口のりこ)は「ここがほかほかする気」と胸に手を当て一言。朝田家の人々は、あんぱんの力で少しだけ笑顔を取り戻したのであった。

今回の放送内容に視聴者からは「朝から泣いた」「1週目のタイトル『「人間なんてさみしいね」』を見事に回収するやむおんちゃんの言葉！」「やなせたかし先生の作詞した『手のひらを太陽に』と通ずることを感じた」など、生きる意味を自分なりに解釈する声が上がった。

◆文＝於ありさ