「パネルクイズ アタック25 Next」

「パネルクイズ アタック25」が50年もの間貫いた“変えない”というこだわり 「一般人が参加する長寿番組」という本質

2025.04.05 08:30
「パネルクイズ アタック25 Next」

2025年4月6日(日)の放送で、番組開始50年という節目を迎える長寿クイズ番組「パネルクイズ アタック25」(毎週日曜昼1:25-2:25、BS10)。1975年4月6日にABC/テレビ朝日系列でスタートし、2022年からはBSJapanext(現BS10)で「パネルクイズ アタック25 Next」となって放送。4月6日の50年記念特番から「BS10 パネルクイズ アタック25」に番組名を変更して続けられる。いまや少ない視聴者参加型の“コントロールが利かない”クイズドキュメンタリー。半世紀という長い時間を歩んできた同番組について、2019年から構成を担当している儀賀保秀氏に話を伺う。番組が変わった部分と決して変えない部分、そしてBS10への移行がもたらした大きな進化について語ってもらった。

愛される「アタック25」のクイズ作りの裏側

――まずは儀賀さんが担当されているお仕事の領域について、聞かせてください。

儀賀保秀(以下、儀賀):1994年から問題作成担当として「アタック25」チームに加わりまして、2019年からは番組全体の構成を担当するようになりました。「アタック25」で出題するクイズは問題作成担当が出してくれた案を、“問題として成立するか”をチェッカーさんが精査。そこでOKだったものを我々制作陣が本採用する…という流れです。

ここで難しいのは、出題すると決めた問題を“どういう文言で出題するか”ですね。ヒントを加える、「~ですが」とひっかけポイントを作るなど、出題の仕方で難易度や放送全体の緩急が変わってきます。

――面白いクイズの作り方は、そこから始まるのですね。

儀賀:さらに、問題を出題する順番も重要です。最初からとびきり高い難易度の問題が出てきたら、出場してくださる方も視聴者も面食らってしまう。そのため当然、難易度は段々アップしていきます。

難問を作るのは簡単なんですよ。とにかく「誰が知っているんだ」という知識を取り扱えばいい。でもそれでは出場者も視聴者も楽しくありません。番組の見どころである「アタックチャンス」に向けてじっくりクイズのレベルを上げ、「アタックチャンス」でちょうどいい難易度の問題が出せるように調整するのです。

また「アタックチャンス」は番組の最後にあるわけではないですから、その後も問題は続きます。後半に向けて段々難しくする、「アタックチャンス」ではちょっと難しい問題を…と考えるかたわら、後半にクイズのレベルがインフレを起こさないように気をつけています。

――たしかに難易度が高ければ面白いクイズかというと、そんなことはないと思います。

儀賀:出題するクイズは、視聴者さんもギリギリついてこられるレベルがいいですよね。その判定にはいつも苦労していますが、そうした裏方の汗水を視聴者さんが感じずに見てもらえたらいいなと思います。

こうした問題の作り方については、私を「アタック25」チームに引き入れてくれた高見孔二さんに教わったことも大きいです。問題作成担当のときは「自分が作った問題が採用されるのか」という目線で見ていたので、どちらかといえば視聴者さんに近い目線でした。構成を担当するようになって、いま語ったような“クイズ番組作りの難しさ”を痛感したものです。

50年で変わったこと、変えないでいること

――50年の歴史がある「アタック25」。クイズの作り方にも変遷があったのでしょうか。

儀賀:クイズの作り方自体には、大きな変化はありません。当時は地方新聞や全国区の新聞に記載された情報がメインで、昨今はインターネットで閲覧できるニュースなども情報源になっているというくらいでしょうか。ただそうしたところに出てくる情報を「どうクイズにするのか」「何を答えにするのか」といった部分は、昔から変わっていないのです。

とはいえ最近思うのは、「誰もが知っている情報」の判断が難しいということ。昔は“ヒットソング”といえば、世間の人が一様に思い浮かべるタイトルがありました。でもいまは多様化の時代。年代を問わず持っている情報には大きな差があるので、「誰もが知っている」かどうかの判定は頭を悩ませるポイントです。

それこそ若い子が昭和歌謡に詳しかったり、逆に流行していた漫画であっても世代によっては「自分は読んでいなかった」という人も。クイズ番組はドキュメンタリーで予想通りにいかないことも多いのですが、最近は特に「この年代の人なら答えやすいかも」という予測を覆されることが増えてきました。

――特定の出場者が有利になる問題を作るわけにはいかないですものね。

儀賀:我々がどのクイズを出題するかを決めるのは、10人ほどの制作陣が集まって決めています。若い人も多いので、「これ知ってる?」と確認することも多いですよ。もちろん最終的には私が責任をもって出題順と出題形式を決めるのですが、やっぱり意識しているのは出場者にとって平等かどうか。

どうしても完全に平等を実現するのは難しいですが、やはりそこは強く意識しています。各回に出場される人がどういう属性なのか、集められるカテゴリはなんなのか。たとえば先日放送した「サッカー好き大会」なら、出場者は年代も性別もバラバラということが想定できますよね。それで終盤の大事なところに特定の年代の人しか知らないような問題が出てしまうのは避けたい。先ほど話した難易度の順番もそうですが、とにかく苦労するポイントです。

――そうした部分については、MCの谷原章介さんも回しがうまい印象です。「この年代なら答えられるだろう」をバッチリ捉えた出場者にはコメントをもらったり、逆に「まさか」という属性の正解者にも視聴者と同じ目線でツッコミを入れるというか。

儀賀:谷原さんは「アタック25」ならではの問題や、出題方法に関する理解が驚くほど深いんです。「あ、これはひっかける意図の『ですが』ですよね」など、すごく制作側の意図を汲んでくださっている印象です。だから出場者の方にコメントをもらうのもお上手だなと、感心しきりです。

また谷原さんは出場者の解答を聞いて、その場で正解・不正解を判定する責任者でもある。もちろん事前に制作スタッフと密な打ち合わせをおこなうのですが、あの一瞬で正誤判定をするというのは大変な重圧を感じるはず。生放送ではないにしても、すごいことだと思います。

BS局への移行がもたらした大きな変化

――50年続いた「アタック25」ですが、一番の進化ポイントというとどこになるでしょうか。

儀賀:まず50年続いた理由は、「基本のフォーマットを変えなかったこと」だと思っています。そのため基礎の基礎は進化というか、変わっていないんですよ。ただ明らかに大きい変化は、地上波からBS放送に移って30分放送から60分放送に変わった。これは非常に大きな進化へ繋がる変化だったと思います。

30分放送では、どうしてもMCと出場者のコミュニケーションを編集で削らなければいけません。もちろんメインはクイズと解答のシーンですから。でも60分放送になったことで、谷原さんと出場者の皆さんの触れあいも織り込むことができるようになりました。

――それは大きな違いですね。

儀賀:「アタック25」はもうほとんど残っていない「一般人が出場するクイズ番組」です。であれば、出場者の個性やその場で感じている緊張と楽しさといった部分を映し出す方が面白いはず。谷原さんは30分放送のときから出場者の方と問題の合間でコミュニケーションを取っていましたが、そうした部分も余すことなく楽しんでもらえるようになったのは大きいです。

――新しい問題形式なども登場している「アタック25」ですが、定番化する基準はどこにあるのでしょうか。

儀賀:これまでも「アタック25」は新しい問題形式・出題形式に度々挑戦しています。ですが新しい形式が定番化するかについて、特に基準は定めていないのです。新しいチャレンジをしてみて、似たような問題・解答しか出せなくなったらおしまい。「答えている人たちが楽しそうか」という点はもちろん大事ですが、なにかの指標があって数字で決めているということではありません。

たとえば「数字を当てましょう」も同じでした。「アタック25」にはそれまでなかった「出場者がフリップに答えを書く」というアイデアで始まったのですが、当初そこまで長続きするとは思っていなかったというのが正直なところ。しかしいざやってみると、問題にできるアイデアがなかなか尽きない。「人気だから定番化しよう!」というよりは、「問題のパターンがどれほどあるのか」がポイントというべきでしょうか。

――50年を迎えた「アタック25」の、これから目指す形を教えてください。

儀賀:目指す形、将来像というのはたまに聞かれるのですが、なかなか言葉にしにくいですよね。そもそも「クイズ好きな人が出演したいと思う番組」であり続けるということが、非常に難しいことだと思います。一般の方が出場する番組である以上、誰も出演したくなくなってしまえば終わり。でもそこを維持し続けるのも困難です。

よく例え話として私が使うのは、「『アタック25』は“老舗の和菓子屋さん”です」というもの。皆さんのご愛顧があるからこそ続いている老舗ですね。名物は変えない、入口や門構えが急にビルになったりもしない。でも長く楽しんでもらえるように、季節ものなどでサイドの品を変えてみる…というような。

そしてそのうえで、「皆さんが飽きたら終わりで良い」とスッパリ考えています。それで良いと。求められる限りは一生懸命続けて、しがみつかない。その考え方が、逆に長寿番組として親しんでもらえている秘訣なのかもしれませんね。

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