

宮沢氷魚、「何と戦えばいいのか不透明だとすごく辛い」薬膳が導く”自分のペース”で毎日生きていくこと
NHKで4月1日からスタートするドラマ10『しあわせは食べて寝て待て』(総合毎週火曜午後10時〜)。水凪トリの漫画が原作で、桜井ユキ演じる主人公・麦巻さとこが薬膳料理と団地暮らしに癒やされ、自らを立て直していく姿を描く。このドラマでキーパーソンとなる薬膳料理が得意なミステリアスな人物・羽白司を演じるのが宮沢氷魚だ。インタビュー後編ではドラマ現場の雰囲気から、ドラマ『SHOGUN将軍』から受けた刺激と、海外挑戦への夢も明かしてくれた。
ーードラマで共演する麦巻さとこ役の桜井ユキさん、美山鈴役の加賀まりこさんの印象も教えてください。
宮沢 お2人とも初めてご一緒するお仕事なんですけれど、桜井さんはそれまではすごくクールな方だと勝手に思っていたんですが、実際にお会いしたらとてもチャーミングな方で。本当に優しくて柔らかい。普通に会話をしていても楽しいですし、自分から話しかけたくなるような存在ですね。自分の飼っている犬の話であったり、おすすめのカフェの情報とかも教えあっています。
加賀さんは、話しかけていただけることが多くて。いつも現場でメイクをしていると「司くん、おはよう」と隣に座って。そこで少し話して、またセットに入ったら話してという感じです。本当に2人ともすごく話しやすいです。
でも、この作品ではそこがすごい大事なことだと思っていて。この作品はすごく会話、セリフ量が多いんですよ。登場人物が少ないが故に、誰かがずっと喋っている。撮影も長いシーンが多いので、普通にカメラが回っていない時でもフランクに話せる関係が、作品にも絶対に生きてくると思うんです。普通に喋っている延長でお芝居をしているような空気感をみなさん出してくれています。
ーー団地を舞台にしていますし、コミュニティ感が大事な作品ですね。
宮沢 本当に。もう、それに尽きると思うんですよね。キャストはもちろん、スタッフ同士もすごく話し合ったり、キャストとスタッフもすごく話すので。ずっと誰かしら、楽しい会話をしている現場なので。だからいて苦しいとかつらいっていうことが全くない。すごく居心地がいい現場です。
特に今、団地の鈴さんの部屋や、さとこの部屋での撮影が多いんですが、普段なら段取りやテストが終わったら、みんな前室に戻ったりするんですけど、この現場は居心地がいいので、比較的みんなセットに残って話してます。食事も目の前にあるので「美味しそうだね」「ちょっと食べちゃおうか」と話したり。そういう遊び心のある、それが許される現場なので、なんかすごくいいと思います。
ーー実際に出てくる料理で何が美味しかったですか。
宮沢 薬膳じゃないんですが、すき焼きです(笑)。黒毛和牛が美味しかったんですよね。ちょうどお昼で、一番お腹が空いている時間で。あとは鶏団子のスープもすごく美味しくって。みんな優しい味なんですよね。自分の体に食べた瞬間、吸収されていくような感じがします。
宅配系の食事だと、ちょっとこう食べて残るというか、体がなんだかそれを受け付けない感じがたまにするんですけど、やっぱり薬膳は体に染み込んでいく感じがするので。こういう食事が毎日できたらなと思います。
ーー主人公のさとこは分かりやすくない、モヤっとした苦しさ、悩みを抱えていて、だからこそ、それがなかなか周囲に伝わりません。明確な不幸が大きくドカッとあるわけじゃない分、逆に難しいですよね。
宮沢 難しいと思います。明確な何か名前の付いた(さとこも病気なので)、みんなにわかりやすいものの方が、楽な面もあるかもしれない。僕も自分の身近な友達にも似たようなことを話していました。「自分が今、何と戦っているのかわからない状態が一番怖い」と。どこをどう改善すればいいのかもわからない。「モヤモヤしている時間がすごく苦しい」と話していて。
その友達が「病名を宣告されてから、すごく楽になった」と話していて。自分の問題はこれだったんだ、だったらこうしようと、自分の歩むべき道がはっきりしたと話していました。さとこの場合も、何と戦えばいいのか不透明なところで生きているのってすごく辛いと思うんですよね。その中で1つの手段として薬膳が彼女を救ってくれていて。
この本では薬膳がさとこを導いてくれますけれど、たぶん人それぞれ違うと思うんですよね。もしかしたら音楽を聞くことが救いかもしれないし、旅に出ることかもしれない。でも、その1つ、自分の心と体を結びつけてくれるものを見つけることがすごく大事なことなんだなと、この作品に出会って僕は強く感じました。
ーー宮沢さんは明確に高い目標を立ててそこに進んでいくのと、緩やかに目標は立てずに安定して生きていくのであればどちらが好みですか。
宮沢 毎日ゆっくり、何も考えずに過ごせるならそれがいいです。今回、司を演じて、彼には彼なりに悩みもあると思うんですけど、ただ、自分の興味のあるものに没頭できて、それを鈴さんと共有ができている。朝起きて「今日は何を作ろうかな」と考えたり、団地の人からお裾分けをもらって「これであの料理を作ろう」とか、色々考えてる時間がすごく幸せだと思うんですよね。毎日そういう日々を過ごせることが、たぶん一番人間の理にかなっていると思うんです。
ちょっと極端な話かもしれないですけど、人間ってそもそもそういう生き物。その日の食料を調達して、食べて、温まって、寝て、次の日を迎える。毎日生きていくことを、自分のペースでやるというのが一番自然だと思うんです。
けれど、やっぱりこの現代ではそうはいかない。やらなきゃいけないことに追われて、一日の終わりにはほとんど成し遂げられないまま寝て、次の日にはまた新しくやらなきゃいけないことが増えていて……。そういう時間も必要だとは思うんですけど、最終的に行き着きたいところは、ゆっくりご飯を作って、食べて、ぼーっとして、お風呂に入って寝て。薪を割ったり、自然と繋がって、自分の体と心と全部が繋がって、健康的な自分でいたいなとは思います。
ーーどうしてもこういう仕事をしているとインタビューで「今後の目標はなんですか?」と定型で聞きがちですけれど、目標がなくても人は生きて行ける面がありますよね。一方で宮沢さんはインタビューで何かしら海外の作品に出たいということも話していました。昨年は真田広之さんがドラマ『SHOGUN将軍』で海外で高い評価を得ました。そこは刺激になりますか。
宮沢 物凄くなりますね。ある意味、別ベクトルなんですよね。真田さんはもともと英語を後から学んで、アメリカに拠点を置いて、お芝居をやりながらプロデューサーをやったり、所作の指導もやったりと、いろいろと幅広くお仕事をされていて。一方で、僕の場合はプロデュースであったり、所作を教える知識も全くないですし。ただ、すごく大きな扉を開いてくれた気がします。
それは僕のような若い役者にとってはチャンスだと思うので、なんとかその一部になりたいというか、そのチャンスを掴みたいなって思いはあります。日本の役者や日本をベースにした作品が、海外で評価されることに関してはすごく嬉しいことですし。
僕がインタビューなどで「海外で作品を撮りたい」「海外でやってみたい」と話すもともとのきっかけは、日本人の役を日本人ではない人が演じていた作品を何作も見て、そこが悔しかったんですよ。自分が、というよりも「せっかく日本にもいい役者がいっぱいいるのに、なんでなんだ」という。
そこにはいろいろなハードル、例えば日本の業界のスタイルもあるし、英語力が不足しているという点も大きくあると思うんですけれど、そこが今、改善されつつある。
なので自分が海外作品に出たいと思った根っこの部分が今は変わりつつあるので、それだけでも僕はうれしいんです。ただ、僕は英語も話せるし、アメリカでの生活も経験があります。その経験を活かしたいという意味で今も海外の作品に出たいという目標は変わらないです。
ドラマ10 「しあわせは食べて寝て待て」【放送予定】2025年4月1日(火)スタート〈全9話〉NHK総合 毎週火曜 夜10:00~10:45
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