小野花梨“うつせみ”の背中を押した久保田紗友“松の井”の言葉に視聴者「粋だなぁ」の声＜べらぼう＞

2025.03.25 13:14

横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。3月23日に放送された第12回「俄(にわか)なる『明月余情』」では、吉原で祭りが行われる様子が描かれた。その中で浪人・新之助(井之脇海)と女郎・うつせみ(小野花梨)の恋が動いた。(以下、ネタバレを含みます)

数々の浮世絵師らを世に送り出した“江戸のメディア王”の波乱の生涯を描く

森下佳子が脚本を務める本作は、18世紀半ば、町民文化が花開き大都市へと発展した江戸を舞台に、“江戸のメディア王”にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波瀾(はらん)万丈の生涯を描く痛快エンターテインメントドラマ。

蔦重はその人生の中で喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見い出し、また日本史上最大の謎のひとつといわれる“東洲斎写楽”を世に送り出すことになる。

蔦重の幼なじみの花魁・花の井(五代目瀬川)改め瀬以役で小芝風花、蔦重に影響を与える“希代の天才”平賀源内役で安田顕、幕府“新時代”を目指す権力者・田沼意次役で渡辺謙が出演。語りを綾瀬はるかが務める。

うつせみは新之助を思い続けていた

30日間にわたって開催される俄祭りで盛り上がる吉原。若い見習い女郎たちは祭りの出し物に参加したが、その上の女郎や花魁たちは、なじみ客と祭りを見るという役目があった。祭りはあくまで吉原のためで、花魁たちは勤めがあるのだ。

そんな中、花魁・松の井(久保田紗友)は、うつせみに思い人の新之助が祭りに来るかもしれないと耳打ち。しかし、うつせみは、かつて足抜け(※脱走)に失敗して以来、新之助と会えていないことで、「もう、わっちのことなぞ、お忘れでござんしょう」と悲しげに答えた。

しかし、祭りが始まると、観衆を見間違えて「新さま」とつぶやいたうつせみ。その声を松の井は聞いていた。

「祭りに神隠しは付き物」と、うつせみに言う松の井

祭りの最終日、客に誘われて、女郎屋の大文字屋(伊藤淳史)と若木屋(本宮泰風)の出し物、雀踊りを近くで見ることになった松の井とうつせみ。促されるまま、大文字屋の小道具である笠を渡され、打掛も脱いで身軽になって茶屋を出た。

すると、うつせみの視線が新之助の姿を捉えた。うつせみが新之助を見つめていると、不意に背中をトンと押される。振り返ると松の井。「祭りに神隠しは付き物でござんす。お幸せに」と言って、自分の笠もうつせみに渡した。

通常ならば一般女性が吉原の敷地内に入るためには“切手”といわれる許可証が必要だが、祭り期間は不要。それを利用して、うつせみと新之助は、祭りの喧騒(けんそう)にまぎれ、吉原唯一の出入り口である大門に向かった。

蔦重が作った祭りの絵本に協力した戯作者の朋誠堂喜三二こと秋田藩士・平沢常富(尾美としのり)も「祭りは神様が来てるから、常には起こらないことが起こるもんでさ」と言っていた。

神様がいる祭りで起きた神隠し。視聴者からは「松の井、粋だったなぁ」「松の井姐さんカッコいい」といった声が上がった。そんな中、3月24日に更新されたドラマ公式Xの投稿で、うつせみと新之助の背景が明かされた。「新之助とうつせみが足抜けに失敗したあの日から、俄祭りの日までは実は数年経過しているという設定でした。松の井に背中を押された2人のこれからは、果たして…」とのこと。

うつせみと新之助の続きも目が離せない。

◆文＝ザテレビジョンドラマ部