ずっと全力を出せずにいた少年…友達を助けるため秘めていた怪力で暴走車に挑む話が「インパクトが強い」と話題に【漫画】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『力がめちゃくちゃ強い高校生の話。』と添えられて投稿された読切漫画『怪力』(小学館刊)を紹介する。「少年サンデー」にて連載中の『ストランド』(小学館刊、原作：NUMBER8さん)でも知られる益子リョウヘイさんが、1月25日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、11万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、原作のNUMBER8さんと作画の益子リョウヘイさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

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全力を出すことに線を引いていた少年が踏み出す時

幼いころから力が特別強かった高校生、小早川真守。子どもの頃から父親との相撲に圧勝、野球をすればバットを折ってしまうなど、特異な身体と付き合いながら過ごしてきた。そしてそういった経験から、真守が全力を出すことはなくなっていたのだった。

ある日曜日。シャーペンを買いに文具店を訪れていた真守は、ひそかに意識することが多かったクラスメイト、桂谷唄の姿を見つける。声をかけようかと考えていると、彼女は真守の幼馴染である網崎健介と話し始めた。

親しげに話す2人を見た真守は、その場を立ち去ろうと歩き始める。しかし直後に暴走車が現れ、その進路の先には唄と健介の姿が。「怪力なんて、思い込みかもしれない。」と葛藤する真守だったが、それを「知るか!!」と一蹴。そして「全力を出すなら、今だ。」と暴走車の前に立ち…。

この怪力を持った少年の物語を読んだ人たちからは、「続きが気になりすぎる読切」「描写のひとつひとつに意味がある」「好みドストライクな漫画」「インパクトが強い」「怪力を活かせる何かを見つけてほしい」など、多くのコメントが寄せられている。

重厚な物語と世界を、迫力のある作画で表現

●原作・NUMBER8さん

――本作は普通に見える高校生が実は怪力の持ち主だったという奇想天外なストーリーでした。お話の発想の源はどこだったのでしょうか？

NUMBER8：かつて運動部に所属していたんですが、部活のエースの足をマッサージしたところ、信じられないぐらい柔らかくて。その人は筋トレを一切しないデブ体型で、なのにとにかく高く飛べて。ああ、筋肉の質って生まれつきなんだなと気付いて、それでNBAを諦めました。その思いを物語にしてみました。

――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。

NUMBER8：原作者なので、漫画家さんに「時間をかけて描く意味がある」と思ってもらえる人物や物語を目指しています。読者に届いた時には、なにかフワッとした、言葉にしづらくて長く余韻が残る読後感を持ってもらいたいと思っています。

――今後の展望や目標をお教えください。

NUMBER8：長く読者の心に残る物語を作りたいです。また、先輩作家さんたちのお陰で全世界の人が漫画を読める時代になりました。自分の作品が世界中に届いて長く心に残ってくれたら最高です。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

NUMBER8：益子さんと少年サンデーで連載している「ストランド」は今時の少年誌っぽくない物語ですが、繊細で勇敢な高校生たちを益子さんが見事に表現していて、とても気に入っている作品です。多くの読者に届いて欲しいです。

●作画・益子リョウヘイさん

――漫画は静止画ですが、バスが自転車とぶつかりそうになるシーンで思わずハラハラしました。躍動感のあるシーンを描く際に意識していることはありますか？

益子：躍動感を出したいコマの時は、いつも以上にキャラや物のシルエットを意識します！今にも動きだしそうな形だったり、不安定感みたいなものをイメージして描きます。

――暴走車から友人を助けるために覚悟を決めた主人公の表情が非常に印象的でした。印象に残る場面を描くうえで大切にしていることはありますか？

益子：キャラの表情にも気をつけてますが、どういう構図・どういうカメラで撮ったシーンなのかもイメージします！先程のバスのシーンでは望遠カメラで撮ったような圧縮感をイメージして、バスと自転車が接近してる様子をより迫力もって描けるよう意識したのを覚えてます。

――今後の展望や目標をお教えください。

益子：現在連載している『ストランド』を良い作品にしていって、それがより多くの人に届いたら嬉しいです！とても魅力的な作品だと思うので、その魅力が伝わるよう日々頑張ってます。また車が好きなので、車やレースゲーム、ミニカー等に関わるようなお仕事もしてみたいなと思っています。トミカハイパーシリーズの漫画が描きたい...！

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします！

益子：いつも読んでくださる皆さん、そしてこれから作品に出会って読み始めてくれた未来の読者の皆さん、本当にありがとうございます!!皆さんの感想や反応、何より漫画を読んでくれること自体がめちゃくちゃ励みになっています。これからも皆さんに楽しんでもらえるような漫画を描いていきます！