

STU48信濃宙花、AKB48グループの垣根を超えたい「全グループが一緒にコンサートをしていた頃にまた戻ってほしい」
今月20日、STU48が東京ガーデンシアターで8周年コンサートを開催する。キャパシティは8000。瀬戸内のアイドルグループが東京の地で勝負に出るわけだ。果たしてメンバーは今、どんな気持ちでいるのだろうか? そこで、3人の立場が違うメンバーに登場してもらい、心境を聞いた。第一弾は、ドラフト3期生・信濃宙花だ。
──8周年コンサートが近づいてきました。「8周年」をどう受け止めていますか?
信濃 私は1期生オーディションに参加して、最終審査まで残っていたんですけど、あのときから8年も経っているのかという驚きがあります。あっという間でした。
──8周年コンサートの会場として発表されたのは東京ガーデンシアターと広島国際会議場フェニックスホールでした。どう思いましたか?
信濃 フェニックスホールは何度も立たせていただいている会場なので安心感があります。でも、東京ガーデンシアターにはビックリしました。私たちは瀬戸内を拠点としているグループなので、嬉しくもあり、不安な気持ちもありました。
──不安というと?
信濃 何人くらいのキャパなんだろうと聞いてみたら、8000人と知って。STU48史上最大の会場なんです。埋められるかどうか不安ですし、ファンの方から「なんで東京なの?」という声がでないかという不安もありました。
──広島の会場といえば、5周年コンサートでグリーンアリーナに立っています。
信濃 皆さんご存知のアーティストさんが立ってきたのがグリーンアリーナです。目標のひとつでもあったので、素敵な景色を見ることができました。個人的には、初めてセンターをさせていただいた『船から降りた僕たちは…』を初披露できたのがグリーンアリーナでした。大きなステージでセンターに立てる人は限られているので、すごく幸せでした。
──コンサートやイベントで東京の会場に何度も立ってきたと思いますが、広島と東京のファンの違いを感じることはありますか?
信濃 広島の方はスポーツの応援している方が多いせいか、声がめっちゃ出ています。東京の方は、数の多さを感じます。東京にはたくさんのいろんなグループがいらっしゃるから、現場をはしごする方が大勢いらっしゃいます。そういう書き込みをよく見かけるのは、アイドルが日常に溶け込んでいるからだと思いました。
──STU48のこれまでは、アイドル文化を瀬戸内に根づかせようとする8年間だったとも言えますが、その手応えは感じていますか?
信濃 瀬戸内でSTU48のことを知らない方はまだたくさんいらっしゃいます。広げていきたい気持ちはもちろん強いですけど、スポーツ文化が強すぎるんです。なので、スポーツファンの方にいかに知っていただくかがカギなのかなと思っています。甲斐心愛さんがいらしたときは、広島カープのファンの方は心愛さんのことを知っていたと思うので、そういったアプローチができたら、幅広く知っていただけるはずです。
──現状、瀬戸内と密接に関わっている仕事というと?
信濃 最近、チチヤス(本社・広島県)さんの番組提供でラジオ番組が始まりました。他にも、いくつかの番組があります。STU48が結成された当初に「ゆめタウン」さんとコラボして1期生さんがカードを出していたので、私もそのカードを買いました(笑)。
──信濃さんが思うSTU48のいいところは?
信濃 地元愛の強さです。瀬戸内以外の出身メンバーもいるんですけど、活動を続けるうちに瀬戸内7県のことがどんどん好きになっています。瀬戸内の方って温かいんです。自然もきれいで豊かです。どの食材も美味しいですし。
──そんなSTU48のことをより広めるためにはどうしたらいいと思いますか?
信濃 一番はSNSです。個々で発信を頑張っています。特に使い方が上手なのは、福田朱里さん! 天才だと思います。こうしたら見やすいとか、どんな写真なら喜んでくれるとか、めちゃくちゃ考えているんです。私も学んでいます。
──グループについてメンバーと話すことはありますか?
信濃 キャプテンの岡田あずみちゃん、唯一の同期・中村舞ちゃん、2期生の高雄さやかちゃん、吉田彩良ちゃんと話すことが多いです。公演でのパフォーマンス、来てくださったファンの方の人数などについて話しています。何が正解かわからないけど、「こうしたほうがいいんじゃないか」って。
──STU48からはここ数年で多くの卒業生が出ました。
信濃 正直、まずいなと思いました。まだいてくれるだろうという方が卒業されたので驚きましたし、これからどうなるんだろうという不安がありました。一番つらかったのは、STU48の内部で何か問題が起きているんじゃないかと考えるファンの方がいらしたことです。そういう感想がSNSに流れてきて、私も含め、メンバーもそれを見てしまうわけです。卒業してしまう悲しさとはまた違う悲しさを感じました。
もしかしたら、「推しメンが卒業したから、STU48から離れよう」という方もいらしたと思います。その頃から公演で当日券が出ることが増えました。その事実を知る度に心が苦しくなります。ただ、それはファンの方が悪いわけではありません。私たちがもっと頑張らないといけないことです。どうしたらいいのか考えて、いくら考えても、答えは出ません。悔しくてもどうすることもできないですし、過去のことを考えても何にもなりません。ただ前を向いて進むしかないんです。
──STU48がこの一年で力を入れてきたことは何ですか?
信濃 アイドルイベントや地域の企業さんのイベント、学園祭にたくさん出演させていただきました。アイドルを知らない方にアイドルという存在を知っていただけたと思います。
──STU48は昨年から東京・池袋で定期公演を始めました。
信濃 ほぼ毎回出演しています。たくさんの方に来ていただいています。これは8周年コンサートに向けて始まったんですけど、ホームである瀬戸内でももっと公演ができたらいいなと思っています。
──東京でファンが増えている実感はありますか?
信濃 あまりまだわかりません。STU48を知らない方が会いに来てくれるようになったケースはあまりないんじゃないかと思います。
──アイドルフェスに出て、他のグループのファンがSTU48のファンになるというケースは?
信濃 イベント後にSNSをみるんですけど、「かわいい」「曲がいい」「STU48いいね」という感想はよく見ます。でも、そこからが難しいんです。なかなか攻略できないゲームみたいです。
──広島で行われる8周年コンサートには、姉妹グループのNMB48とHKT48が参加してくれることになりましたね。
信濃 最初は「えっ!」という驚きでした。いろんな意見があると思います。私もてっきりSTU48単独だと思っていました。2DAYSの初日は単独ですが、2日目はNMB48さんとHKT48さんが参加してくださることになり、他のグループのみなさんと一緒になるのはコロナ禍以降ないことだったので、楽しみだなと思います。
──48グループがもう一度連携するのはアリだと思いますか?
信濃 はい!選抜総選挙やじゃんけん大会をきっかけに48グループを好きになった方もたくさんいらっしゃいますから。全グループが一緒にコンサートをすることに憧れていたメンバーもいると思います。今はそれぞれが別々に活動していますけど、全グループが参加するコンサートに参加していた私としては、あの時代にまた戻ってほしいです。
──ただ、これを契機にしてできることが増えるかもしれません。
信濃 そうですね。今回は「西日本を盛り上げよう」というのがコンセプトですから、これがひとつのきっかけになればいいと思います。海外グループとも連携をとってもいいですよね。KLP48(クアラルンプール)には心愛さん(STU48から昨年移籍)もいらっしゃいますし。そうすれば、いろいろな方の目に留まるんじゃないかな。
──ひとまずは、東京ガーデンシアターで東京のファンを取り込みたいところです。
信濃 そうですね。そうだ、AKB48さんも東京ガーデンシアターでやるんですよね? 比べられそうですけど……頑張ります!
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