いね(水野美紀)の時代考証に合わせた眉なしメークも印象的

水野美紀“いね”に「怖い」と「情がある」の反響、小芝風花“瀬川”に伝えた名跡を背負った責任<べらぼう>

2025.03.05 12:03
いね(水野美紀)の時代考証に合わせた眉なしメークも印象的

横浜流星が主演を務める大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。3月2日に放送された第9回「玉菊燈籠恋の地獄」は、視聴者から「地獄回であり神回だった」との声が上がった。花魁・瀬川(小芝風花)に蔦重(横浜)を諦める“地獄”を見せたのが、女郎屋の女将・いね(水野美紀)だ。(以下、ネタバレを含みます)

数々の浮世絵師らを世に送り出した“江戸のメディア王”の波乱の生涯を描く

森下佳子が脚本を務める本作は、18世紀半ば、町民文化が花開き大都市へと発展した江戸を舞台に、“江戸のメディア王”にまで成り上がった“蔦重”こと蔦屋重三郎の波瀾(はらん)万丈の生涯を描く痛快エンターテインメントドラマ。

蔦重はその人生の中で喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴を見い出し、また日本史上最大の謎のひとつといわれる“東洲斎写楽”を世に送り出すことになる。

蔦重の幼なじみの花魁・花の井(五代目瀬川)役で小芝風花、蔦重に影響を与える“希代の天才”平賀源内役で安田顕、幕府“新時代”を目指す権力者・田沼意次役で渡辺謙が出演。語りを綾瀬はるかが務める。

女郎屋の女将・いねが蔦重と瀬川の思いを察知する

瀬川を鳥山検校(市原隼人)が身請けする話があると聞いた蔦重は、「俺がお前を幸せにしてえの!」と瀬川に告白。年季が明けたら一緒になる約束をし、瀬川は身請けを断ることに。

花魁は相手の身分、身代金の額によらず、気の進まない身請けは断ることができる定め。また、金にはなびかないと評判がたてば「瀬川の値打ちも、ひいては、吉原の花魁の値打ちも高まると気付きんした」と、瀬川は女郎屋である松葉屋の主人・半左衛門(正名僕蔵)と女将・いね(水野美紀)に訴える。だが、いねは、間夫(情夫)ができた=蔦重だと気付いた。

おそらく瀬川の蔦重への気持ちはどこかで気付いていたのだろう。それが表に出て商売に差し障りが生じないのであればいいと、見逃していたのかもしれない。いねは「年季が明けたら“あれ”と一緒になる算段さ。せっかくよみがえった“瀬川”を、そんなしょぼいもんにされちまっていいのかい?」と半左衛門に言う。

花の井が五代目を継いだことで、吉原に客があふれた。“瀬川”はそれほどの名跡なのだ。

いねは瀬川に名跡を背負った責任を語る

監視をつけても尻尾を見せなかった瀬川に、いねは一晩に5人もの客をつけるという追い打ちをかける。身請けを断ったことで、瀬川を襲名したためにかかった金を回収しなければならないという建て前だ。

いねが蔦重とのことを気付いていると悟っている瀬川は、「もう一度、四代目瀬川を作るおつもりで?」と問い掛ける。四代目瀬川は、意に沿わぬ身請け話が元で自害したといわれる。いねは「悪いけど、私ゃ、四代目がかわいそうだなんて、毛筋ほども思っちゃいないんだよ。ありゃあ、松葉屋の大名跡を潰してくれた迷惑千万なバカ女さ」と切り捨てた。

その後、その理由を改めて瀬川に語る場面があった。「あの娘があんな死に方しなきゃ、きっと何人もの女郎が瀬川になって」いたのだと、いね。名跡を継げば、身請けされて吉原を出ていくことができるのだ。「だからあんたが、瀬川をよみがえらせたい、幸運の名跡にしたいって言ったときは、うれしかったよ」と。

「ここは不幸なところさ。けど、人生をがらりと変えるようなことが起きないわけじゃない。そういう背中を女郎に見せる務めが“瀬川”にはあるんじゃないかい? “瀬川”を背負うってのは、そういうことだと思うけどね」と続けた。

苦界といわれる吉原で女郎になったからには、自由は許されない。実は、いねはそれを誰よりも知っている。女郎屋の女将だからというだけでなく、公式サイトの人物説明によれば、いねもかつて花魁で、四代目瀬川とは同年代だった。いねは半左衛門に見初められて女将となったのだが、そうではない道の可能性もあったのだ。

蔦重に客の相手をしている瀬川を見せた半左衛門が「客をとればとるほど、命はすり減ってくもんだ。年季明けの前に逝っちまうなんてこともザラさ」と女郎、花魁の現実を言っていた。

蔦重のために名跡を継いだ瀬川。しかしその名跡ゆえに蔦重を諦めるのは、まさに「恋の地獄」だ。それでも、瀬川は吉原のため、後進のために鳥山検校の身請けを受ける決意した。

SNSには、いねに対して「怖い」という一方で、「情がある」「いねさんの言うことは正しい」「愛情も感じた」「吉原の女将らしく、めちゃくちゃ鋭く厳しいけど地獄なりにそこから抜け出せる道を考えてくれてるんだよね」という声も。蔦重と瀬川の切ない展開の中で、吉原の現実、残酷さ、そして限られた中にも幸せがあることを知らしめた、いねの存在感も大きかった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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