元日本代表・中村俊輔氏の輝かしいサッカー人生にあった数々の挫折と、それを乗り越え続けてきたサッカー愛＜NumberTV＞

2025.02.27 14:54

日本サッカー界を代表する天才レフティ・中村俊輔氏が「NumberTV」第15話に出演。中村氏の栄光と挫折、そこからの復活の物語を深く掘り下げていく。また、次回、第16話は「NumberTV」前半の総集編を配信する。

トップアスリートたちの“挫折と復活”の物語を紹介

「NumberTV」はドコモの映像配信サービス・Leminoと、数々のアスリートのドラマを伝えてきたスポーツ総合雑誌「Sports Graphic Number」(文藝春秋)との共同プロジェクトによって誕生した、Lemino独占配信のオリジナルドキュメンタリー番組。2024年7月25日から独占無料配信されている。

トップアスリートたちの輝かしい「現在」と、それに至るまでの「挫折」をアスリート本人が語るリアルドキュメントで、さまざまなスポーツジャンルの一流アスリートが登場。それぞれの「挫折と復活」の物語を深く掘り下げていく。

全24回の配信で、福士蒼汰が番組ナビゲーターを担当。クリープハイプの「インタビュー」がテーマソングに起用されている。

W杯落選の悔しさを胸に海外へ飛び立つ

2月27日から配信されている第15話には、日本随一のフリーキッカーとして知られる元プロサッカー選手・中村氏が登場。

小学生のころはプロを目指していたわけではなく、ただ純粋にサッカーが好きだったという中村氏。横浜マリノスのジュニアユースのセレクションでは、500人中10人という狭き門をくぐり抜け、エリート街道を歩み始める。だが、中学3年生のとき、全国大会を前にベンチ外という屈辱を味わい、初めて涙を流した。

この経験が大きな転機となり、自信を取り戻すために自主練を重ね、“自分と向き合う”力を身に付けていく。高校時代には、もがきながらも自分自身を再構築。挫折から学び、“自分を変えるのは自分次第”と感じて練習に励んだ。

そんな彼の心の中に“環境は関係ない。すべては自分次第”という強い信念が芽生え、その考えが徐々に実を結び、プロの世界へと足を踏み入れることになる。

横浜マリノス加入後、その才能をすぐに発揮。入団1年目からトップチームに帯同し、Jリーグ優秀新人賞に選ばれるなど、順調なスタートを切る。しかし、日本代表としての期待が高まる中、2002年のワールドカップでは代表メンバーから落選。この悔しさを胸に、彼は自分に足りないものを見つけ、“世界”で活躍するために、より高いレベルを目指して海外へ飛び立つ。

イタリアのレッジーナ、そしてスコットランドのセルティックへと移籍。そこで多くのチームタイトルを獲得し、年間MVPにも選出。その後、念願の地・スペインのエスパニョールに移籍し、苦しみながらもさらなる挑戦を続ける。どれほどの試練が待ち受けようとも、挑戦し続けるその姿勢は、まさに“中村俊輔”そのものだった。

もう1つの挫折地点は、2010年の南アフリカワールドカップでのスタメン落ち。海外で成功を収め、日本代表の中心選手として活躍してきた彼にとって、ベンチに座ることは予想以上の精神的ダメージとなる。“俺はもうないな”と感じるほどの辛さを味わったが、そんな中でも黙々と居残り練習を続け、無心でボールを蹴り続けた中村氏。

チームはベスト16に進出するが、中村氏自身はわずか26分の出場。その後、日本代表から引退を決意したが、そこから復活が始まる。代表引退後は、横浜F・マリノスで2度目のJリーグMVPを獲得。さらに、ジュビロ磐田、横浜FCでプレーし、2022年に44歳で現役を引退する。

現役引退後、指導者としての道を歩み始めた中村氏。横浜FCのコーチとして後進の育成に力を注ぎながら、選手時代の経験を生かして指導に取り組んでいる。“選手が学べるような指導者になりたい”という思いを胸に、日々成長し続け、その姿勢には選手時代と変わらぬ貪欲さが宿る。

華麗なプレーの半面、逆境や挫折をバネに飛躍してきた姿は、多くの人たちに勇気を与えてくれるだろう。