死んだヤクザが出産中の妊婦に転生！？初めての育児に巻き込まれてしまう漫画に「育児の解像度が高い」「全ママとパパに読んでほしい」などの声【作者インタビュー】

コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、サイコミで連載中の『ごくまま～極道だったオレがママになった話～』(原作：頼乃ありさん、作画：sonnoさん)より、第1話 をピックアップ。

• 【漫画】死んだと思ったヤクザが目覚めると、壮絶な分娩中の妊婦の体になっていた…「新しい視点」「おかんは偉大だ」など反響の声
• 【漫画】“デブ”といじめられていた男の子と、守ってくれた幼馴染…4年ぶりの再会を描いた漫画が「青春だー!!」「尊い」と話題
• 【漫画】マッドサイエンティストかと思いきや…。見た目と優しさのギャップがすごい1コマ漫画が「泣ける」「優しい世界」と話題

原作者の頼乃ありさんが1月18日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、3,500件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、頼乃ありさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

目覚めるとヤクザから妊婦に転生していた…

突然銃で撃たれて死んでしまった、ヤクザの構成員・牛丸銀太(うしまる　ぎんた)。激痛で目覚めると病院のベッドの上で、周囲を助産師さんに囲まれ、なぜか今まさに出産中の妊婦・小鳩千夏(こばとちか)になっていた。

わけもわからず出産を乗り越え、なんとか元気な男の子を産んだ銀太。混乱の中、見知らぬ千夏の身体に入ってしまったこと、シングルマザーであること、出産中に一度心臓が止まったことを知る。

おなかの中でずっと一緒にいた子どもに会えないまま、どこかへ消えてしまった千夏の境遇を想った銀太は、彼女の代わりに赤ちゃんを育て、守る決意をする。そんな銀太を待ち受けていたのは、出産後の股と母乳マッサージの痛み、そして涙と笑いとトラブルに満ちた「子育て」の日々だった。

作品を読んだ読者からは「出産のこと思い出して泣けてくる」「子育てしてる全ママ、全パパがんばれ」など、反響の声が多く寄せられている。

原作者・頼乃ありさん「子育てのあるあるだけでなく、エンターテイメントとしても楽しめる作品」

――『ごくまま～極道だったオレがママになった話～』は、どのようにして生まれた作品ですか？きっかけや理由などをお教えください。

子育て漫画の原作をやってみませんか？と担当さんにお声がけ頂いたことがきっかけでした。妊娠・出産・育児は当事者でなければわからない苦労がたくさんあるので、ママたちはみんな一度くらい「パパも一回産んでみればいいのに！」と考えたことがあると思うんです。私もその中のひとりだったので「よし！　男に赤ちゃん産んでもらおう！　屈強なヤクザがジタバタしてたら大変さも伝わるだろう！」と少々の悪ノリを交えながらストーリーを転がしていきました。結果『撃たれて死んだヤクザが妊婦に転生する』というコントみたいな冒頭が完成し、転生モノなのに弱くてニューゲームをやらされる『牛丸銀太』というキャラクターが誕生しました。

――今作を書くうえで、心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。

子育ての大変さを描くとき、愚痴に見えてしまわないように気をつけています。物事の大変な側面を描こうとすると、ついネガティブな表現が増えてしまいますが、そればかりだと楽しくないので。お母さんたちは疲労困憊しながらも「子が珍妙なポーズで寝ていた」とか「奇妙な日本語を作り出した」とか、今しか見つけられない面白い事を集めて、宝物みたいに抱きしめながら日々を乗り切っています。大変なことは笑い飛ばし、次のトラブルを迎え撃つ、ママたちのマインドはこの作品に込めたいと思っています。

――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

この作品は妊婦に転生してしまったヤクザ「牛丸銀太」の物語なのですが、ゼロからスタートする転生モノとは違い、転生先である「小鳩千夏」という女性にはすでにこれまでの人生があります。2話で千夏が我が子のために用意していた名前が明らかになるのですが、お腹の中の赤ちゃんへの想いを、ネームと作画を担当しているsonnoさんのおふたりが、とても純粋で優しいシーンとして描いてくれました。読者のみなさんも「泣きました」とたくさんコメントを下さったので、是非そのエピソードをご覧になっていただきたいと思います。

――普段お話を書かれる際、どういったところからストーリーやキャラクターの着想を得られることが多いですか？

人の感情が動いたり揺らいだりする瞬間に立ち会ったとき、物語を思いつくことが多いと思います。ここ10年くらいはずっと子供を取り巻く人達と関わり続けてきたので、お母さんたちが悩んだり変わったり成長したりする姿をいつも眩しく眺めていました。大人になると考え方が根幹から変わるような体験はなかなかないはずなのですが、子育ては子も親もアップデートの連続なので。この人たちを書いてみたいな、と思う瞬間がたくさんあったと思います。

――頼乃ありさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。

子育てのあるあるだけでなく、エンターテイメントとしても楽しめる作品になっていると思うので、たくさんの人に読んでいただいて「ママたち毎日頑張ってるな」「子育ておもしろそうだな」と思って頂ければ嬉しいです。そして現在子育て真っ最中のママにとって、この作品が週に一度「お互い大変だよねー」と声を掛け合うママ友のような存在になれればいいなと思っています。

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

『ごくまま』は育児のリアルをお届けする漫画でもあるのですが、ヤクザが妊婦に転生するというファンタジー要素がある作品でもあります。銀太がどうして千夏になってしまったのか？　今のところ謎は謎のまま、子育てに追われる日々が描かれておりますが、２人の人生が重なり合ったのはただの偶然ではありません。母として成長していく銀太を見守りつつ、謎が解ける日も楽しみに待っていていただけると嬉しいです。