客席を回りながら甘い歌声でファンを魅了するイ・ジェフン

日本ファンミーティングがテレビ初放送となる俳優、イ・ジェフンを深堀り “ファンサービスの神”と呼ばれる理由

2025.02.19 18:00
客席を回りながら甘い歌声でファンを魅了するイ・ジェフン

「復讐代行人~模範タクシー~」シリーズや日本でもリメイクされた「シグナル」など、数々の大ヒット韓国ドラマに主演しているイ・ジェフン。彼は、ファンには周知の事実だが、とにかくファン想いで有名な俳優の1人だ。そんな彼の2024年11月に行われた日本ファンミーティング「2024 LEE JEHOON FANMEETING in JAPAN『JEHOON's Favorite』」の模様が、2月22日(土)に衛星劇場にて初放送となる。さらに「イ・ジェフンSP」と題して、彼がアナキストの朴烈を演じた映画「金子文子と朴烈」をテレビ初放送する他、トロット歌手、キム・ホジュンの実話をベースにした映画「パパロッティ」、そしてゲストで登場した「田代親世の韓流総決算2024」も放送。このコラムでは、ファンミーティングの様子と共に、“俳優、イ・ジェフン”についてじっくり解説する。

「少しでも近くに」と、客席から登場

日本でのファンミーティングは、2023年に続き2度目。東京と大阪で昼夜2公演ずつ開催された。ファンたちが彼の登場を待ちわびる中、何と会場の後方の扉から登場! 少しでも近くでファンと触れ合いたい、との想いから、イ・ジェフン自ら提案したそうだ。そして、客席を回りながらgeorgeの楽曲「all day」を甘くやさしい歌声で披露。曲のラストでは、日本語で「愛してる」と言って頭上でハートを作り、オープニングからファンの心をガッチリ掴んだ。

歌い終わると、「こんにちは。イ・ジェフンです。お元気でしたか?」ときれいな発音の日本語で挨拶。そして「皆さんとこのようにまた東京で会えて、本当にとても嬉しいです。本当に早く(日本に)来たくて、この日を待ちわびていました。こうして皆さんと近くで会えて、いつにも増して本当に胸がドキドキして幸せな瞬間です」と、ファンへの愛情を表した。

トークコーナーでは、夏にドラマ(3月より韓国で放送開始の「交渉の技術」)の撮影で2週間ほど静岡に滞在していた事を告げ、ファンはビックリ。ホテルにジムが無くて街のジムを利用していた事などのエピソードを語った。

続いての質問コーナーでは、質問が選ばれたファンに、彼が30年以上毎日必ず1つは食べるほど大好きなリンゴにメッセージを書いてプレゼント。質問だけではなく、「筋肉を見せて」とのお願いにも「今はあんまり無いんだけど…」と言いながらも腕の筋肉を披露して応えていた。他にも、「一生幸せにします」「こっちにおいで」などのロマンティックなセリフを客席に降りてファンの近くで囁いて、ファンをメロメロにさせたり…と、終始“ファンサの神”と言われるだけある大サービスだった。

「ハート製造機」と呼ばれるイ・ジェフン

彼は、自分を大切に想ってくれるファンが居るからこそ俳優として存在できている、と心から感謝しており、時間を割いて自分に会いに来てくれたファンをどうしたらもっと楽しませられるだろうか…と考えて、毎回、精いっぱい準備するのだそう。

韓国では兵役中とコロナ禍以外、毎年ファンミーティングを開催しており、最近は公演終了後も3時間近くファンと交流して話題となった。その理由として「一人一人を覚えたくて、握手して自撮りして挨拶したかったんです。公演時間より長くなる事もあって、ファンも慌てたかもしれません。でも、感謝の気持ちは今後も変わらないと思います」と語っている。日本では警備やその他の事情で、ハイタッチで見送りとなったが、ファンへの想いは同じだ。

また、“ハート製造機”や“ハート中毒者”とも呼ばれ、手指を駆使してあらゆるパターンのハートを四六時中連発している。愛情を表現するのに言葉だけでは限界があるので、体でも表現するようになったそうだが、ファンに対してはもちろん、撮影中も「カット」がかかったタイミングでもカメラに向かってハートポーズをしているそうだ。

「韓国3大大学」に入学するも…

イ・ジェフンは1984年生まれで現在40歳。実家から歩いてすぐの所にレンタルビデオ店があり、中学生の頃は必ず1日1本は見るほど映画にハマっていたそう。見るのはほとんどが韓国映画で、次第に俳優への夢が膨らんでいった。

演劇映画科のある大学に行きたかったが、家族に反対され断念。「韓国3大大学」の1つである高麗大学の生命工学科に入学した。だが俳優の夢を諦められず、中退した後、劇団に入り主役を獲得。だが、うわべだけの演技をしていたせいで、公演期間の途中で降ろされるという大ショックな出来事が。この事が今の自分を作る土壌となった、と後にインタビューで語っている。悩みに悩んで自問自答を繰り返した結果「やっぱり演技がしたい」と思い、本格的に学ぶ為に25歳で韓国芸術総合学校に入学した。

新人賞の候補は、イ・ジェフン vs イ・ジェフン!?

在学中に声をかけられて芸能事務所に所属。2006年に短編映画でデビューした後、2011年に映画「BLEAK NIGHT 番人」で主演。父子家庭で育った為、愛に飢えていて愛され方もわからず、関心を引きたくて起こす行動が逆に相手を傷つけている事にも気付かない、不良高校生・ギテを好演した。最初はただのワンマンな不良に思えるが、ストーリーが進むうちに彼が抱えている寂しさや素直に愛情を示せない幼さが見えてきて、観客をとてもせつない気持ちにさせる繊細な演技は必見だ。この作品での彼の演技に衝撃を受けたと語る俳優はチョン・ヘイン、イ・ドンフィ、ユン・ギュンサンなど数多く、現在もオーディションでこの作品の一場面を演じる新人や俳優志望者も多い。

そして同年、映画「高地戦」にも出演。朝鮮戦争時の南北境界線付近の高地を舞台にした本作で、イ・ジェフンは過去の闘いでのトラウマから逃れる為にモルヒネが手放せず、苦しみを抱える若き大尉・イリョンを熱演。シン・ハギュンやコ・スなどのベテラン俳優と堂々と渡り合った。

この2作品の好演で、彼は2011年の各映画祭の新人賞を総ナメ。「第48回 大鐘賞」では、「~番人」のイ・ジェフンと「高地戦」のイ・ジェフンが新人賞を争う珍しい状況になった(結果、「~番人」で受賞)。

翌年2012年には、韓国恋愛映画のスタンダードとなった映画「建築学概論」で、主人公・スンミンの大学生時代を演じて観客の女性たちをキュンキュンさせ、初恋のアイコンとなった。本作は、彼がオーディションを受けずにキャスティングされた初の作品でもある。

その後兵役に行き、2014年の除隊後すぐに韓国では有名な“米びつ事件”をテーマにした時代劇「秘密の扉」に思悼世子役で主演。その年の「SBS演技大賞」の長編ドラマ最優秀演技賞を受賞した。

そして2016年、刑事ドラマ「シグナル」にプロファイラー、パク・ヘヨン役で主演。偶然手に入れた無線機が過去と繋がり、過去の持ち主だった刑事と対話しながら未解決事件の捜査とその背後に隠された真実に迫っていくストーリーで、韓国だけでなく世界中で大ヒットし、日本でも坂口健太郎主演でリメイク。イ・ジェフンを一気に“ワールド韓流スター”に押し上げた作品となった。

大ヒットでシリーズ化した「復讐代行人~模範タクシー~」

以降、ロマンス物から社会派までジャンルレスに映画やドラマに出演し、2021年に「復讐代行人~模範タクシー~」に、表向きはタクシー運転手だが無念を抱える人々からの復讐以来を請け負う“闇の仕置き人”・ドギ役で主演。時にはコミカルさも加えた徹底した勧善懲悪で、視聴者から“サイダードラマ”(スカッと爽快な気持ちになるドラマ)として絶大な支持を受けシリーズ化。2023年には「2」が放送され、最高視聴率は前作の16%を軽く超えて20%以上を獲得。「SBS演技大賞 2023」で初の“大賞”を受賞し、名実ともに彼の代表作となった。

ストーリーの痛快さはもちろんだが、ドギがターゲットをハメる為に毎回演じるサブキャラもこのドラマの人気の要因。ある時は気の利かない田舎者のトラック運転手、ある時は女ボスを骨抜きにするナゾの中国人“ワン・ダオジー”…と変幻自在で、イ・ジェフンの演技の幅を堪能できる。

普段、彼は演じる際、その役の生い立ちや価値観、作品には出てこない過去の出来事まで深く掘り下げて準備をするが、「模範タクシー」のサブキャラについては「ただやってみよう、楽しく遊んでみよう」と思ったそう。その為、今までとは違う自分に驚いた事もあったんだとか。俳優としての幅広さを短期間で見せられて楽しかった反面、演技の難しさや限界も感じたそうで、「もっと上手くなる為に勉強しなければ」と痛感したとの事だ。

イ・ジェフンは「自分に特別な才能があるとは思わない」と言う。そんな自分がここまで来られたのは奇跡で、「自分の使命は一つ一つ丁寧に演技する事だ」と。「毎瞬間もっと上手になりたいし、もっと良い評価を得たい愛されたい気持ちと共に、演技に対する欲と情熱もますます大きくなるようです。このような情熱を歳を取ってもずっと維持してみたい」と語る彼。イ・ジェフンから演技は切り離せないようだ。特に趣味はなく、休みの日も映画やドラマを見ていて、それが一番幸せなんだそう。そして、作品や俳優の演技に刺激を受けて情熱の炎が更に大きくなるようだ。

映画製作会社、芸能事務所を設立

映画への情熱は中学生の頃から大きくなるばかりで、2019年には旧知の監督とプロデューサーと共同で映画製作会社「HARD CUT」を設立。2021年には、オムニバス映画「UNFRAMED/アンフレーム」を製作し、その中の一編「ブルーハピネス」(主演:チョン・ヘイン)で、脚本と監督を務めた。いつか長編映画を作りたい夢もあり、シナリオもいくつも書き溜めているようだ。そして、10年以内に小さくてもいいから映画館を作りたいという目標もあり、収益は問わずに一生維持できる環境を作りたいとの事。「完成した暁には、たくさん見に来てほしい」と夢を語っている。

また、2021年には芸能事務所「COMPANY ON」を設立。芸能プロダクションの代表となり、有望な俳優を見るとスカウトしたくなるそうだ。現在、ドラマ「捜査班長1958」でも共演したイ・ドンフィが所属している。ちなみにこの「捜査班長 1958」も大ヒットし、イ・ジェフンは「2024 MBC演技大賞」で“ミニシリーズ部門 男性最優秀演技賞”を受賞した。

2025年は、3月から新ドラマ「交渉の技術」が放送開始。企業M&Aがテーマで、イ・ジェフンは銀髪にメガネ姿で伝説の交渉人を演じる。そして、「模範タクシー 3」「シグナル2」と待望の続編も次々に放送が確定している(全て韓国基準)。

このように多忙を極めるイ・ジェフン。「そろそろロマンスものがやりたい」との願いが叶うのは、まだまだ先になりそうだ。

◆文=鳥居美保

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