フットボールアワー後藤輝基、オーディション参加者にエール「下積み時代に食べる飯を味わって」＜ミスタートロットジャパン＞

2025.02.18 20:00

韓国のサバイバルオーディション番組「明日はミスター・トロット」の日本版「ミスタートロットジャパン」が開催中。次世代の実力派男性ボーカリストたちが、優勝を目指して競い合う姿が、2月19日(水)よりLeminoで配信される。WEBザテレビジョンでは、同番組のメインMCを務める後藤輝基(フットボールアワー)に話を聞き、大会の印象や、自身の経験に基づいて参加者にエールを送ってもらった。

「トロット」は、韓国の伝統的な曲調にのせて、家族や男女の情愛を歌い上げる音楽ジャンルの一つ。韓国ではK-POPと人気を二分する音楽ジャンルとなっている。日本版では「懐メロ」をテーマに、挑戦者たちがジャンルごとに7つのグループに分かれ、序盤ではグループパフォーマンスで本選を勝ち上がっていく。

「想像以上にとんでもないことになっているなと」

――メインMCとしてここまで大会を見守ってこられて率直な感想を教えてください。

「ミスタートロットジャパン」はもちろんすごい大会なんだろうなと思っていましたが、やっぱり規模の大きさ、派手さ、出場者の真剣さっていうのは、当日現場に来て、想像以上にとんでもないことになっているなと思いました。

――審査員の方々の印象もお聞かせください。

ホンマにこの人たちの人生が懸かっているんだなと思って、真剣に厳しく審査してくれているなと思います。変に甘くして通過したところで相手のためにならないという思いは垣間見えるし、厳しいところは厳しく、別に歌をやめさせようと思っているわけではないので、今回の大会に関してはご縁がなかったということを、はっきり厳しく審査してくれている印象です。

――後藤さん自身も「M-1グランプリ2003」で優勝していますが、大舞台で緊張しないための秘訣(ひけつ)などはありますか？

とにかく舞台に立つことです。舞台に立つまで緊張はとれないので、その日舞台に立ってお客さんの笑い声を聞いて、やっとリラックスできるかな。今も昔も変わらず全員そうだと思います。ただ僕は、その日(M-1決勝)だけでタバコを1カートン吸いましたね。火葬場より煙出していましたから。

後藤の“懐メロ”の思い出とは

――トロットは世代を超えて愛される昭和・平成の「懐メロ」ということですが、後藤さんにとっての「懐メロ」の思い出などはありますか？

印象に残っているのは、僕の家族は音楽が好きで、よく親父の部屋から石原裕次郎さんの曲が流れてきて、たまに自分で弾いたギターで裕次郎さんの曲を歌っていました。母はジュリー(沢田研二)や安全地帯が好きで、ジュリーの下敷きを台所の食器棚に立てかけて料理しながらずっと眺めていましたし、僕はアニメが見たいのに姉が歌番組に変える、そんな家でしたね。

――近年はさまざまなオーディション番組・企画がありますが、他のオーディション番組と比較した際に、「ミスタートロットジャパン」の魅力をどう思われますか？

これが人生を懸けて戦う最後のオーディション、これを失敗したら歌をやめてしまうかもしれない人たちがいて、それが明確に伝わってくるところだと思います。僕は進行という役割ですけど、審査員の方はやっぱり出場している人のことを考えて涙する人もいますし、厳しい結果をつけたけど、アドバイスを収録関係なしに延々と言う人もいます。その熱が見ていてすごく伝わってきますね。

――ご自身の下積み時代を振り返って、同じようにこれから夢をつかもうとしている出演者の方たちにエールをお願いします。

ジャンルが違い過ぎるので一言で言えることはないですけど、何がどうなるか分からんから諦めずに、皆さんがテレビで見ている芸人のほとんどが下積み時代に味気ない飯を食べてきましたから。それが糧になるかどうか分からないですけど、今食べてるその味気ない飯を思う存分味わってほしいと思います。

お金が入るようになったら、そういう思い出は作れなくなるので、つらいときの思い出をしっかり増やしておいてほしいなと思いますね。というのも、成功した後はホンマにそのときのことしか思い出さないです。ある程度飯が食えるようになったときの記憶は残らないです。今の下積み時代に食べる飯を思う存分味わってください。

◆取材・文・撮影：永田正雄