半龍半人から揺るがない愛を伝えられた堅物当主、種族を超えて通じ合う愛の物語に「素敵な絵とお話」「これは良い異類婚姻譚」の声【作者インタビュー】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス刊)2025年1月号に掲載された読み切り、『龍の花嫁 虎の婿』を紹介する。『婚約者は吸血鬼～冷血侯爵とひみつの結婚～』(BookLive刊)などで知られる作者の瑠夏子さんが、1月3日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、6000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、瑠夏子さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

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貧乏貴族が多額の小切手の返礼に求められたのは婿入りすること

貴族である蓼宮正虎の家は、先代である父が作った借金によって苦境に立たされていた。そんなある日、竜胆瀧という人物からものすごい金額の小切手が届く。ありがたくはあるが、理由もなく大金を受け取るわけにはいかないと考えた正虎。そこで直接瀧のもとを訪れ、断ることを決めるのだった。

しかし相手は名家として有名な竜胆家。覚悟して臨んだ正虎は「人の情に頼りません。ましてや理由なく借金を肩代わりをしていただくなど…」と断るのだが、事態は想像をはるかに超えていた。いわく“半龍半人”の瀧は、以前どこかで結んだ縁によって正虎に強い想いを寄せているという。興奮すると大きな龍へ変貌する瀧と、好かれるに至った縁を覚えていない正虎。困惑しきりの彼に、それでも瀧は構わず純度100％の好意をぶつけてくる。

楽しそうな瀧にいつしか心が揺れるのを感じる正虎。しかし翌日、瀧に門の前へと呼び出された正虎は屋敷から出されることに。そこで瀧は「屋敷から出れば屋敷のことは全て忘れる。そういう仕組みなんです」という屋敷の秘密と、彼女が抱えていた事情を明かす…。

この種族と時間、記憶を超えた恋愛漫画を読んだ人たちからは、「素敵な絵とお話」「こういうお話永遠に読んでたい」「これは良い異類婚姻譚」「幸せになってくれ…」など、多くのコメントが寄せられている。

表情で伝わる、登場人物たちの感情の大きさ

――借金を肩代わりしたお返しに結婚をお願いし、さらに結婚相手の少女の正体が龍であるという奇想天外なストーリーに新鮮味を感じました。お話の発想の源はどこだったのでしょうか?

『龍の花嫁 虎の婿』というタイトルを先に思いついていて、そこから膨らませて考えました。人間ではない女の子とのラブストーリーを描きたかったので、ヒロインの瀧は思い切って大きな龍に変身するという設定にしました。

――普段は人間の姿の少女が、恥ずかしいと龍の姿になってしまうシーンが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

何気ない時のキャラクターのちょっとした動きや表情を見ていただければ嬉しいです。瀧や正虎はもちろん、屋敷の妖たちや、瀧に捕まった鳥などサブキャラたちも、背後で色々遊んでいるのでぜひ細かく見てみてください！

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

正虎が瀧のことを思い出して涙するシーンが気に入っています。台詞のない絵だけのシーンなのですが、自分でも描きながら「正虎は瀧をこんなにも想っていたんだな」と実感するシーンでした。

――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えてください。

色々ありますが、わかりやすさには特に気を付けています。わかってもらうことが面白さの第一歩だと考えています。あとはキャラクターがいきいきと動いているかどうかでしょうか。

――お互いのために愛する人と離れる決意をした少女の表情に心を揺さぶられました。喜怒哀楽をはっきり表現するうえで大切にしていることをお教えください。

キャラクターの表情を大切にしています。パターン化して描くのではなく、そのシーンにぴったりくる表情が描けるまで、眉毛の位置や目の開け方など微調整を繰り返しています。

――今後の展望や目標をお教えください。

現在進行中の連載や読み切りの制作も引き続き頑張りつつ、内容を問わず幅広く、よりよい作品を描けるようになっていきたいです。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

これからも楽しい作品をお届けできるようがんばります！これまでの作品もこれからの作品も引き続き楽しんでいただければ嬉しいです。