名優・滝田栄ふんする清河八郎ら幕末の偉人が登場、胸踊るストーリーを楽しめる「必殺スペシャル」5作品を一挙放送

2025.02.07 07:00

藤田まことさん演じる中村主水ら、人々の恨みを晴らす“仕事人”の活躍を描いた「必殺」シリーズ。「必殺仕事人」をはじめ、「必殺仕掛人」「必殺仕置人」などさまざまなタイトルが制作される人気作だが、ＢＳ松竹東急(全番組無料放送・260ch)では「必殺スペシャル＆劇場版 23作怒涛の大特集!!」と題して、2カ月にわたり同シリーズのTVスペシャルと劇場版あわせて23作を放送中。本記事では、2月10日(月)～2月14日(金)にかけて放送される5作品のあらすじや見どころを紹介していく。

清河八郎や勝麟太郎(勝海舟)が登場する「必殺スペシャル・新春大暴れ仕事人！横浜異人屋敷の決闘」

2月10日(月)夜8時からは、「必殺スペシャル・新春大暴れ仕事人！横浜異人屋敷の決闘」(1990年)を放送。

舞台は江戸時代末期。生と死が隣り合わせの激動の時代の煽りを食らって、“金で恨みを晴らす”ことが必要なくなった結果、仕事人のような裏稼業は廃業に追い込まれていた。幕府では、清河八郎(滝田栄)を中心に荒くれた浪士を集め“浪士隊”を結成する。

表稼業に戻ろうと腹を括った主水(藤田さん)だったが、突然奉行所をクビになってしまう。しかしそれは“表向き”のクビ。実は主水は清河の内偵のために、50両で“浪士隊”への潜入捜査を命じられたのだった。

清河の命令で人集めが必要になった主水は、かつての仕事人仲間である朝吉(片岡孝夫／現・片岡仁左衛門)に声をかける。ところが朝吉からは「清河には気を付けろ」と意外な助言が。どうやら清河が“浪士隊”を率いるのには別の思惑があるようで…。

本作では、時代劇で人気の“幕末期”を舞台に、伊藤敏孝演じる近藤勇や、元東京都知事の舛添要一演じる勝麟太郎(勝海舟)など、歴史上の人物が登場。史実に即す物語によって、歴史好きも楽しめる作品に仕上がっている。

中でも清河は、のちの新撰組の母体となった浪士隊を結成するなど、史実をなぞりながらも物語のキーパーソンとして描かれている。そんな清河をスマートに、そして熱く演じる滝田の演技にも注目だ。

さらに、主水をはじめ鍛冶屋の政(村上弘明)、何でも屋の加代(鮎川いずみ)らお馴染みの仕事人たちが、歴史上の人物や出来事にどう関わっていくのかも大きな見どころとなる。

江戸時代に暗躍する悪徳商人に立ち向かう「必殺スペシャル・春勢ぞろい仕事人！春雨じゃ、悪人退治」

2月11日(火)夜8時からは、米の相場に踊らされる江戸で、悪徳商人が暗躍する「必殺スペシャル・春勢ぞろい仕事人！春雨じゃ、悪人退治」(1990年)を放送。ある日、主水は朝湯の湯屋で十手を盗まれてしまう。うなぎ屋の市兵衛から“十手をかざし、ツケでうなぎを食べた”という男の話を耳にして――。

本作では、天候不順などで米の値段が乱高下する中で儲けを企む悪徳商人たちに、主水ら仕事人が鉄槌を下す。“お金”をテーマに巻き起こる騒動がコミカルに描かれており、笑福亭鶴瓶、前田吟、近藤正臣ら豪華ゲスト俳優が出演している点も見どころとなっている。

2月12日(水)夜8時からは、仕事人を抹殺したい南町奉行と仕事人が激突し、仕事人が危機一髪に陥る「必殺スペシャル・秋！仕事人vsオール江戸警察」(1990年)を放送。天保の改革を推し進める老中・水野忠邦は、倹約令を次々と発令し、市民の生活を圧迫していた。人々から恐れられている南町奉行の鳥居耀蔵は取り締まりをおこなうが、その御触書には“闇の稼業を禁ず”という文言があって――。罠とからくりに翻弄される仕事人たちの壮絶な戦いは迫力満点だ。

せんとりつが誘拐…中村家にピンチが訪れる「必殺スペシャル・新春せん・りつ誘拐される主水どうする？江戸政界の黒幕」

2月13日(木)夜8時からは、主水と秀(三田村邦彦)、そしてその子孫たちが江戸時代と現代を交錯する「世にも不思議な大仕事主水と秀香港・マカオで大あばれ」(1991年)を放送。長崎でセシリア(中川安奈)という外国人女性からマカオのディアロ総督の殺害を依頼された主水と秀。その後連れ去られてしまったセシリアを追っているうちに、2人は停泊していたポルトガル船に行き着く。しかし、敵に追いつめられて海に転落してしまい――。

本作は、マカオ総督を追って江戸・長崎、香港・マカオと、江戸時代と現代を行き来しながらの仇討譚となっている。主水の子孫・中村誠や、秀の子孫・田村秀夫も登場し、マカオの華やかな観光名所も映し出される。

そして2月14日(金)夜8時からは、山城新伍、美保純、丹波哲郎らがゲスト出演する「必殺スペシャル・新春せん・りつ誘拐される主水どうする？江戸政界の黒幕」(1992年)を放送。主水一家が新年早々覇権争いに巻き込まれる本作。新年を迎え、初詣に出向いていた主水一家。神社の境内で丑寅の辰を見つけた主水が目を離した隙に、姑のせんと妻のりつが姿を消してしまう。翌朝、主水のもとに届いた書状には、「ふたりの命が惜しくば老中脇坂美濃守を十日以内に仕留めよ」とあり――。

その後主水は、老中首座の職を狙っている2人の老中と、息子をその座につかせようと暗躍する幕閣の陰の実力者との覇権争いに巻き込まれていく。主水にとって弱点であるせんとりつが巻き込まれたことで、仕事人たちの運命がどのように変わっていくのか注目したい。