“司法取引”で事件を効率的に解決…新しいタイプのクライム・サスペンス「MAJOR CRIMES ～重大犯罪課」の魅力に迫る

2025.02.05 18:00

人気海外ドラマ「クローザー」のスピンオフ作品として製作され、お馴染みのメンバーたちも登場する刑事ドラマ「MAJOR CRIMES ～重大犯罪課」。重大犯罪課の新たなチーフとなったレイダー警部（メアリー・マクドネル）が、司法取引によって事件を効率的に解決していく本格クライム・サスペンスだ。今回は、そんな本作のあらすじや見どころを紹介していく。

ブレンダに代わり、レイダー警部が司法取引で事件を解決

キーラ・セジウィックが主演を務め、エミー賞主演女優賞やゴールデン・グローブ主演女優賞を受賞した人気シリーズ「クローザー」。2012年には、スピンオフ・シリーズとして「MAJOR CRIMES ～重大犯罪課」の放送がスタートした。製作陣や主要キャストはそのままに、本作は「クローザー」最終話直後のエピソードとして展開していく。

最終話でキーラ演じるブレンダがロス市警の重大犯罪課を去ることとなり、メアリー演じるレイダー警部がチームを率いることに。しかし、重大犯罪課のメンバーはもともと内務調査を担当してきたレイダーに反発。さらに、ブレンダが得意としていた自白を引き出す捜査方式に力を注いでいたメンバーは、“司法取引による犯人逮捕の効率化”という課の新たな方針に難色を示す――。

そんな本作では、登場人物に加え、撮影や編集も本家「クローザー」とほとんど同じ手法で行われた。一方、本作では“容疑者から自白を引き出す”のではなく、容疑者と交渉を行う“司法取引”によって、事件を解決していく様子が描かれる。本家の魅力を引継ぎつつ、新たなアプローチを取り入れている部分は、本作の最大の見どころと言えるだろう。

マイケル・ウェザリーやルーク・ペリーなど、多彩な俳優もゲスト出演

主人公のレイダー警部を演じるメアリーは、映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」や「パッション・フィッシュ」でアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされた実力派俳優。前作「クローザー」では内務調査員として重大犯罪課の内情を調べ上げ、疎まれていた。そんな人物が、突然メンバーたちの上司になるという難しい役どころを見事に演じている。共に事件の捜査を重ねることで、徐々に変化していくレイダーとメンバーたちの関係性も見どころの一つだ。

ちなみに以前インタビューで、メアリーは自身が演じる役どころについて「嫌われていた事実を知っているけど、気に留めないよう努めていた。そもそも内務調査の仕事をしていた彼女は、面の皮が厚くなければやっていられなかった」とコメント。さらに、「そんな環境の中で、友達を作らず、周りと親しくならないことを学んでいったレイダーが、重大犯罪課のチーフになったことで変化していく様子をワクワクしながら演じた」と語っている。レイダーがチームを率いる立場に身を置いたことで、一体どのような変化を見せていくのかにも注目したい。

また本作では、レイダーに戸惑い反発しながらも、プロベンザ（G・W・ベイリー）、フリン（トニー・デニソン）、タオ（マイケル・ポール・チャン）といったお馴染みのキャラクターが引き続き活躍を見せる。さらに、「NCIS ～ネイビー犯罪捜査班」のマイケル・ウェザリーや、「SUPERGIRL／スーパーガール」のモン＝エル役で知られるクリス・ウッド、「ビバリーヒルズ青春白書」でディランを演じたルーク・ペリー、「HEROES／ヒーローズ」でDL・ホーキンスを演じたレナード・ロバーツ、「ツイン・ピークス」のオードリー役で知られるシェリリン・フェンなど、豪華俳優陣もゲスト出演している。

レイダーがチームの指揮を執ることに…困惑する重大犯罪課のメンバーたち

シーズン1の第1話では、武装グループがスーパーに押し入り、警察官と銃撃戦を繰り広げる。重大犯罪課のメンバーは現場に向かうが、後から現れたレイダーがチームの指揮を執ることに困惑の色が隠せない。そんな状況の中、犯人が元軍人である可能性が浮上する――。

シーズン2の第1話では、有名な映画監督の妻が刺殺される。彼女は妊娠しており、夫である映画監督の犯行だと睨んだ重大犯罪課のメンバーは、自白を引き出そうとするがうまくいかない。一方レイダーは、前作の最終話で連続殺人犯を目撃しロス市警の保護を受けることになった少年・ラスティ（グレアム・パトリック・マーティン）に心を寄せていた。大人を信用しきれないでいる彼に愛情を注ぎ、絆を深めようと奮闘するレイダー。そんな中、エマ・リオス検事がラスティのことでレイダーに意見する――。

シーズン3の第1話では、父親と二人の子供が失踪。娘の部屋の壁に血痕が付着していたことから重大失踪事件として重大犯罪課が捜査に乗り出すこととなる。そして、この家族が封印してきた秘密が次々と明らかになっていく。一方、ラスティとの信頼関係構築のため最善を尽くそうと努めるレイダーだったが、彼女の知らないところでラスティの身に大きな問題が降りかかっていた――。

ラスティとの絆を築きつつ、部下たちと共に事件の捜査に奔走するレイダー

シーズン4の第1話では、重大犯罪課のメンバーが、ハリウッド・ヒルズで頻発する押し込み強盗の手口に似た二重殺人事件を捜査することに。サンチェスは問題行動で停職処分を受けていたが、チームに復帰し、任務をこなそうと奮闘する。そしてレイダーは、養子に迎えたラスティに対して重大な決断を下す――。

シーズン5の第1話では、重大犯罪課チームが、ホームレスの支援活動中に10代の少女が失踪するという不可解な事件の捜査にあたる。そんな中、バズは数十年前に父親と叔父の身に起きた未解決殺人事件の記録を調べ始めていた――。

そしてファイナル・シーズンとなるシーズン6の第1話では、カトリック系の学校に通う15歳の男子生徒3人が、校外学習から抜け出して行方不明になる。ロス市警の新副本部長に就任したレオ・メイソンの指示により、重大犯罪課のメンバーが捜査にあたることに。一方レイダーは、連続婦女暴行犯のフィリップ・ストローが再び現れたという証拠を手に入れ――。

新たなチーフのレイダー警部とともに重大犯罪課のメンバーがロサンゼルス市民を守るため奔走する「MAJOR CRIMES ～重大犯罪課」。動画配信サービス「Hulu」では、シーズン1～6の全シーズンを見放題配信中。