<パラダイス>“大統領殺害”から始まる物語…“楽園”とは真逆のダークな展開に引きつけられる
スターリング・K・ブラウン主演の新ドラマ「パラダイス」の第1話~3話が1月28日までに配信された。同作は、世界トップの著名人や有名人らが暮らす上流階級の穏やかな住宅街が、衝撃的な殺人事件によって崩壊するクライムサスペンス。国家最高機密情報担当の捜査官・ザビエルは、大統領の凄惨な殺害現場の第一発見者となり、容疑者として追及されることに。疑いをかけられた彼は、次第に不穏な捜査に巻き込まれていく――。今回は、音楽をはじめ幅広いエンタメに精通するフリージャーナリスト・原田和典氏が同作を視聴し、独自の視点でのレビューを送る。(以下、ネタバレを含みます)
誰が大統領を殺したのか
クライムサスペンス「パラダイス」が配信開始した。しかも全8話ながら初週に「ワイルドキャット・イズ・ダウン」「シナトラ」「ジ・アーキテクト・オブ・ソーシャル・ウェル=ビーイング」の計3話が配信されるという実に気前がいいスタート。私は「立て続けに見たい」という気持ちを抑えながら、1話ずつ心を落ち着かせて鑑賞した。
ブラウンが扮(ふん)する主人公のザビエルは、国家最高機密情報担当の捜査官。よりによって大統領の怪死の第一発見者になってしまったことから、容疑者として追及されることになる。他に疑いをかけられた人物の中には、実は大統領とあまり関係が良好ではなかった(=仮面夫婦的な)妻と、その子どももいる。だが彼らが犯罪に手を染めたという事実は証明できない。
では、誰が大統領を殺したのか? 殺したのだとしたら何の目的で? いや、そもそも本当に他殺だと言い切れるのか? だが物語は決して「大統領の死」ばかりを追っているわけではなく、非常に広がりがある。個人的な焦点は「シナトラ」と呼ばれている一見辣腕の女性、および大統領の息子だが、「予断を許さない展開」ゆえ、それぞれ考察を楽しみながら見てほしい。
他に気になったところとして、ザビエルがある発言を受けて「レイシスト」とつぶやくシーンがある。「こうしたことを言っても差別主義者呼ばわりされることがあるのか」と少々意外にも思ったのだが、相手が傷つけば、それはもう、こちらの意識がどうであろうとしっかり「傷つけた側」なのである。無礼にならずにこの世を生きていく上での大切な事実をあらためて感づかせてくれた気がした。
大統領は「X-MEN」シリーズや「ヘアスプレー」(2007年)にも登場したジェームズ・マースデンが演じ、「メア・オブ・イーストタウン ある殺人事件の真実」(2021年)で「第73回エミー賞」助演女優賞(リミテッドシリーズ/テレビムービー部門)に輝いたこともあるジュリアンヌ・ニコルソン、イギリスの人気シットコム作品「マイ・ファミリー」(2000年~)で知られるクリス・マーシャルなども出演する。
製作総指揮には主演のブラウンのほか、彼も出演したドラマ「THIS IS US/ディス・イズ・アス」(2016~22年)の原案・脚本・製作総指揮を務めたダン・フォーゲルマンの名もある。実力派キャスト陣の演技合戦、そして信頼のおけるプロ中のプロによる最新の境地が、「パラダイス」なのだ。
パラダイスというよりダークネス?
本作の第一印象は、“どこがパラダイスなんだ?”ということ。何と言っても大統領が原因不明の死体として発見されるのだ。物騒だし、不気味だし、パラダイスというよりはダークネスな世界観である。が、そこが意味深ではないか。
そして第1話の最後で「パラダイス」つまり“楽園”という言葉に隠された驚きの真実が見えてくる。しかし、それを説明することは大きなネタバレに繋がってしまうため今回は言及を控えさせていただく。
その上で「パラダイス」という言葉には、さらなる意味が込められているのではと考え予想図を組み立てた。
予想図Aは、物語が進むにつれて「パラダイス」という言葉が似合う晴れやかで夢見がちな展開になる。予想図Bは、さらにダークネスへまっしぐら、私怨渦巻く展開ともなり、世界の破滅へゴー…結果的に、大変な皮肉として「パラダイス」という概念が浮かび上がる。
そして予想図Cは、こちらの考えなど軽く凌駕する展開。未知の体験、未知のパラダイスが見る者に迫り来る。もちろん私が心から楽しみにしているのは予想図Cだ。視聴者の予想の先をいって、新たなディメンションを鮮やかに示すことこそ、クリエイターとしての腕の振るいどころではないか。
この物語には、実力派と呼ばれる役者たちが集まっている。彼らをどう生かすかも、脚本やカメラ・ワーク次第。今のところ登場人物は、死んでしまった大統領の登場部分も含めて、猛烈に“生き生きしている”。それもまた、「パラダイス」の次なる展開を楽しみにさせるのだ。
「パラダイス」(全8話)は、ディズニープラスで毎週火曜に最新エピソードを独占配信中。
◆文=原田和典
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