吉村界人 現役ラッパー陣とのドラマ共演に「1人で潜入捜査をしているような感じ」自ら飛び込んで俳優とラッパーの壁取り払う
般若をはじめとしたラッパーが多数出演する、警察官がラッパーとして潜入捜査を行った実話を基に描くABEMAオリジナルドラマ「警視庁麻薬取締課 MOGURA」(毎週木曜夜11:00~11:40、ABEMA)。大麻栽培が疑われているHIP HOPグループの一斉摘発のために現役刑事である伊弉諾翔吉(般若)がラッパー集団に潜入捜査。無事「9門」の仲間として受け入れられた伊弉諾だが、「9門」はBorn-D(吉村界人)率いる「RED HEAD」との対立を深めており、巻き込まれていく。
今回はそのラッパー集団のボス、Born-Dを演じる吉村界人に本作の撮影の裏話や役に対する考え方などを語ってもらった。
計算のできない現場でした
――HIP HOPの世界を描くと聞いたときはいかがでしたか?
格闘技がテーマのドラマや映画があるように、HIP HOPの世界も盛り上がっているのでドラマがあるのはいいなと思いましたが、僕はあまり知らない世界でした。今回共演した方々も名前を知ってはいても曲は聞いたことがなかったり。でも、新しいと思いましたね。まぁ新しいものを作るときって大変なことばかりですが(笑)。
―――大変だと感じたのはどこですか?
やはりいつもの環境ではなかったです。俳優同士は良くも悪くもあうんの呼吸があるのですが、今回はみたいに異業種の方とはやっぱり最初からそこを目指すのは難しい。最初は、自分が考えてきたことなどは全く意味がなくなるような感覚で、計算はできないと思いました。
――一緒にお芝居をする上でどのようなことをしましたか?
これまであまりしたことがなかったんですが、自分から火薬役のJin Doggに「1回きちんとしゃべろうぜ」と投げかけました。そこで、自分の問題なんだけどやりづらさを感じていて、みんなと仲良くできたらという話をしました。そしたら「そうだよね。界ちゃん、確かに1人やもんな。オレらは仲間いるけど」という話になり、一気に打ち解けて芝居がやりやすくなりました。
――芝居をする上でチームワークというのは大事ですよね。
チームワークというより信頼ですね。多くを語らなくても任せられるとか気持ちを共有し合えることってすごく大事なことで。いくらどっちかが歩み寄っても、片方が拒絶したら画面に映ったときにバレてしまうものなんです。お互いそれっぽい芝居をしていても、あくまでもモノマネになっていたら意味がない。せっかく俳優とラッパーがミックスされた現場なんだから、高めあってより良いものになればなと。そのためにコミュニケーションをとった感じです。
――今回はHIP HOPグループ「RED HEAD」のリーダーという役なので周りはみんなラッパーでしたが、彼らの演技を見ていかがでしたか?
一つ一つのお芝居を確認し、納得しながら1シーンを撮っているという感じでした。感情や行動の意味を話し合って納得して演技をするの繰り返しで。俳優だと、ここで話し合う時間はないと勝手に考えたり、テクニックもついてきたので技術で補えるところは補うみたいな感じで進めていくことも多いのですが、皆さんはそうじゃない。そこには「オレはこういうスタイルでこれまでやってきた」という自信のようなものが垣間見られるんですよ。そこがすごくおもしろかったです。あと、このドラマがどうなろうとオレは音楽で食っているし…みたいなものも見え隠れして(笑)。強いなって思いました。
――これまでとは勝手が違う現場だったんですね。
そうですね。どれだけ家で考えたり、準備をしても、彼らと会って話して得ることの方が多くて。なんか気持ちは般若さん演じる伊弉諾と同じ。1人で潜入捜査をしているような感じでした(笑)。
――潜入捜査してどのように感じました?
でもみんな普通の人ではありましたね。緊張もするし、イヤなことはイヤという顔をするし、それでもやってくださいと言われたらやっているし。あと、意外と話してみたらみんな人の子でした(笑)。それとやっぱり音楽はすごいと思いました。音楽のシーンは、彼らの居場所って感じがして。なんか緊張していたみたいですが、楽しそうでした。
――監督とはどのようなことを話しましたか?
HIP HOPの話だけどラッパーを集めただけではドラマにならない。そこにはやっぱり芝居ができる俳優が必要で、その一番の架け橋になれるのは界人しかいないから、頼むって。凄くプレッシャーを感じて、嫌でした。僕は「来い!」と言われたらすぐに行きますが、「オマエらついて来い!」なんて言うタイプじゃない(笑)。まぁその辺りは、みんなと話をしていくうちに少しずつ変わっていきましたが。
内気な自分とは裏腹に増えていくアウトローな役
――今回のBorn-Dという役もそうですが、現在公開中の「Welcome Back」やNetflixドラマ「地面師たち」でもアウトローな役でしたね。
多いんですよ。頭抱えています(笑)。僕にはそういう要素はまったくないのに、なんでそういう役が多いのか…。僕自身は結構弱気で内気。どこにでもいる焼きおにぎりが大好きな青年です。
――焼きおにぎりですか?
すごい好きなんです。実は冷凍焼きおにぎりの売り上げ世界一は日本のある食品メーカーでギネスにも載っているのですが、それを僕がきっと世界で一番多く食っていると思います。芸能界だけじゃなくて全人類の中で(笑)。だからもし自分に合った役ができるんだとしたら、焼きおにぎりをたくさん食べる青年役をやりたいです(笑)。でも、アウトローな役よりは近いはずです。あと、一度は前髪がくしゃくしゃとしていてメガネをかけてボソボソしゃべるみたいな役もやってみたいです。
――いつもどのようにして役を作っているのですか?
スッとできたことはないです。いつも役を抱えて、考えまくって、周りにグチを言って、最終的にやるしかないな…と言って(笑)。でも考えて考えて現場に行くのですが、「おはようございます」と言ってカメラの前に立ったら、今まで考えてきたことを全て投げ捨ててやらなきゃいけないから俳優の仕事って本当に難しいと思います。その気持ちはずっと変わらないし、今後もそう思い続けるんだと思います。でも、簡単だと思ったらそのときは多分辞めちゃいますね。分からなくて難しいからやっている訳で。その気持ちはデビューしたときから変わらないです。
――吉村さんは1993年生まれですが、菅田将暉さん、吉岡里帆さんなど第一線で活躍している俳優がたくさんいる世代ですよね。ライバル意識などはありますか?
よく“ゴールデンエイジ”って呼ばれています。20代前半のころは周りと比べて焦りや自分は何ができるんだと考えていましたが、今はそこまでないです。まぁあのころは、学園モノの作品があったりと同世代が揃うことも多かったのですが、今はそういうことも少ないですし。あと、どこか僕は転校生みたいとずっと感じていて。一緒にやっているけど、みんなとは少し違うところにいて。なので今後も変わらず自分の道を歩いていけたら。これからも人のおもちゃをほしいとは思わないし、自分のおもちゃを大事にしていきたいです。
――年を重ねて芝居に対する気持ちも変わってきましたか?
変わってきたかも。前よりも真剣にやっているというか。最近、みんな上手ってことに気づいたので(笑)。僕ももっと上手くなりたいし、本当は色んな役にも挑戦したいです。そのためには真っ当な生き方をしないといけないと思っています。やっぱり自分の全てが役に出ると思うので。そういうことに最近、気づかされたりしています。
――最後に、ますます盛り上がってきた「警視庁麻薬取締課 MOGURA」の見どころを教えてください。
HIP HOPの人たちと、僕や成海(璃子)さん、吹越(満)さん、風間(俊介)さんといった俳優部の人たちがクロスオーバーしているのが、すごく今っぽい感じがします。そんなに毎年できるような作品ではないので、祭りだと思って見てもらえたら。今しかできない作品だと思っています。
取材・文=玉置晴子
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