モデル・菅野結以が心に飼うギャルスピリット「“もうおばさんだから”と言った瞬間、女は老ける」
モデル・菅野結以が自身8冊目の書籍『オルタナ美容 非常識美人の哲学』(扶桑社)を発売した。かつて「白ギャル」文化を生み出し、現在は37歳を迎えた彼女。「『もうおばさんだから』と言った瞬間、女は老ける」と語る菅野の哲学を詰め込んだ本作に対する思いを聞くと共に、彼女が持ち続ける“ギャルスピリット”の真髄を語ってもらった(前後編の後編)。
──書籍『オルタナ美容 非常識美人の哲学』で、「一生、現場主義」と書かれていますが、例えば、交流する世代を幅広く持つということも必要でしょうか。
菅野 私は人の年齢を本当に気にしないので、仲が良い友達でも年齢を知らなかったりするんですよ。“魂年齢”が合うなと感じる人と一緒にいるので、実際の年齢はバラバラですね。仲が良い20歳の子もいれば、全然年上の方もいる。それでも魂年齢はだいたい一緒な感覚。ついている数字はあまり気にしてない。バイブスです。
──ギャルな感覚ですね。
菅野 そうですね。ギャルスピリットがあった方が、本当に生きやすいですよ。私も一生、ギャルスピリットを心に飼っています。ギャルって、ファッションじゃなくてスピリットだと思っているので、そういう意味ではずっとギャルですし、一生ギャルでいたい。
──同じく「Popteen」モデルで活躍された益若つばささんや舟山久美子さんも近いマインドを持たれているような印象があります。現在も交流されているのでしょうか。
菅野 この前、つばちゃん(益若)の生誕祭にゲストで呼んでもらいました。その後にお家に行って、みんなで打ち上げをしたんです。お誕生日会に行ったりもするので、つばちゃんとはよく会います。くみっきー(舟山)の新居にも遊びに行きました。子どもと遊びましたね。私は学校に行けなかったタイプの人間だけど、Popteenは自分にとって“学校”だったんです。自分で選んだ楽しい学校だったので、Popteen時代のみんなとは、昔の同級生みたいな感じで、ずっと仲が良いですね。
──年齢を重ねて、話す内容に変化はありますか?
菅野 それは変化していると思います。みんなお母さんになっていたり、経営者になっていたりするので、たくましくパワーアップしてるんじゃないかな。ただ、あまり縛られずにのびのび生きていることが共通しているのは、やっぱりギャルスピリットがあるからな気がします。
──現代のギャルとの違いはあるのでしょうか。
菅野 最近、またギャルが注目されていますが、わかりみしかないです。私は、ギャルって“パンクス”だと思っているんです。世の中の本流とかコンサバティブとかモテとか、そういうのを無視した、自分の好きを貫く存在。今までに世の中になかった方法を自分で生み出せる人種なんですよね。昔で言うと、アイラインをマジックペンで書くとか、つけまつげを5枚重ねるとか。普通の常識だったらなかったことを「これ可愛いし」と、パッションを原動力にどんどん切り開いていくのがギャルだと思うんです。
──“謎ルール”と戦える人種がギャルなんですね。
菅野 はい、それに違いを否定しない。あなたも最高、わたしも最高、みたいな。人の目とか誰にどう思われるかよりも、自分の心に正直に突き進む人種ですよね。本にもギャルスピリットの話を書きました。「『似合うメイク』より『似合わせ』にいく」って。パーソナルカラーとか骨格診断とかMBTIとか、「あなたにはこれが合います」というものがあっても、「したいもんはしたい」みたいな時があって。そういう診断は参考とか手助けにはなるけれど、決して縛られるべきものじゃないかなと思っているんです。
だから、やりたいメイクとかファッションがあれば、持ち前のギャルマインドで「似合わせ」にいく。枠とか型にとらわれず、自分の心に正直に、誰になんと言われようと気持ちよく突き進む心持ちが大事だと思っています。例えば「イエベ」だとしても、「ブルベ」のメイクがしたい日もある。そういう日は、ブルベに寄せたヘアメイクを作り込めば似合うようにできるんです。似合わせれないものって、そんなにない気がしています。
──「似合わなくても気にしない」こととは違うんですね。
菅野 そう、策を練って「似合わせ」にいきます。「似合わない」は嫌ですよ。似合った方がいいので。
──最後に、読者の方にメッセージをお願いします。
菅野 私は、同じ星の生まれの人にテレパシーを送るつもりで物作りをしているんです。以前の私のように感じたことがある方で、もし孤独に感じているようなことがあれば、この本を読んで「いた!」と思ってほしい。もっと広いところに行ったら、出会えるから。私も実際、地元には共感できる人が本当にいなかったんですが、10代で東京に出てきて、少しずつ話が分かる人に出会えたので、テレパシーを受け取ってもらえたらいいなと思います。
「常識」とか「普通」とか「本流」とか、そういう枠にはめられそうになって、息苦しさとか違和感を感じている人にとっては、少しは手助けになれる本なんじゃないかなと思います。身も心も美しく生きるための感覚とか知見をありったけ詰め込みました。「世の正しさは大して正しくない」ので、もっと自分らしい哲学を育てて、のびのび美しく生きる方法って全然あるよって。この本が、肩の力を抜いて生き生きと生きられる手助けになったらいいなと思います。
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