加藤浩次“拳”が号泣熱演で圧倒…「泣いたって強くなれねーぞ」＜人にやさしく＞

2025.01.21 17:15

現在放送中の「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系／FOD・TVerにて配信)の主演・香取慎吾と、松岡充、加藤浩次が共演したドラマ「人にやさしく」(2002年、フジテレビ系)が、FOD・TVerで2月7日(金)まで第1話を無料公開中である。23年前に放送された今作。東京・原宿の街を舞台に、当時のオシャレさと元気をギュッとまとめたような明るい雰囲気がある。幼い頃に親に捨てられた拳を演じる加藤の全力の演技が光る第3話と第4話を紹介する。(以下、ネタバレが含まれます)

拳が「男は、勝たなきゃ意味ない！」と熱弁する理由とは

「人にやさしく」は「3ピース」と名付けた一戸建てに同居する前(香取慎吾)、太朗(松岡充)、拳(加藤浩次)の3人と、突如見知らぬ母親から「預かってください」の手紙と一緒に現れた小学生・明(須賀健太)が共に「明るく、楽しく、ファンキーに！」をモットーに暮らしていく青春子育てグラフィティ。FOD・TVerの「#ドラ活浸れ、超自分的ドラマ生活。」キャンペーン開催中は第1話のほか、全話を順次無料配信している。

第3話は「父親が見つかった!!」。前、太朗、拳に憂(りょう)は大好きなプロレス観戦に興奮。この日は、明もリングを見つめていた。何度もホール負け寸前のカウント2.99で起きあがるレスラーに熱い声援を送る憂。しかし、男たち3人は「男は、勝たなきゃ意味ない！」と対戦相手の強いレスラーに熱狂する。

翌日、明は学校で悪ガキグループにいじめられ、母親が作ってくれた明のイニシャル入りビーズの飾りを取り上げられてしまった。そこへ担任ののぞみ(星野真里)が通りかかるが、明は何も言えない。のぞみが家庭訪問をし、前に明がいじめにあっていると打ち明けると、拳は「そいつらをぶん殴ってこい」と明に厳しくあたる。その日の深夜、「3ピース」に電話が鳴り響く。誰もとろうとしない電話に渋々出た拳の顔色が変わった…。

拳が自分を捨てた父に会いに行く

拳の電話は、自分を捨てた父親が危篤で入院しているという知らせだった。拳は行くことをためらうが、憂にカウント2.99で立ち上がるレスラーの話をされて、最後の最後、父との物語にケリをつけに向かう。拳の父は病院のベッドで闘病していた。「どんな無様な格好してるか見に来たんだよ」と憎まれ口を叩く拳は、積年の恨みをぶちまける。しかし、父の胸ぐらをつかんでから動けなくなり、「死ぬんじゃねーぞ！病気になんて負けんじゃねーよ！」と号泣した。

病院から戻った拳は明に「泣いたって強くなれねーぞ」と話した意味を語る。明はいじめっ子に立ち向かい、自分で母の思い出の品を取り戻していた。拳は「強ぇよ、強い男だ。明、こいつかっこいいよな」と誇らしげにほほ笑んだ。

泣いたり激怒したり、豪快に笑ったりと、このドラマの拳は忙しい。当時、お笑い芸人・極楽とんぼの加藤が真剣な演技に挑むということが話題になった。俳優としては荒削りかもしれないが、その熱くまっすぐな演技は多くの人の心をつかんだに違いない。

続く第4話は「子育てスランプ!?」。おねしょが続く明は、男たち3人の朝の分担にも参加し、自分で洗濯もこなすようになる。憂はその様子に「随分、元気になった」と安堵した。大人に混じって女性と合コンするなど日々を楽しんでいた明だが夜の道で、白いコートの女性を目撃する。「ママ…」とつぶやき、女性を追いはじめた明は道路に飛び出して、オートバイにはねられてしまう。

次々とトラブルが巻き起こる3人と明の物語。他人同士が支え合って生きる温かさを感じられる作品だ。