裏表がある“京言葉”で話す婚約者の本音が知りたい…主人公が告白した後の反応に「気持ちのすれ違いが良いなー」【作者インタビュー】

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、コミックグロウルにて連載中の冬谷リクさんが描く『僕のいけずな婚約者』をピックアップ。

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2024年11月9日に作者がX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、9.3万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、冬谷リクさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

本音と建前がある“京言葉”を話す婚約者の本心とは…？

高校1年生の狛井空汰(こまいそらた)には、幼少期からの婚約者がいる。その婚約者・稲荷坂御幸(いなりざかみゆき)は京都の名家に生まれたお嬢様で、平凡男子の空汰にはもったいないと思えるほどの存在。東京と京都で遠距離だった2人は、年に1度、家族ぐるみで会い、定期的に連絡を取り合う程度の仲だったが、御幸が空汰と同じ東京の高校へ入学することに。かくして、2人の距離が急激に縮まるかと思いきや、その関係はあまり良好ではない様子――。

というのも、京都で育った御幸が話す“京言葉”は言葉と本音が一致しないことが多く、空汰には婚約者である自分がどう思われているのか計り知れなかったのだ。たとえば、京言葉は「おおきに」と一見お礼を伝えている言葉でも、本音は「ええ迷惑やわぁ」という意味が込められている場合も大いにある。そんな裏表のある京言葉で話す御幸の本心を知ることは難しく、さらに子供の頃に贈ったお揃いの指輪をつけなくなった彼女から好意を寄せられているとは到底思えなかった。

御幸の本心が知りたくてモヤモヤした日々を過ごす空汰だったが、彼女から“東京観光”の誘いを受けて2人はデートすることに。そして、デート中に見知らぬ男子グループに絡まれた御幸を助けた勢いで、空汰は思わず「すっっっごく好き」「世界で一番あなたを幸せにしたい」と溢れ出した想いを口にするのだった。すると、御幸の反応は…。

「…おおきに」

京言葉の本音と建前を踏まえて“フラれた？”と感じる空汰だったが、御幸の本音はいかに――？婚約している高校生カップルが織りなす、ちょっともどかしい恋愛模様に読者からは「最高じゃねぇか！」「だから恋愛って楽しいんだよなー！！」などの声が寄せられている。

作者・冬谷リクさん「京言葉は優しさや品を内包しているような気がします」

――『僕のいけずな婚約者』を創作したきっかけや理由などをお教えください。

元々は京言葉を話す男の子っていいよねと、男主人公で描いたものがスタートでした。そして方々から「女の子のほうが良くない？」と言われ、腹落ちしないまま企画から練り直し、出来上がったものが想像以上にすっごく可愛くて。そうして御幸さんが生まれました。人の言うことを聞いてよかったです。

――ヒロインの稲荷坂御幸が京言葉を話すというところが本作の大きな特徴のひとつです。冬谷さんが感じる京言葉の魅力をお教えいただけますでしょうか？

言葉の響きが柔和で美しいところと、そこはかとない品を感じるところでしょうか。

京言葉の典型的なイメージとして語られやすい、婉曲的な言い回しも優しさの一つだと思うんです。私の場合、直接的に言われるより遠回しに言われるほうがダメージが少ないというか…。同じような方は結構いらっしゃるんじゃないかと思います。京言葉はそういった優しさや品を内包しているような気がします。

――本音と建て前が含まれている京言葉の中で、印象的、またはお気に入りの言い回しはありますでしょうか？

3話のセリフになってしまうのですが、「えらい関西弁がお上手で」という言い回しは特に気に入っております。

――X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響への感想をお聞かせください。

すごくありがたいことだと感じております。やっぱりいけずって可愛いですよねと再確認できた気がします。

――今回ご紹介させていただいたのは第1話になりますが、2話以降の見どころや注目してほしいポイントを教えていただけますでしょうか？

注目してほしいところはたくさんあるのですが、やっぱり主役二人の関係性ですかね。一概に「好きな人に相応しい男になりたい」といってもいろいろあるのではと思うので、そこを深掘りできたらいいなと思っております。

――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。

いつも『僕のいけずな婚約者』をお読みくださり、ありがとうございます。皆さまの応援のおかげで連載を続けられております。

これからも見守っていただけたら嬉しいです！