「クジャクのダンス、誰が見た?」の制作発表会見に登場した(左から)リリー・フランキー、広瀬すず、松山ケンイチ、磯村勇斗

広瀬すず、役柄に通じる父との思い出を告白「いつも同じ席に座ってそばを食べてました」<クジャクのダンス、誰が見た?>

2025.01.20 06:00
「クジャクのダンス、誰が見た?」の制作発表会見に登場した(左から)リリー・フランキー、広瀬すず、松山ケンイチ、磯村勇斗

2025年1月24日(金)よりスタートする、広瀬すず主演の金曜ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系/U-NEXT、Nettflixで配信)。本作の第1話プレミア試写会および制作発表会見が1月18日に行われ、主演の広瀬ほか松山ケンイチ、リリー・フランキー、磯村勇斗が登壇した。その模様をレポートする。

「このマンガがすごい!2024」ランクインの大人気漫画が待望のドラマ化

本作は、月刊漫画雑誌「Kiss」(講談社)にて連載中で、「このマンガがすごい!2024」(宝島社)オンナ編の第4位にランクインした浅見理都の同名漫画をドラマ化。クリスマスイブの夜に元警察官の父親を殺された娘が、遺された手紙を手がかりに真相に迫る姿を描くヒューマンクライムサスペンスだ。

タイトルの「クジャクのダンス、誰が見た?」はインド哲学の一節。本作においては“たとえ誰も見ていなかったとしても、犯した罪から逃げることはできない”という意味を持つ、物語に通底する重要な言葉となる。この言葉が劇中どのような場面で登場し、どのような役割を果たしていくのかにも注目が集まる。

父が殺された理由を追う大学生・心麦を広瀬が演じるほか、心麦と共に事件の真相を追う弁護士・松風義輝役の松山ケンイチ、殺された心麦の父・山下春生役のリリー・フランキー、心麦を執拗に追う週刊誌の記者・神井孝役の磯村勇斗ら、豪華キャストが集結。謎が謎を呼ぶストーリーを盛り上げていく。

ロンドンバスで4人にまさかの悲劇が

この日、4人は制作発表会見の前にロンドンバスに乗り込み、赤坂界隈で本作をアピールしていたそう。ところが、リリーは「この4人でロンドンバスに乗って赤坂を一周してきたんですけど、(街に人が)誰もいなくてね」とまさかの事態に言及。

続けて「乗る前は『そういう性格じゃないし、そういうタイプのドラマもないし、照れる照れる~』とか言ってたら誰もいなくて(笑)。『何なら銀座まで行く?』みたいになってました」と、土曜日午前中の赤坂は人通りもまばらだったことを振り返っていた。

そんな中でも、バスの停車中などに広瀬や松山が道行く人へ積極的に声をかけていたのだとか。だが、リリーは松山が道行く人に無視されてしまったことを暴露し、松山も「そうそう、何回手振っても返してくれなくて…」と嘆いていた。

さらにリリーは「唯一街角から手を振ってくれて『わ~、やっと手振ってくれてる人がいる』って思ったらスタッフさんで。あれはあれで傷つきましたよね(笑)。なんかもっとビートルズみたいになる予定だったんですけど…」と、切ない顛末を明かした。

リリー・フランキー、“5人の心麦”と対面

まずは司会からそれぞれの役どころについて質問が。広瀬は「早くに母を亡くして、リリーさん演じる元警察官のお父さんと2人で暮らしてきた中で、大学生なんだけど他の大学生に比べると少し子供っぽいというか。今(大学生になって)もお父さんと2人でラーメンを食べてワクワクできるような、本当に人の温かさを知ってる、そして素直でまっすぐな女の子だなと思いながら、日々演じさせていただいております」と、心麦の印象を語る。

松山は「僕の演じている松風義輝というキャラクターは弁護士なんですけど、余計な一言が多かったり、結構辛辣なこと言ったり、ちょっと偏屈というか変わっているキャラクターだと思います。心麦さんや春生さんと接点があったわけではなくて、なぜか春生さんの手紙に『この弁護士を訪ねてください』と松風の名前が書かれていて、心麦が弁護士事務所にやって来て何だかんだで東賀山事件に関わっていくことになる役です」と役どころについて説明。

一方、心麦の父・春生を演じるリリーは「1話で死んでいるので(広瀬)すずとはほぼ一緒のシーンがほぼないんです。もちろん2人(松山&磯村)と僕が一緒のシーンあるのもちょっと矛盾があるので、僕は第1話でラーメン食べてすぐ死ぬみたいな感じで。でも回想シーンはいくつかあって、いろんな心麦には会ってるんです。

まず『心麦(大)』がすずでしょ。『心麦(中)』というのが9歳の心麦で、『心麦(小)』という3歳の心麦もいて。あと「心麦(極小)」という0歳の心麦までいるんですが、この『心麦(極小)』が2種類いて、実際の赤ちゃんと人形の『心麦(ゴム)』もいるんですよ。だから5種類の小麦と(シーンを)やっているんですけど、一番『心麦(大)』に合わないんですよ。今日久しぶりに『心麦(大)』に会ったなって」と、肝心の広瀬との共演がほとんどないことを明かす。

広瀬も「今日クランクインぶりにお会いしたんです。クランクインが(第1話冒頭の)ラーメン(屋台)の日で」と、久々の共演となったことに言及すると、リリーは「昨日は『心麦(極小)』と『心麦(ゴム)』と一緒だったんです。だからちっちゃい頃の心麦とのシーンが多いので、今日みたいに3人に会うのは最後くらいかもしれないです」と、貴重な共演を楽しんでいる様子だった。

磯村は、「僕は週刊誌の記者役で、東賀山事件(※春生が捜査に関わっていた22年前の事件)を追っているとともに、心麦に対して揺るがすような言葉を投げる人物なんですが、どこまで知っていて、何をしているのかは明かされていないので、毎回撮影現場ですごく疑いの目で見られています」と、役柄的に共演者から怪まれがちな現状を語った。

互いを犯人視し始めて「現場のムードが良くなくなっちゃってる(笑)」

本作最大の見どころは、なぜ春生は殺されてしまったたのか、そして春生を殺害したのは誰なのかという点。キャスト陣も結末を知らないため、現場では犯人に関する考察がかなり盛り上がっている様子。

磯村は、「僕らは本当に誰が犯人なのか本当に教えてもらっていなくて、ずっと隠されているんですよ。台本も結構後半まで出ているんですけど、それでも何も教えてくれないですね。スタッフさんたちは多分知っているんですけど、キャストの中でそれぞれ疑い始めて、結構(現場の)ムードが良くなくなっちゃって来ている感じがします(笑)」と、意外な弊害が出ているそう。

するとリリーは、「最近、すずが1週間くらい撮影現場に来ていなかったってスタッフさんに聞いて。別で何かやってる? 俺らが知らないシーン撮ってるんじゃないか?」と疑いの目を向ける。

それに対し広瀬が「いやいや、こっちが聞きたいです! 私連続ドラマをやっていて1週間休みってあんまり(経験がない)。年末年始もちゃんとお休みを頂いて、その期間も変なんですよ。(お休みを)もらいすぎていて。だから、私だけ違う台本を渡されていて、皆さん撮影していたんじゃないですか?」と反撃。すると他の3人は「いや~(笑)」とはぐらかし、観客からは笑いが起こった。

そんな中、怪しげな描写が多く撮影されていると言われた松山は、「松風は松風で抱えているものがあったりするので、それが後から出てきたりすると『あれ?』って思ったりしますよね」と、何やら含みを持たせた回答。すかさずリリーは「こういう話になると急に喋り出すじゃん。何かしらこい感じはある」と言い、磯村も「確かに、手口が人狼と一緒だ」と追い打ちをかける。

疑われた松山は、「僕が一番知りたいんですよ。ず~っと言ってますから。毎日プロデューサーに会うたびに詰め寄ってますからね? だんだん避けるようになってきているとちょっと…、本当に僕じゃないよ?」と必死に弁明していた。

観客たちの“犯人予想”で4人が大盛り上がり

早くも白熱している考察合戦だが、会場ではこの日第1話の先行試写を見た観客が春生を殺害した犯人が誰なのかを予想。その結果がスクリーンに映し出されると、春生の捜査一課時代の部下で公私とも深い関わりがあった赤沢(藤本隆宏)に、ダントツで疑いの目が向けられたことが判明。

それに対し4人は「目つき悪すぎだもんね」(松山)、「胸板厚すぎるからね」(リリー)、「あと声がかっこいいんですよ」(広瀬)、「歌もうまいんだよね~」(磯村)などと、赤沢を演じる藤本に対して愛あるいじりを展開する。

そこから観客による犯人予想の結果を見ていくと、成田凌演じる遠藤友哉のみが0票というドラマ第1話を見たからこその結果に。これを見た広瀬は、「これは成田くんきっと救われるんじゃないですか? 孤独で撮影してるし」と、役柄上独房でのシーンが多くならざるを得ない成田を労う場面も。

一方、第1話で早々に殺されたはずの春生にも6票が入るというまさかの事態に。リリーは「俺が死んでなかったら心麦は何を探してるんだって話になるんじゃない?」と真っ当な反論をするが、松山は「ただ、死体は出てきてないから…って僕はずっと思ってるんですよ」と指摘。広瀬も怪しむそぶりを見せ、リリーは「なんだその目は(笑)。明らかに怪しんでる」とツッコんでいた。

その他のキャストでは、森崎ウィン演じる波佐見にも少なからず票が入っていたが、リリーが「でもさ、俺このドラマでウィンが犯人だったらわけわかんない」と言うと、広瀬は「私もそう!(笑)」と返し、磯村も「それ一番わけわかんないかもしれない(笑)」と一同大ウケ。

赤沢に続く2位となったのは、西田尚美演じる赤沢の妻・京子。広瀬は「西田さんがちょくちょく怪しいんですよ。私現場でガン詰めしてますからね」と告白。松山が「尻尾は出さない?」と尋ねると、広瀬は「(西田さんが)『え? わかんない。え?』って言ってくるんです」とその手口を明かす。それを聞いた男性陣は「強いな~(笑)」と反応していた。

大盛り上がりとなった犯人予想に、4人からは「面白いですねこれ。毎回やりたいですね」(松山)、「全話やりたいですね、(各話が)終わるごとに」(磯村)、「公式アカウントでやりましょう」(広瀬)と超乗り気に。その熱意に、番組プロデューサーも前向きな回答をしていた。

心麦と春生の関係に通ずる広瀬の“思い出の味”

会見では、当日参加した観客からの質問に4人が回答するという企画も。最初の質問は、「心麦ちゃんはラーメンがお父さんとの思い出の味の一つですが、皆さんは思い出の味はありますか?」というもの。

広瀬は、「お父さん(との思い出)で言うと、私は上に2人きょうだいがいるんですけど、2人ともスポーツをやっていたので行事ごとには母がついていくんです。まだ子供だった時は、お父さんと留守番するのが定番で、その時はいつも地元にしかないチェーン店のお店へうどんかそばを必ず食べにいっていました。それが心麦ちゃんに一番近い“思い出の味”かもしれません。

本当に400円くらいでパッと食べられるようなお店で、長居するような感じではないんですけど、いつも同じ店舗に行って同じ席に座って、ほとんどそばを食べていました。それが自分たちの『休日といえば』『留守番といえば』みたいな、楽しみだった思い出です」と、ドラマの親子関係にも通ずる思い出の味を明かす。

一方、磯村は「僕はシソジュースですね。同級生のおばあちゃんが作ってた手作りのシソジュースで、シソの原液を夏になるとおばあちゃんがくれるので、持って帰ってきたそれを炭酸とか水で割って飲むのが好きでしたね」と、他では味わうことができないオンリーワンのものを挙げた。

また、「寒い中でこそ食べたいもの、やりたいことはありますか?」という質問には、松山が「僕はスキーやりたいです。スキーに行ってリフトから降りて、(ゲレンデの)一番高いところですごいしょっぱい煎餅食べるのが好きです」と回答。

「山登ったりする時も毎回思うんですけど、汗をかいているからなのかしょっぱいものがすっごい沁みるんです。なので、寒かったらそういうことをしたい。ちょうど正月休みの時に行ってましたし、隙あれば行きたいです」(松山)と、独特なスキーの楽しみ方について語った。

リリーは「昨日もそうだったんですけど、撮影の帰りにやっぱり寒いからラーメン食べたいなって思って、友達に『この辺のいいラーメン教えて』って電話して(食べに行った)」と、役柄同様寒い日にラーメンを味わっていたそう。

広瀬の底しれない食欲と謎すぎるこだわりが発覚

そこから話は、広瀬と共演したラーメン屋台でのシーンのことに。リリーは「すずがすごいなと思ったのは、『このシーン結構撮るだろうな』と思ったら普通はバクバク食べないでやるけど、(広瀬は)マジで食べるんですよ。だから今回の(第1話で登場する)ラーメンを食べるシーンでも、すずは3杯半くらい食べてると思う。普通は途中で抑えたりするじゃないですか。(広瀬は)ガチンコで食ってるもん」と、広瀬の底知れない食欲を暴露する。

それに対し広瀬は「おいしいんですもん! 2日に一回くらいラーメン屋台のシーンが続いて、『あの週トータル何杯食べたんだろう?』っていうくらい」と、撮影中どれだけラーメンを食べたかわからないほどだったそう。

すると松山は、「1話の松風が最初に出てくるそば屋さんのシーンで、いなり寿司を食べてるシーンを撮っていたんですけど、エキストラさんの方たちが食べている画の段取りをしている時にそば屋に入ったら、一番奥ですずちゃんがそば食ってたんですよ。『えっ?ここでも食ってる』と思って見ていたら『バレた!』みたいな顔していて、それがすごい可愛かったです」とコメント。

広瀬は「(撮影中の現場の)横を通ったらめちゃめちゃお出汁のいい香りがして、『めっちゃいい香り!』って言ってたらスタッフさんが『食べれるよ』って仰って。松山さんが衣装替えに行かれたのでその間に食べていたら、思ったより早く来ちゃって…」と弁解していた。

そんな広瀬は、寒い時にやりたいこととして「運動好きなのでジムに行ったりするんですけど、いきなり体を動かしても体が冷えてる状態で汗をかかないんです。それがすごく嫌で、ジムまでよく猛ダッシュしてます」と明かす。

続けて「冬こそ走ってジムに行って、一回心拍数を上げて代謝を良くしてから本格的なメニューのトレーニングをやると、ぶわって汗かけていいんですよ。しかもそんなに遠くないからビーサンとかで行っちゃうんですよ。でも上はダウン(ジャケットを着ている)みたいな」(広瀬)と、謎の格好でダッシュしていることが語られた。

これにはリリーも「やめなさい、ビーサンで走ったらけがするから」「俺ビーサンとダウンのヤツが走ってたら避けるよ」など、ツッコミが止まらない展開に。さらに広瀬が冬に食べたいものとして「炉端焼き」を挙げると、「ビーサンでダウンで炉端焼きって、もう“プロの親父”じゃないですか」(リリー)と、最後までキレキレのツッコミを見せ場を沸かせていた。

最後に、広瀬は「壮大なサスペンスが進んでいく中で、この親子の愛であったりとか信じる力であったりとか、人の温かさに触れられる(作品になっている)。その中で、本当に考察が止まらない展開がどんどん進んでいくと思います。

ぜひ一人でも多くの方に楽しみにしていただいて、みんなで考察し合って楽しんでもらえたらなと思います。早く皆さんと(考察合戦)したいですし、それが日本中に広がっていくとすごくうれしいです」と、視聴者にメッセージを寄せた。

「クジャクのダンス、誰が見た?」第1話あらすじ

カップルや家族連れが行き交い、街が華やぐあるクリスマスイブの夜。大学生の山下心麦(広瀬すず)は、2人きりの家族である父・春生(リリー・フランキー)となじみの屋台のラーメン店で肩を並べてラーメンを食べていた。

「クリスマスなのに付き合ってくれてありがとう」とうれしそうな春生を前に、気恥ずかしいながらもささやかな幸せを噛み締める心麦。しかしその夜、春生と別れてサークルの飲み会から帰宅した心麦を待ち受けていたのは、燃え盛る我が家と春生の訃報だった。

最愛の父を失い茫然自失の心麦だったが、春生の殺害犯は早々に逮捕される。その人物は、春生が22年前に逮捕した資産家一家惨殺事件の犯人・遠藤力郎(酒向芳)の息子・友哉(成田凌)だという。

春生がそんな事件を担当していたことを初めて知った心麦は、突然の事態の進展に実感が湧かないまま、いつものラーメン店を訪れ、店主の染田(酒井敏也)から春生が残した一通の手紙を受け取る。そこに書かれていたのは、力郎の息子を含む複数の人物の名前と、その者たちに容疑がかかった場合、それは「冤罪」だとする記述で…。

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