「トリガー ニュースの裏側」より

“韓国映画界の女帝”キム・ヘスとは? 約40年にわたり第一線で活躍続けるカリスマ女優 新ドラマでは“型破りなチーム長”に<トリガー>

2025.01.16 11:10
「トリガー ニュースの裏側」より

キム・ヘス、チョン・ソンイル、チュ・ジョンヒョクらが出演するオリジナル韓国ドラマシリーズ「トリガー ニュースの裏側」が1月15日に配信開始。ニュース番組を手掛ける超型破りな調査報道チームの活躍を痛快に描く同作において、情熱でチームをまとめる“チーム長”オ・ソリョン役で主演を務めているのが、韓国きってのカリスマ女優・ヘスだ。“韓国映画界の女帝”とも称され1986年のデビュー以来、ジャンルを問わず韓国のさまざまな映画・ドラマで彼女ならではのキャラクターを生み出し、俳優たちの尊敬を集めてきたヘスのキャリアを振り返る。

デビュー作で「百想芸術大賞」新人賞

「トリガー ニュースの裏側」で、ソリョンは広告主をも恐れない豪快な取材を繰り広げる。ヘスが初回から正義を貫き、銃口を向けられてもたじろぎもせず、取材先にパラグライダーで潜入するなどソリョンの肝のすわったジャーナリストぶりを見事に体現した。

そんな“強い女性”がよく似合うヘスは、1970年9月5日生まれの54歳。演技の才能は、デビュー間もないころからすでに備わっていた。1985年に芸能界入り、翌1986年の映画「カムボ」で役者デビュー。少女歌手・ナヨンを演じ、「第23回百想芸術大賞」新人演技賞を受賞した。

1993年の映画「初恋」では、10歳年上の演出家に恋をする美大生を愛らしく演じ、23歳で「青龍映画賞」の主演女優賞を当時最年少で獲得。ドラマにもコンスタントに出演し、ペ・ヨンジュンと共演した「愛の群像」(1999年)や韓国で視聴率50%超の大ヒットとなった「クッキ~菊熙~」(1999年)などは日本でも放送され、おおいに話題になった。

「ハケンの品格」リメイク版でスーパー派遣社員を熱演

以来、2025年で俳優デビュー39年。ロマンス作品にラブコメ、サスペンス、アクション、時代劇などジャンルを問わず幅広い作品に出演し、多数の名作を残してきた。

映画では、ギャンブル社会を描いた「タチャ イカサマ師」(2006年)の謎めいた“チョン・マダム”役で3度目の「青龍映画賞」主演女優賞に輝いたほか、犯罪組織の女性ボスを迫力たっぷりに演じた「コインロッカーの女」(2015年)、通貨危機に立ち向かう経済専門家を演じた「国家が破産する日」(2018年)など、カリスマ性あふれる女性像を体現。

一方、ドラマにも代表作は多い。日本の「ハケンの品格」(2007年)をリメイクした「オフィスの女王」(2013年)でスーパー派遣社員ミス・キムを痛快に演じて“ミス・キムブーム”を巻き起こし、その年の「KBS演技大賞」大賞を獲得。韓国ドラマ屈指の名作と言われるサスペンス「シグナル」(2016年)では、車の運転もおぼつかない新人時代から正義感あふれる頼れるチーム長へと成長する女性刑事チャ・スヒョンの20代前半と40代を演じ分け、ドラマのヒットに貢献。「第52回百想芸術大賞」女性最優秀演技賞を受賞した。

「青龍映画賞」を見守ってきた“青龍のシンボル”

こうしてドラマ・映画での活躍ぶりを挙げればきりがないほどのベテラン俳優であるヘスだが、同時にバラエティーや映画祭での司会者としての能力もよく知られている。

トーク番組のMCや、時事番組のキャスターも経験。そんな彼女の代名詞ともいえるのが、韓国最大の映画の祭典「青龍映画賞」授賞式。45回実施されている同賞で、自身が最年少の主演女優賞を獲得した1993年開催の第14回から、30年間にわたって授賞式MCを担当。安定の進行ぶりと後輩たちを見守る温かなまなざしに加え、華やかでセクシーなドレスでも式典を彩ってきた。

2023年開催の第44回を限りに勇退。最後のMC担当となった第44回授賞式では、韓国映画界で果たしてきた役割を“青龍のシンボル”“青龍そのもの”といった言葉で称えられるヘスの姿があった。

長年韓国映画界に貢献してきたヘスの区切りとあって、後輩芸能人たちからも温かい祝福が続々。祝賀公演を行ったJ.Y.Parkは「When We Disco」のパフォーマンスでMC席からヘスの手を取って連れ出しダンスするサプライズで会場を沸かせ、式の締めくくりには“戦友”ともいうべきチョン・ウソンが登場。「『青龍映画賞』がすなわちキム・ヘスであり、キム・ヘスがすなわち『青龍映画賞』でありました。“永遠の青龍の女性”キム・ヘスにこのトロフィーを渡します」とトロフィーを送るセレモニーも行われた。

ベテランチーム長や組織のボスなどカリスマあふれるキャラクターを得意とし、一人の女優としても役柄そのまま後輩たちに慕われるヘスだが、そのカリスマはプライベートでも健在だ。ジェンダー問題や環境問題にも関心を寄せ、多くの支持を集めている。

10代から40年近くにわたり、映画やドラマの現場で高い集中力を保ち、作品に没頭してきたヘス。正義を胸に、地の果てまでも突撃する熱い調査報道チーム「トリガー」のチーム長オ・ソリョンが、そんな彼女の新たな代表キャラクターになるのは間違いなさそうだ。

「トリガー ニュースの裏側」は、ディズニープラスのスターにて毎週水曜に2話ずつ新エピソードを独占配信中。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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