藤原樹“吟”の酒店でお好みの擬人化“日本酒”をおかわりしたくなる…ファンタジックかつ優しい世界に乾杯＜あらばしり＞

2025.01.11 19:32

THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの藤原樹が連続ドラマ初主演を務めるドラマ「あらばしり」(毎週木曜深夜0:59-1:29、読売テレビ／Leminoほか)の第1話が、1月9日に放送された。第1話からファンタジックかつ優しい世界が広がっており、ついついドラマを見ながら一緒に乾杯したくなる気分になった。(以下、ネタバレを含みます)

人間の姿をした日本酒が客をおもてなし

「あらばしり」は、ライフワークとして日本酒の魅力を発信する橘ケンチ(EXILE/EXILE THE SECOND)と、俳優・脚本家・監督として活躍する平沼紀久が原案を手掛け、2020年12月から講談社「マガジンポケット」にて連載された日本酒の擬人化漫画(漫画：タクミユウ)をドラマ化。日本酒の魅力にハマり、酒蔵を研究し尽くして本を出版するまで極める橘の“日本酒愛”が十分に伝わる作品だ。

また、“日本酒”を題材にした同作は、日本の「伝統酒造り」が無形文化遺産に登録され、関心が高まる中で誕生。日本各地の酒蔵で生まれた個性あふれる日本酒たちを擬人化し、それぞれの特徴的なイメージをイケメンキャラクターから堪能できる作りとなっている。

舞台は、都会の外れに佇む看板もない、“必要としている人にしか見つけられない”酒店。主人公は祖父が遺した店を譲り受けることになった青年・伊藤吟(藤原)。ある日突然、吟の前に「一歩己」「赤武」「加茂錦」「篠峯」「村祐」「屋守」の日本酒が人間の姿で現れ、吟の生活は一変。祖父の意志を継ぐ吟たちによる最高のおもてなしが始まる。

穏やかで優しく、真っすぐ芯がある「一歩己」を西山潤が演じ、無骨でおとこ気があり、頼れる兄貴分キャラの「赤武」は市川知宏、柔らかく優しい、人懐っこい天真らんまんな「加茂錦」は大倉空人(原因は自分にある。)。大人の色気があり、知性溢れるお喋り好きな関西弁キャラの「篠峯」は吉田健悟、ワイルドで硬派、一匹おおかみで熱い「村祐」は青山凌大、陽気でパリピなムードメーカーキャラ「屋守」が後藤拓磨(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)と、個性豊かなキャラをそれぞれ演じる。

ゆりがお酒とメンズの魅力に酔いしれる

第1話で店主の吟は、店を探していた予約客・ゆり(浅川梨奈)を迎え入れる。「お客さまにピッタリの日本酒を飲んでいただき、身も心も解放して自然と笑顔になれる店をモットーにしています」と胸を張る吟に、顔を曇らせるゆり。

雑誌の編集部で働く彼女は、自分のミスでページに穴をあけてしまい、激しく落ち込んでいた。日本酒を飲んだことは「ほとんどない」と話すゆりに、吟は一歩己を紹介。人間の姿をして、まるでホストのように接客してくれる日本酒たちを前に、ゆりは指名料や個室代を心配していたが、酒とさかなのおいしさに目を見張り、癒やされていく。

「日本酒」の擬人化に感銘

刀剣や艦船の擬人化がブームとなり受け入れられている中で、日本酒というのはナイスアイデア。酒蔵のこだわりも作り方も味も異なりながら、日本酒というのは見た目がほぼ同じ。知らない人にとってはとっつきにくい世界とも捉えられがちだが、知れば知るほど深い楽しみが味わえる分野だ。

「あらばしり」の世界で擬人化された6人は初回からすでに個性が際立っており、見ていて楽しい。吟が女性客を世界観に突如引き込む強引さはあるが、穏やかさと誠実味でカバー。客が一口飲んで、水滴が「ポチャ～ン」と響く効果音や、日本酒の生まれた故郷の自然を感じる演出も心地良い。第1話は包容力満点の一歩己が「“私なんて”と言うの禁止」などと言って、弱った女性を励ますのもたまらない。

丁寧に愛情かけて造られた日本酒の魅力が、そのまま温かくまとめられたようなドラマ。次の日本酒キャラも“おかわり”したくなってしまうだろう。

次回、第2話は1月16日(木)に放送。酒店を託された吟は客にピッタリの酒を選んでみんなを笑顔にしていた祖父・金蔵(渡辺哲)を思い出すが、祖父のように店を続けられないことから、店を売ろうと考える。

◆文=ザテレビジョンドラマ部